ウイルス性肝炎の撲滅に進展も、2030年目標達成には加速が必要

ウイルス性肝炎:世界的課題と最新データ

WHOが2026年4月に発表した最新報告書によると、ウイルス性肝炎(B型・C型)は依然として世界的な公衆衛生上の重大な脅威です。

感染と死亡の現状

2024年時点で、287百万人がB型またはC型肝炎に罹患しており、同年の肝炎関連死は134万人に上ります。B型肝炎は110万人、C型肝炎は24万人の死亡を招いており、毎日4,900人以上の新規感染が発生しています。

感染地域の特性として、B型肝炎新規感染の68%はWHOアフリカ地域に集中。また、C型肝炎新規感染の44%は注射薬使用者に関連しています。

治療アクセスの課題

B型肝炎患者の治療率は5%未満、C型肝炎患者の治療率は20%程度に過ぎません。これは医療システムの脆弱性、スティグマ、治療アクセスの不平等を反映しています。

利用可能な予防・治療手段

以下のツールが95%以上の有効性を持ちます:

  • B型肝炎ワクチン:急性・慢性感染を強力に防止
  • B型肝炎抗ウイルス治療:長期投与で慢性感染を管理
  • C型肝炎短期治療:8~12週間の療法で95%以上の治癒率

進展と課題

2015年以降、B型肝炎新規感染は32%減少し、C型肝炎関連死は12%減少しました。5歳未満のB型肝炎有病率も0.6%に低下し、85カ国が2030年目標(0.1%)を達成しています。

しかし現在の進捗速度では2030年目標達成には不十分です。特にアフリカ地域でのB型肝炎新生児ワクチン接種率は17%にとどまり、重点10カ国がB型肝炎関連死の69%を占めています。

薬剤師メモ
渡航時はB型肝炎ワクチンの接種歴確認が重要です。特に東南アジア・アフリカへの渡航者は追加接種を検討してください。また、医療施設での注射針・血液製剤は国によって安全基準が異なるため、必要に応じて渡航前の予防接種クリニックで相談してください。帰国後の肝機能検査も推奨されます。

出典(一次情報)

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