イタリアで下痢になったら|現地薬局で買える薬と用量を薬剤師が解説

この症状でイタリア渡航中によくある原因

イタリア滞在中の下痢は、主に以下の3つが原因です。

1. 水道水・飲用水の違い

  • 北イタリアの水は比較的安全ですが、南部やシチリアの水が身体に合わない場合がある
  • ボトル水(Acqua minerale)購入を推奨

2. 食事内容の急激な変化

  • 油脂分の多いイタリア料理(オリーブオイル、チーズ、生ハム)
  • 乳製品が日本より濃厚で腸が過敏反応
  • チョコレートやコーヒーの過剰摂取

3. 食中毒(一般的)

  • 生ハムやチーズなどの保存加工食品
  • シーフードパスタ(特に沿岸部)
  • 路上での加熱不十分な食べ物

軽症(水様便、腹痛軽微、発熱なし)なら、まずは現地OTCで対応可能です。

現地薬局で買える薬(ブランド名・成分・用量)

1. Imodium(イモディウム) ← 第一選択肢

有効成分: ロペラミド塩酸塩(Loperamide hydrochloride) 規格: 2 mg / カプセル 用量: 初回 4 mg(2カプセル)、その後 1 回 2 mg を 1 日 3~4 回、最大 1 日 16 mg 特徴:

  • イタリア薬局で最も一般的な下痢止め
  • 速効性あり(30~60 分)
  • 腸運動を低下させて下痢を止める
  • 食中毒が疑われる場合は避けるべき(腸内の病原体排出を妨害)

2. Imodium Plus(イモディウム プラス)

有効成分: ロペラミド 2 mg + シメチコン 125 mg 用量: 初回 2 カプセル、その後 1 カプセル+1 回 3~4 回 特徴:

  • ガス膨満感を伴う下痢に適している
  • 腸内ガス排出を促進

3. Imodium Loperamide generici(ジェネリック版)

有効成分: ロペラミド 2 mg 価格: 約 €3~5(ImodiumオリジナルEU版より安い) 注意: パッケージを確認し、必ず "Loperamide" と表記されているか確認

4. Enterogermina(エンテロジェルミナ) ← 軽症向け

有効成分: 芽胞乳酸菌(Bacillus clausii) 規格: 1 バイアル = 2×10^9 CFU 用量: 1 日 1~2 バイアル、3 日間継続 特徴:

  • イタリアの定番整腸剤
  • 腸内フローラを改善
  • 飲用水に溶かしやすい(小分けバイアル)
  • ロペラミドより穏やかで、食中毒の可能性がある場合は相対的に安全

5. Smecta(スメクタ) ← アルミニウム系

有効成分: ジオスメクタイト(Dioctahedral smectite)3 g / 包 用量: 1 日 1~3 包、食事と分離して摂取 特徴:

  • 粘土鉱物系の止瀉剤
  • 腸粘膜保護作用
  • ロペラミドより安全性高い
  • 味はやや独特

6. Tachyrol-AC(タキロール AC) ← 古い選択肢

有効成分: ジメトキシフェニル+アルミニウム複合体 評価: 現在は Imodium や Smecta に置き換わりつつある

現地語での症状の伝え方

イタリア語での表現

英語 + イタリア語併記:

症状 英語 イタリア語
下痢がある I have diarrhea Ho la diarrea
腹痛がある I have abdominal pain Ho male al ventre / Ho dolori addominali
2日以上続いている It's been 2 days È da due giorni
血が混じっていない No blood in stool Niente sangue
発熱はない No fever Niente febbre

薬局での会話例

「下痢が 1 日続いている。Imodium をください」

English: "I have diarrhea for one day. Can I have Imodium?"
Italiano: "Ho la diarrea da un giorno. Mi serve l'Imodium, per favore."

「食べ物が合わなかったようだ。整腸剤はありますか?」

English: "The food didn't agree with me. Do you have something for digestion?"
Italiano: "Il cibo non mi ha fatto bene. Avete qualcosa per l'intestino?"

薬剤師への質問(英語推奨)

  • "Is this for acute diarrhea?" → 急性下痢に対応しているか
  • "How many times per day?" → 1 日何回か
  • "Any side effects?" → 副作用はあるか
  • "Can I take this with water from the tap?" → 水道水と一緒に飲めるか

日本の同成分OTC(持参する場合)

渡航前に日本で準備する場合の同成分代替品:

ロペラミド系

  • 正露丸ストッパー (ロペラミド 1 mg / 錠)

    • 用量: 1 回 2 錠(ロペラミド 2 mg)
    • イタリアの Imodium より低用量なため、量を調整
  • ストッパ下痢止めEX (ロペラミド 2 mg / 錠)

    • Imodium と同等用量
    • 携帯性良い

整腸剤系

  • ビオフェルミン S (ビフィズス菌・フェーカリス菌)

    • Enterogermina の代替品
    • 1 日 3 回、食後
  • エビオス (ビール酵母)

    • 穏やかな整腸作用
    • 腹部膨満感を伴う場合に適切

ビスマス系(日本では医療用のみ)

  • ビスマス製剤は日本の一般OTCには少ないため、イタリアで Smecta 購入が無難

持参のポイント:

  • 英文説明書またはパッケージをスマートフォンで撮影
  • 海外医療保険の書類にも記載しておく
  • 使用期限を必ず確認

避けるべき成分・買ってはいけない薬

❌ 避けるべき成分

1. Antibiotics(抗菌薬) without prescription

  • イタリアでは抗生物質は処方箋医薬品
  • 薬局で勝手に売ることはほぼない
  • 処方箋なしで勧められたら断る

2. 高用量アセチルサリチル酸(Aspirin)

  • 下痢止めには不適切
  • 胃腸出血のリスク

3. 古い止瀉薬(Kaopectate など)

  • 欧米で既に廃止 or 改良版に
  • 品質が不確実

⚠️ 偽造品・粗悪品の警告

イタリアは EU 基準が厳しいため偽造品は少ないが、以下に注意:

  • 路上や観光地の露店で薬を買わない
  • 公式の薬局チェーン(Farmacia Comunale など)を利用
  • パッケージに Farmacie(薬局)のロゴと登録番号があるか確認
  • "Made in Italy" や "Approved by AIFA"(イタリア医薬品庁)の表示を確認

確認方法:

正規品: 緑十字✚のロゴ + AIFA認可番号
偽造品の兆候: 
  - 印字が不鮮明
  - パッケージに湿り気がある
  - 錠剤の色が不統一

即座に受診すべき危険サイン

🚨 直ちに病院へ(Ospedale / Pronto Soccorso = 救急外来)

1. 血便がある

  • 赤い血や黒いタール便(メレナ)
  • 腸炎や感染症の可能性

2. 39°C 以上の高熱を伴う

  • 細菌感染やウイルス感染の兆候
  • 脱水症状のリスク増加

3. 24 時間以上、水分摂取できない

  • 脱水症状が深刻化
  • 電解質バランス崩壊のおそれ

4. 腹痛が激烈(8/10 以上の強度)

  • 急性腸炎や虫垂炎の可能性
  • おう吐が激しい場合も

5. 意識がぼやける、めまいが激しい

  • ショック状態の兆候
  • 脱水が重度

6. 72 時間以上、下痢が続く

  • 通常の旅行者下痢から感染症へ移行
  • 医師の診断が必須

イタリアの救急情報

  • 救急車: 112(イタリア統一番号)
  • 毒物管理センター: 1-800-882-2222
  • 医療通訳サービス: 大使館に問い合わせ

医師への報告事項

• いつから下痢が始まったか(When did it start?)
• 最後の食事は何か(What was your last meal?)
• 他の症状はあるか(Any fever, vomiting?)
• 最近の海外渡航地(Where have you traveled?)
• 使用した薬(Any medications taken?)

まとめ

イタリア滞在中の下痢対策は以下の優先順位で対応します:

✅ 推奨フロー

  1. 軽症(水様便、腹痛軽微、発熱なし)

    • まず Enterogermina または Smecta で様子見(24 時間)
    • 水分補給と食事の調整を同時に実施
    • 改善しなければ Imodium 検討
  2. 中等症(頻繁な下痢、軽い腹痛、発熱なし)

    • Imodium 2 mg を初回 2 錠、以降 1 錠を 3~4 時間ごと
    • 最大 24 時間まで。改善しなければ医師へ
  3. 重症・危険サイン

    • 即座に病院(Pronto Soccorso)へ
    • 海外保険の 24 時間ホットラインに連絡

現地薬局での買い方:3ステップ

Step 行動
1 正規 Farmacia(緑の十字)を探す
2 英語またはイタリア語で "Ho la diarrea da un giorno" と伝える
3 薬剤師の推奨を聞き、1 日の用量と飲み方を確認

日本から持参するなら

  • ストッパ下痢止めEX(ロペラミド 2 mg)
  • ビオフェルミン S(整腸剤)
  • OS-1 パウダー(経口補水塩)

イタリアの医療水準は高く、薬局員も英語対応が可能です。症状が軽ければ現地OTCで十分対応でき、一般的な旅行者下痢は 24~48 時間で自然軽快します。ただし、危険サインが出たら躊躇なく医療機関を訪れることが重要です。

その他の症状も確認

→ すべての症状一覧 / イタリアの渡航医薬品情報

免責事項: 本ガイドは一般的な軽症対応の参考情報であり、 医学的診断の代替ではありません。 妊婦・小児・慢性疾患の方、および上記の危険サインが見られる場合は 必ず医師・薬剤師に直接ご相談ください。

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