ご質問
海外渡航中に呼吸器感染症や皮膚感染症などで、マクロライド系抗生物質(アジスロマイシン:ジスロマックなど)を処方されることがあります。日本の医療機関では抗生物質処方時に整腸剤がセットで出されることが多いですが、海外ではそのような処方がないことも珍しくありません。そうした場合、自分で整腸剤を追加したり、治療後に飲む必要があるのか、疑問に思う渡航者は多いです。
薬剤師からの回答
結論として、マクロライド系抗生物質は広いスペクトラムで腸内細菌に影響を与えるため、OTC整腸剤(プロバイオティクス含有製品)の併用や抗生物質使用後の服用は、腸内環境の回復を支援する一つの選択肢です。 ただし、すべての渡航者に必須というわけではなく、個人の体質や症状に応じた判断が求められます。一般に、抗生物質による下痢やお腹の不調を経験している場合、整腸剤の活用を検討する価値があります。
マクロライド系抗生物質が腸内細菌に与える影響
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 菌叢への作用 | 広スペクトラムにより好気性菌・嫌気性菌の両方に効果。良好菌も含めて菌数が減少しやすい |
| 一般的な副作用 | 下痢、腹部膨満感、軟便など消化器症状 |
| リスク期間 | 抗生物質服用中~使用終了後1~2週間が菌叢回復の過程 |
| 個人差 | 既存の腸内環境、食事、ストレスレベルなどで影響程度が異なる |
海外で入手可能な整腸製品の一般分類
- プロバイオティクス配合OTC剤:乳酸菌やビフィズス菌を含むカプセル・粉末(タイ・ベトナムの薬局で「Enterogermina」「Lacto B」など利用可)
- オリゴ糖・食物繊維製品:整腸作用をサポートするプレバイオティクス
- 日本から持参できる整腸剤:旅程が短い場合は、あらかじめ日本の薬局で常備薬として購入する選択肢も有効
実務的な補足
海外現地での質問方法
処方を受けた医療機関で「Should I take a probiotic or digestive aid with this antibiotic?」と尋ねるのが確実です。医学的に推奨されない組み合わせであれば、その際に教えてもらえます。
症状がない場合
健康な腸内環境をお持ちで、抗生物質使用中も下痢などの症状がなければ、無理に整腸剤を追加する医学的根拠は一般に薄いとされています。
持ち込みのポイント
OTC整腸剤は規制対象ではなく、個人使用量なら日本から持参可能です。旅程が2週間以上の場合、あらかじめ日本で1~2週間分を用意しておくと、現地で探す手間が省けます。
まとめ
マクロライド系抗生物質による腸内菌叢への影響は医学的に認識されており、OTC整腸剤はそのリスク軽減の一つの手段です。しかし「必ず必要」ではなく、症状や個人の体質に応じた選択が重要です。海外で処方を受けた場合は、処方医に確認するか、帰国後に日本の薬剤師・医師に相談することをお勧めします。
本回答は一般的な情報提供であり、個別の医学的判断は主治医または薬剤師にご相談ください。