ギリシャでアレルギーになったら|現地で買える薬と薬局での買い方を薬剤師が解説
ギリシャはエーゲ海の強い日差し、オリーブ畑に囲まれた風景、豊かな地中海料理が魅力の人気渡航先です。しかし日本人旅行者にとって、慣れない環境での花粉・ハウスダスト・食物アレルギーの悪化は珍しくありません。本記事では薬剤師(博士(薬学))の立場から、ギリシャでアレルギー症状が出た際の対処法を網羅的に解説します。
ギリシャでアレルギーになる原因
気候・植生
ギリシャは地中海性気候で、春(3〜5月)は温暖で雨も適度にあり、植物が旺盛に花粉を飛散させる季節です。最も問題となるのはオリーブ(Olea europaea)の花粉で、4〜6月にかけてアテネ周辺やクレタ島で高濃度飛散が記録されます。欧州アレルギー・喘息臨床免疫学会(EAACI)の報告でも、南欧のオリーブ花粉は感作率が高く、日本国内でオリーブ花粉への感作がないまま渡航した人でも急性反応が起きやすいことが示されています。イネ科草本(6〜7月)、ブタクサ類(8〜9月)も飛散シーズンがあり、夏の長期滞在者は複数の花粉に曝露するリスクがあります。
建築環境・ハウスダスト
ギリシャには古い石造り・漆喰造りの宿泊施設が多く、特に築年数の古いゲストハウスや島のヴィラでは換気が不十分なことがあります。チリダニ(Dermatophagoides 属)はアテネなど都市部から沿岸部まで広く生息しており、ダニアレルギーを持つ人には注意が必要です。
食物アレルギー
ギリシャ料理はタコやエビ、イカなどの甲殻類・軟体動物を多用します。「タラモサラタ」(魚卵のディップ)、「ガリデス サガナキ」(エビのチーズ焼き)など観光客に人気の料理にも含まれます。魚介アレルギーを持つ方は注文時に明確に申告することが不可欠です。また、ギリシャはスパイス・ハーブ使用量が多く(オレガノ、タイム、フェンネルなど)、稀にこれらへの反応も報告されています。ピーナッツ・木の実(クルミ・松の実)もギリシャ料理に頻繁に使われます。
紫外線・光線過敏症
ギリシャの日射量は年間2,700〜3,000時間超(日本の東京の約1.6倍)で、UV-Bが強力です。抗ヒスタミン薬・抗菌薬(テトラサイクリン系)・NSAIDs などを服用中に強い紫外線を浴びると光線過敏反応(光毒性・光アレルギー)が起きる場合があります。日焼け止め(SPF50以上)の使用は薬剤師として強く推奨します。
大気汚染物質
アテネ都市圏はPM2.5・オゾン濃度が欧州平均より高く、大気汚染粒子は花粉アレルゲンと結合して花粉症症状を増悪させることが知られています(WHO 欧州環境疾病負荷報告)。アテネ滞在時に症状が悪化しやすい人は、サントリーニ島やクレタ島の田舎エリアへの移動で軽快するケースもあります。
重症度判定チェックリスト
渡航先で症状が出たとき、市販薬で様子を見るか、すぐに受診するかの判断が重要です。以下のチェックリストを参考にしてください。
🚨 レベル3:緊急受診(救急車・ERへ直ちに)
以下のうち1つでも当てはまる場合、市販薬で対処せず即座に救急(ギリシャ緊急番号:112)を呼ぶか、最寄りの救急病院に自力で向かってください。これはアナフィラキシーの可能性を示すサインです。
- 喉・舌・唇が急速に腫れている
- 呼吸困難・喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー音)がある
- 声がかすれてきた・嚥下困難を感じる
- 血圧低下を示す強いめまい・意識の遠のき
- 全身に数分以内で広がる蕁麻疹+上記のいずれか
- 嘔吐・腹痛の急激な出現+皮膚症状の同時発生
エピペン(アドレナリン自己注射器)を処方されている方は迷わず使用し、使用後も必ず受診してください。
🟡 レベル2:準緊急(当日〜翌日中に医師診察)
- 市販の抗ヒスタミン薬を2〜3日服用しても症状が改善しない
- 38.5℃以上の発熱を伴う(感染症合併の疑い)
- 皮膚の発赤・蕁麻疹が顔・体幹に急速に拡大している
- 眼の充血・痒みが悪化し、視力への影響を感じる
- 抗ヒスタミン薬服用後に新たな皮膚症状や動悸が出た
🟢 レベル1:経過観察(市販薬で対応可)
- くしゃみ・鼻水・鼻づまりのみ
- 目のかゆみ・涙目のみ
- 局所的な皮膚の軽度かゆみのみ
- 過去に同様のアレルギー症状があり、今回も軽症で経過している
- 症状が出てから24時間以内で悪化傾向がない
現地薬局で買えるOTC薬
ギリシャの薬局(Φαρμακείο:ファルマキオ)は医薬品の取り扱いが充実しており、以下の成分・製品が一般的に入手可能です。ただし商品名は流通状況によって変わることがあるため、成分名(一般名)で伝えることを推奨します。価格は目安であり、薬局や地域によって異なります。
第2世代抗ヒスタミン薬(内服)
| ブランド名 | 有効成分(一般名) | 用量・用法 | 価格目安(€) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Cetirizine(各社ジェネリック含む) | セチリジン塩酸塩 10mg | 1日1回 10mg、就寝前 | 概ね3〜8 | 眠気やや少ない・24時間持続 |
| Telfast / Fexofenadine各社 | フェキソフェナジン塩酸塩 120mg / 180mg | 1日1〜2回 | 概ね6〜12 | 眠気ほぼなし・食物相互作用少 |
| Loratadine(各社ジェネリック) | ロラタジン 10mg | 1日1回 10mg | 概ね3〜7 | 眠気少ない・小児にも使われる |
| Aerius(デスロラタジン製品) | デスロラタジン 5mg | 1日1回 5mg | 概ね8〜14 | ロラタジンの活性代謝物・効果が安定 |
薬剤師コメント:セチリジンとロラタジンはギリシャでも後発品(ジェネリック)が多く流通しており、入手しやすいです。フェキソフェナジンは「Telfast」ブランドが流通していることが多いですが、在庫状況は薬局により異なります。成分名で「cetirizine(セチリジン)」「loratadine(ロラタジン)」と伝えれば薬剤師が適切な製品を出してくれます。
点眼薬(目のかゆみ・充血)
| 有効成分(一般名) | 代表的な製品カテゴリ | 用法 | 価格目安(€) |
|---|---|---|---|
| ケトチフェンフマル酸塩 0.025% | 抗ヒスタミン系点眼薬 | 1日2〜4回 | 概ね4〜8 |
| クロモグリク酸ナトリウム 2% | マスト細胞安定薬点眼薬 | 1日4〜6回 | 概ね4〜7 |
| 人工涙液(ヒプロメロースなど) | 洗眼・保湿用点眼薬 | 適宜 | 概ね3〜6 |
ケトチフェンを含む点眼薬はギリシャ薬局で入手可能なことが多いです。成分名「ketotifen eye drops」と伝えるとスムーズです。
点鼻薬(鼻症状)
| 有効成分(一般名) | 種類 | 用法 | 価格目安(€) |
|---|---|---|---|
| モメタゾンフランカルボン酸エステル(ステロイド) | ステロイド点鼻薬 | 1日1〜2回 | 概ね10〜16 |
| フルチカゾンプロピオン酸エステル(ステロイド) | ステロイド点鼻薬 | 1日1〜2回 | 概ね10〜15 |
| 塩化ナトリウム生理食塩水スプレー | 洗浄・保湿用 | 随時 | 概ね4〜8 |
ステロイド点鼻薬について:モメタゾン・フルチカゾンは鼻粘膜局所にのみ作用し、全身への吸収が極めて少ないステロイドです。花粉症の鼻炎に対し最も高いエビデンスを持つ薬剤です。ギリシャでは処方箋なしで購入できる場合がありますが、薬局により対応が異なります。成分名(mometasone nasal spray / fluticasone nasal spray)を伝えてください。
まとめ:組み合わせ例
- 鼻水・くしゃみ中心:セチリジン10mgまたはロラタジン10mg(内服)+ステロイド点鼻薬
- 目のかゆみ中心:ケトチフェン点眼薬+抗ヒスタミン内服
- 鼻+目の複合症状:抗ヒスタミン内服+点眼薬+点鼻薬の3剤併用
現地語での症状表現・薬局での買い方
ギリシャの薬局スタッフは観光地では英語対応が可能なことが多いですが、島や地方では英語が通じにくい場合もあります。以下のフレーズを活用してください。
英語フレーズ(発音カナ付き)
| 状況 | 英語フレーズ | カナ発音 |
|---|---|---|
| アレルギーを伝える | I have allergies.(アイ ハヴ アレルジーズ) | — |
| 目のかゆみ | My eyes are itchy and watery.(マイ アイズ アー イッチー アンド ウォータリー) | — |
| 鼻水・くしゃみ | I have a runny nose and sneezing.(アイ ハヴ ア ラニー ノーズ アンド スニーズィング) | — |
| 鼻づまり | I have nasal congestion.(アイ ハヴ ネイザル コンジェスチョン) | — |
| 蕁麻疹 | I have hives / a rash.(アイ ハヴ ハイヴズ ア ラッシュ) | — |
| 抗ヒスタミン薬希望 | Do you have an antihistamine?(ドゥ ユー ハヴ アン アンタイヒスタミン?) | — |
| 眠くなりにくいものを | Can I have a non-drowsy one?(キャン アイ ハヴ ア ノン ドラウジー ワン?) | — |
| 点眼薬を | I need eye drops for allergies.(アイ ニード アイ ドロップス フォー アレルジーズ) | — |
| 妊娠中を伝える | I am pregnant.(アイ アム プレグナント) | — |
| 子どもへの使用 | This is for a child aged __ years.(ディス イズ フォー ア チャイルド エイジド __ イヤーズ) | — |
ギリシャ語フレーズ
| 日本語 | ギリシャ語 | 発音(カタカナ) |
|---|---|---|
| アレルギーがあります | Έχω αλλεργία. | エッホ アレルギア |
| 目がかゆいです | Τα μάτια μου φαγουρίζουν. | タ マティア ム ファグリゾン |
| 鼻水が出ます | Έχω ρινόρροια. | エッホ リノリア |
| くしゃみが出ます | Έχω φτέρνισμα. | エッホ フテルニズマ |
| 蕁麻疹が出ました | Έχω κνίδωση. | エッホ クニドシ |
| 抗ヒスタミン薬はありますか | Έχετε αντιισταμινικό; | エヘテ アンディイスタミニコ? |
| 眠くならないものが欲しい | Θέλω κάτι που δεν προκαλεί υπνηλία. | セロ カティ プ デン プロカリ イプニリア |
薬局で使える一言カード(印刷推奨)
ギリシャ語:「Έχω αλλεργία και χρειάζομαι αντιισταμινικό χωρίς υπνηλία. Μπορείτε να με βοηθήσετε;」 (アレルギーがあり、眠くならない抗ヒスタミン薬が必要です。手助けいただけますか?)
ギリシャの医療事情
医療制度の概要
ギリシャは公的医療(EOPYY:国民医療保険機構)と私立医療が並立しています。EU市民には公的保険が適用されますが、日本人旅行者は原則として自費診療となります。海外旅行保険への加入(緊急医療費補償あり)を強く推奨します。
救急・緊急連絡先
| サービス | 番号 | 備考 |
|---|---|---|
| 欧州統一緊急番号 | 112 | 日・英語でも対応可 |
| ギリシャ国内救急 | 166 | EKAB(救急医療サービス) |
| 警察 | 100 | |
| 消防 | 199 | |
| 毒物センター(アテネ) | +30 210 779 3777 | 薬物・食品アレルギー疑い時も相談可 |
主な医療機関
アテネ
- Evangelismos Hospital(エバンジェリスモス病院):アテネ市内最大級の公立総合病院。ERあり。英語対応スタッフが比較的多い。住所:Ipsilantou 45-47, 106 76 Athens
- KAT Hospital(カット病院):救急・外傷対応の大型公立病院。住所:Nikis 2, Kifissia, Athens
- Athens Medical Group(アテネ・メディカル・グループ):英語対応私立グループ病院。自費診療だが英語対応が安定している。
サントリーニ島
- Fira Health Center(フィラ・ヘルスセンター):島唯一の公的医療センター。重症時はヘリでアテネ移送。
クレタ島(イラクリオン)
- University General Hospital of Heraklion(イラクリオン大学病院):高度医療対応可。
日本語対応
2025年時点でギリシャ国内に常駐の日本語対応医師情報は限られています。在ギリシャ日本国大使館(電話:+30 210 670 9900)が日本語での医療機関紹介サービスを行っており、緊急時に連絡することを推奨します。大使館は24時間緊急連絡に対応しています。
薬局(Φαρμακείο)へのアクセス
ギリシャの薬局は街角に多く、pharmacyAccess:easyのとおり入手困難なことはほとんどありません。営業時間は月・水・土曜が概ね8:30〜14:00、火・木・金曜が8:30〜14:00+17:00〜20:30程度。夜間・休日は輪番制で「当番薬局(Εφημερεύον Φαρμακείο)」が対応します。当番薬局は扉の掲示や地元紙、またはオンライン(www.eof.gr)で確認できます。
薬剤師の視点:渡航前準備・持参推奨OTC・現地入手のリスク
渡航前に準備しておくべきこと
1. アレルギー歴の文書化 主治医またはかかりつけ薬剤師に、自身のアレルギー歴・使用中薬剤を英語で記載した「メディカルサマリー」を作成してもらいましょう。特に食物アレルギーがある場合は「I am allergic to __(アイ アム アレルジック トゥ __)」と伝えられる英語カードの携帯を推奨します。
2. エピペンを持つ方への注意 アドレナリン自己注射器(エピペン)は航空機への持ち込みが可能ですが、医師による処方証明書の英文版を準備してください。ギリシャ税関でも医師の処方箋・証明書があれば問題なく持ち込めます。
3. 海外旅行保険の確認 アナフィラキシーや重篤なアレルギー発作は入院・救急搬送が必要なことがあります。医療費補償額が十分な保険(目安:1,000万円以上)に加入してください。
持参を推奨する日本のOTC薬
現地で入手困難な場合や、慣れた薬剤を使いたい場合のために、以下を渡航前に準備することを薬剤師として推奨します。
| 薬剤カテゴリ | 代表的な日本のOTC製品(成分名) | 備考 |
|---|---|---|
| 第2世代抗ヒスタミン(内服) | セチリジン塩酸塩10mg配合OTC(例:ストナリニS など) | 1か月分以内の個人使用量が目安 |
| フェキソフェナジン内服 | フェキソフェナジン塩酸塩配合OTC | 日本ではOTC化されており入手可能 |
| ケトチフェン点眼薬 | ケトチフェンフマル酸塩配合点眼薬 | 小型ゆえ持ち運びに適切 |
| ステロイド点鼻薬 | フルチカゾン配合点鼻薬 | 日本では処方薬のため事前に主治医へ |
| 生理食塩水鼻スプレー | 塩化ナトリウム生理食塩水スプレー | 現地でも入手容易だが持参しても可 |
持参量の目安:個人使用目的であれば1か月分程度は通常問題ありません。ただし麻薬・向精神薬を含む薬剤は別途規制があります。ご自身の薬剤が該当するか事前に薬剤師または医師に確認してください。
現地入手のリスクと注意点
成分名で確認する習慣 ギリシャで販売される抗ヒスタミン薬は日本と同じ国際一般名(INN)の成分が使われていますが、ブランド名は異なります。パッケージ裏面の成分表示(Δραστική Ουσία:有効成分)を必ず確認してください。
正規薬局での購入 十字(☩)マークの緑または赤のネオンサインが薬局の標識です。観光地の露店・無許可の通販サイトでは偽造品・品質不明品のリスクがあります。必ず正規の薬局(Φαρμακείο)で購入してください。
第1世代抗ヒスタミン薬に注意 ギリシャでも一部の古い複合感冒薬にジフェンヒドラミンやクロルフェニラミン(第1世代抗ヒスタミン)が含まれる製品があります。これらは強い眠気を引き起こし、観光中の移動・運転に重大な支障をきたします。薬剤師に「non-drowsy(ノン ドラウジー)」と伝えて第2世代製品を選んでください。
妊婦・授乳中の方 ロラタジンは比較的安全性データが蓄積されていますが、渡航前に産婦人科医・薬剤師に相談のうえ、服用可能な薬剤を確認しておいてください。
帰国後の観察ポイント
アレルギー症状の遷延
帰国後も鼻炎・皮膚かゆみが続く場合は、渡航中に新たなアレルゲンへの感作が生じた可能性があります。帰国後2〜4週間以内に耳鼻咽喉科またはアレルギー科を受診し、アレルゲン検査(血液検査:RAST、皮膚プリックテスト)を受けることを推奨します。
感染症との鑑別
| 症状 | アレルギー疑い | 感染症疑い |
|---|---|---|
| 発熱 | ほぼなし | あり(38℃超) |
| 症状の始まり | 特定の環境・食物と関連 | 数日後に徐々に悪化 |
| 目・鼻の分泌物 | 透明・水様 | 黄色・膿性 |
| 皮膚症状 | かゆみ・蕁麻疹 | 発疹+発熱の同時発現 |
| 抗ヒスタミン薬の効果 | 改善する | 効果に乏しい |
ギリシャはウエストナイルウイルス感染症が夏季に流行することがあります(欧州疾病予防管理センター:ECDCの報告による)。帰国後2週間以内に発熱・頭痛・筋肉痛・皮疹などが出た場合は、渡航歴を医師に申告のうえ受診してください。
帰国後に受診すべき症状
- 帰国後2週間以内に38℃以上の発熱
- 皮膚の赤い発疹と発熱が同時に出現
- 全身の倦怠感+リンパ節腫脹
- 下痢・腹痛が1週間以上持続
- 目・皮膚の黄染(黄疸)
上記は渡航先で感染した感染症(マラリア・デング熱・リーシュマニア症など)との鑑別が必要なため、必ず「最近ギリシャに渡航した」と医師に申告してください。帰国者外来のある病院(感染症内科・熱帯医学科)を受診することが望ましいです。
避けるべき薬・注意すべき組み合わせ
第1世代抗ヒスタミン薬(眠気が強い)
ジフェンヒドラミン・クロルフェニラミン・プロメタジン(フェノチアジン系)などは旧世代の抗ヒスタミン薬で、中枢性の眠気が非常に強く出ます。観光中の移動・レンタカー運転・船の乗り降りに重大な危険を招きます。誤って購入しないよう、第2世代(cetirizine / loratadine / fexofenadine)を指定してください。
ステロイド内服の自己判断による使用
プレドニゾロンなどステロイド内服薬を医師の指示なく購入・服用することは推奨しません。ギリシャでは一部の薬局でステロイド内服が処方箋なしで入手できる場合がありますが、長期・高用量使用は免疫抑制・血糖上昇・骨粗鬆症など深刻な副作用をもたらします。あくまで短期的な局所ステロイド(点眼・点鼻)にとどめてください。
アルコールとの相互作用
第1世代抗ヒスタミン薬はアルコールとの相互作用で中枢抑制が著明に増強されます。ギリシャはウゾー・ワインなどのお酒が食事に欠かせない文化ですが、抗ヒスタミン薬服用中は飲酒を控えることを推奨します。第2世代でも少量の相互作用はゼロではないため注意が必要です。
参考文献
-
European Academy of Allergy and Clinical Immunology (EAACI). EAACI Pollen Calendar and Allergy Season Information – Greece. https://www.eaaci.org(2024年参照)
-
European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC). West Nile Virus in Europe – 2024 Season Update. https://www.ecdc.europa.eu(2024年参照)
-
World Health Organization (WHO) Regional Office for Europe. Environmental Health – Air Quality and Pollen. https://www.who.int/europe(2024年参照)
-
外務省 海外安全情報 ギリシャ(ギリシャ共和国). https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2024T018.html(2024年参照)
-
日本アレルギー学会. アレルギー総合ガイドライン2022. 協和企画, 2022.
-
National Organization for Medicines of Greece (EOF) – Εθνικός Οργανισμός Φαρμάκων. 医薬品承認・薬局当番情報. https://www.eof.gr(2024年参照)
-
在ギリシャ日本国大使館. 医療・健康情報. https://www.gr.emb-japan.go.jp(2024年参照)
-
PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構). 海外での医薬品使用に関する情報. https://www.pmda.go.jp(2024年参照)
まとめ:3ステップ対応フロー
STEP 1 |軽症段階(市販薬で対応) 薬局でセチリジン10mg・ロラタジン10mg・フェキソフェナジン120〜180mgなど第2世代抗ヒスタミン薬を購入。目のかゆみにはケトチフェン点眼薬、鼻づまりにはステロイド点鼻薬を併用する。英語で「Do you have an antihistamine?(ドゥ ユー ハヴ アン アンタイヒスタミン?)」と伝えるか、本記事のギリシャ語フレーズを活用。
STEP 2 |準緊急段階(医師診察) 2〜3日服用しても症状が改善しない・発熱を伴う・皮膚症状が拡大している場合は、アテネの公立病院ER、または英語対応の私立クリニックを受診。緊急でなければ在ギリシャ日本国大使館(+30 210 670 9900)に相談して医療機関紹介を受けるのが安心。
STEP 3 |緊急段階(救急) 呼吸困難・喉の腫脹・意識の低下などアナフィラキシーが疑われる際は、迷わず112または166に電話。エピペン保持者は即座に使用し、使用後も必ず救急受診する。
免責事項
本記事は薬剤師(博士(薬学))が薬学・医療情報の提供を目的として執筆したものです。診断・治療の決定は必ず医師が行うものであり、本記事の内容は医師による診察・処方の代替となるものではありません。個々の症状・体質・既往歴・服用中薬剤によって適切な対応は異なります。渡航前に必ずかかりつけ医・薬剤師にご相談のうえ、準備を行ってください。本記事の情報は執筆時点のものであり、現地の薬局在庫・医療機関情報・法規制は予告なく変更されることがあります。
監修:薬剤師(博士(薬学))