WHO、パンデミック合意の病原体アクセス・利益配分制度の交渉を延長
概要
世界保健機関(WHO)加盟国は2026年5月1日、パンデミック対策の重要な枠組みである「病原体アクセス・利益配分(PABS)制度」に関する交渉の延長に合意しました。
PABS制度について
PABS制度は以下を目的としています:
- 病原体の迅速な共有:パンデミック発生リスクを持つ病原体の国際的な共有
- 利益の公平な配分:ワクチン、診断キット、治療薬など開発成果の公正な分配
- 衡平性の確保:先進国と発展途上国の利益格差是正
今後の予定
- 第79回世界保健総会(2026年5月開催予定)に進捗状況を報告
- 第7回政府間作業部会:2026年7月6日~17日開催予定
- 最終合意目標:2027年5月の次期世界保健総会、または2026年中の特別会期
政策背景
この制度はCOVID-19パンデミックの教訓を基に2025年5月に採択されたWHOパンデミック合意の最終的な構成要素です。テドロス事務局長は「次のパンデミックは『いつ』ではなく『いつ来るのか』という問題である」と強調し、迅速な合意の必要性を述べています。
薬剤師メモ
本交渉の進展は、将来のパンデミック発生時における医薬品・ワクチンの供給体制に直結する重要な国際政策です。渡航者としては、これまでのCOVID-19対応における医療用医薬品や検査キットの流通課題が背景にあることを理解しておくと、緊急時の対応判断に役立つかもしれません。現在のところ渡航者の直接的な予防接種や服薬方針の変更はありませんが、今後の国別の感染症対策方針に影響を与える可能性のある交渉です。