イギリスで咳になったら|現地薬局で買える薬と使い方を薬剤師が解説

イギリスで咳になったら|現地薬局で買える薬と使い方を薬剤師が解説

イギリス滞在中に咳が出始めると、「どこで薬を買えばいい?」「病院には行くべき?」と不安になる方は多いでしょう。幸いイギリスは薬局へのアクセスが非常に良く(pharmacyAccess: easy)、Bootsをはじめとする大手チェーンが全国に展開しており、薬剤師(Pharmacist)への相談も無料で受けられます。本記事では、博士(薬学)を持つ薬剤師の立場から、原因の解説・重症度判定・現地OTC薬の具体的な情報・NHS利用法・帰国後の注意点まで、渡航者が実際に役立てられる情報を網羅的にまとめました。


1. イギリスで咳になる原因の解説

イギリスで咳が出やすい背景には、気候・環境・感染症の流行サイクルが複合的に絡んでいます。日本との違いを把握しておくと、予防と対処がスムーズになります。

気候・環境要因

イギリスは西岸海洋性気候に属し、年間を通じて湿度は比較的高い傾向があります。しかし冬季(11月〜3月)には中央暖房(セントラルヒーティング)が24時間稼働する住居が多く、室内の相対湿度が20〜30%台まで急落することが珍しくありません。日本人が普段慣れている室内環境(湿度40〜60%)と比べると、気道粘膜が乾燥しやすく、異物を排除しようとする線毛運動が低下します。その結果、軽度の刺激でも乾いた咳(乾性咳嗽)が誘発されます。

また、ロンドン・マンチェスター・バーミンガムなどの大都市圏ではPM2.5や二酸化窒素(NO₂)濃度が高い日があり、気管支に慢性的な刺激を与えます。特にロンドン市内の地下鉄(Underground)構内は金属粒子を含む微粒子が浮遊しており、長時間の利用で気道を刺激することが知られています。

感染症の流行サイクル

英国では毎年秋から冬にかけてインフルエンザとRSウイルスが流行し、咳を主症状とする上気道感染症の患者数が急増します。加えて、COVID-19の変異株も冬季に流行の波が来やすく、ワクチン接種状況に関わらず渡航者は感染リスクにさらされます。集団生活の多い学生寮・ホステル・公共交通機関の利用頻度が高い渡航者は特に注意が必要です。

春季(3〜6月)にはイングランド南部やウェールズの草地からライグラス・スズメノテッポウなどの花粉が大量に飛散し、花粉症(Hay fever)に起因するアレルギー性の咳が増加します。日本の花粉症既往者でも、イギリス特有の草本類花粉に新たに感作されるケースがあります。

水質・食文化の影響

イギリスの水道水は硬水(カルシウム・マグネシウム含有量が高い)です。直接飲料水として飲む機会が多い渡航者では、胃食道逆流症(GERD)が悪化し、酸が喉に上がることで慢性の咳を引き起こすことがあります。特に夜間や食後に悪化する咳はこのパターンを疑う手がかりになります。また、揚げ物や乳製品が多いイギリスの食文化は、痰の産生を増やしやすいという経験的な訴えも散見されます。

まとめ(主な原因)

  • 室内暖房による乾燥(湿度20〜30%)
  • 風邪ウイルス・インフルエンザ・COVID-19(冬季ピーク)
  • 大都市の大気汚染・地下鉄内の微粒子
  • 草本類花粉によるアレルギー(3〜6月)
  • 硬水・食生活変化による胃食道逆流

2. 重症度判定チェックリスト

咳の重症度を自己評価し、受診すべきかどうかを判断するための3段階チェックリストです。

🚨 緊急受診(A&E または NHS 111 に即時連絡)

以下のいずれかに該当する場合は、セルフケアを試みず直ちに専門家に相談してください。

  • 血痰(赤色・茶色・さびた色の痰)が出る
  • 安静時にも呼吸困難・息切れがある
  • 呼吸数が著しく増加し、会話が困難
  • 口唇・指先のチアノーゼ(青紫色変色)
  • 意識の混濁・高熱(39.5℃以上)が同時にある
  • 胸痛を伴う咳

NHS 111(無料電話)またはNHS 111オンライン(111.nhs.uk)で24時間対応。直接A&E(Accident and Emergency)に行くことも可能。

⚠️ 準緊急(数日以内にGPまたはWalk-in Clinicへ)

  • 咳が2週間以上続いている
  • 38℃以上の発熱が3日以上継続
  • 夜間に特に悪化し、睡眠が取れない
  • 喘鳴(ヒューヒューという呼吸音)を伴う
  • 黄緑色の膿性痰が増量している
  • 既往に喘息・COPD・免疫抑制状態がある

✅ 経過観察・OTC薬で対応可能

  • 咳の期間が1週間以内
  • 軽度の乾いた咳または透明・白色の痰
  • 発熱なし、または微熱(37.5℃未満)
  • 食欲・水分摂取が保たれている
  • 呼吸苦なし

3. 現地薬局で買えるOTC薬(一覧表)

イギリスでは薬局(Pharmacy)が充実しており、薬剤師に相談しながらOTC薬を購入できます。以下の製品は実在が確認されているものです。価格は概ね2024年時点の目安であり、店舗・時期により変動します。

ブランド名 主な有効成分(一般名) 規格・剤形 成人用法・用量(目安) 価格目安 主な取扱い薬局
Benylin Dry Coughs デキストロメトルファン臭化水素酸塩 シロップ 150mL 10mL、1日3〜4回(4時間以上空ける) £3〜5 Boots、Superdrug、Tesco
Benylin Chesty Coughs グアイフェネシン(去痰成分) シロップ 150mL 10mL、1日3〜4回 £3〜5 Boots、Superdrug、Tesco
Robitussinロビタシン Dry Cough Medicine デキストロメトルファン臭化水素酸塩 シロップ 100mL 10mL、1日3〜4回 £4〜6 Boots、Superdrug、Amazon UK(Boots公式ストア)
Lemsipレムシップ Max All in One パラセタモール + デキストロメトルファン + フェニレフリン 顆粒(サシェ)10包 1包を温水に溶かして服用、1日最大4回(4時間以上空ける) £4〜6 Boots、Superdrug、Tesco、コンビニ
Covonia Dry & Tickly Cough Linctus デキストロメトルファン臭化水素酸塩 シロップ 150mL 5〜10mL、1日3〜4回 £3〜5 Boots、Lloyds Pharmacy
Strepsilsストレプシルス Lozenges(各種フレーバー) アミルメタクレゾール + ジクロロベンジルアルコール(局所殺菌) ロゼンジ 16〜36個入 1個を2〜3時間ごとに舐める £2〜4 Boots、Superdrug、スーパーマーケット
Halls Soothers メントール成分(咳・喉の不快感を一時的に緩和) キャンディ型ロゼンジ 適宜 £1〜2 スーパーマーケット、コンビニ

成分別・症状別の選び方

**乾いた咳(乾性咳嗽)**には、鎮咳成分であるデキストロメトルファン(Dextromethorphan)を含む製品(Benylin Dry Coughs、Robitussinロビタシン Dry Cough Medicine、Covonia Dry & Tickly Cough Linctus など)が適しています。デキストロメトルファンは延髄の咳中枢に作用して咳反射を抑制する成分で、依存性が低く、OTCとして広く使用されています。

**痰を伴う咳(湿性咳嗽)**には、グアイフェネシン(Guaifenesin)を含む去痰成分配合の製品(Benylin Chesty Coughs など)が向いています。気道分泌物を薄めて排出しやすくする作用があります。

発熱を伴う咳には、パラセタモール(Paracetamolパラセタモール)を含む複合製剤(Lemsipレムシップ Max All in One など)が便利です。ただし、パラセタモールは他の鎮痛解熱薬(例:別のLemsipレムシップ製品や一般的な解熱鎮痛薬)と重複して服用しないよう注意が必要です。1日最大用量を超えると肝機能障害のリスクがあります。

喉のイガイガ・初期症状には、Strepsilsストレプシルス LozengesやHalls Soothersが携帯しやすく、外出中でも使用できます。


4. 現地語での症状表現・薬局での会話フレーズ

日本語 英語 カナ発音
乾いた咳が○日続いています I have had a dry cough for ○ days. アイ ハヴ ハド ア ドライ コフ フォー ○ デイズ
痰を伴う咳があります I have a chesty cough with phlegm. アイ ハヴ ア チェスティ コフ ウィズ フレム
喉がイガイガします I have a tickly / scratchy throat. アイ ハヴ ア ティックリー / スクラッチー スロート
夜間に悪化します It gets worse at night. イット ゲッツ ワース アット ナイト
発熱はありません I don't have a fever. アイ ドント ハヴ ア フィーバー
咳止めシロップを探しています I'm looking for a cough syrup. アイム ルッキング フォー ア コフ シロップ
子どもに使えますか? Is this suitable for children? イズ ディス スータブル フォー チルドレン?
他の薬との飲み合わせは大丈夫ですか? Is it safe to take with other medicines? イズ イット セーフ トゥ テイク ウィズ アザー メディシンズ?
処方箋なしで買えますか? Can I buy this without a prescription? キャン アイ バイ ディス ウィザウト ア プリスクリプション?
どのくらいの量を飲めばいいですか? What is the recommended dose? ワット イズ ザ レコメンデッド ドース?

薬局での実践的な声かけ例

薬局に入ったら、カウンターの薬剤師(Pharmacist)に話しかけます。

"Excuse me, I have a dry cough and I'm looking for something to help. Could you recommend an OTC remedy?"(エクスキューズ ミー、アイ ハヴ ア ドライ コフ アンド アイム ルッキング フォー サムシング トゥ ヘルプ。クッド ユー レコメンド アン オーティーシー レメディ?)

英語が母語でない旨を事前に伝えると、薬剤師がゆっくり丁寧に説明してくれることが多いです。

"I'm Japanese and English is not my first language. Could you speak slowly, please?"(アイム ジャパニーズ アンド イングリッシュ イズ ノット マイ ファースト ランゲージ。クッド ユー スピーク スロウリー プリーズ?)


5. 現地の医療事情

NHS(国民保健サービス)

イギリスの公的医療制度であるNHS(National Health Service)は、英国在住者を主な対象としています。短期渡航者(観光・留学・出張)がNHSを利用できる範囲は限られており、一般的にA&E(救急)はすべての人が無料で利用できますが、GP(一般開業医)への登録は通常3ヶ月以上の滞在者向けです。ただし、症状の重さによってはA&Eでの診察・治療が適用されます。

渡航者が利用しやすい医療機関

種別 特徴 費用 予約
A&E(救急科) 生命に関わる緊急症状に対応。待ち時間が長いことがある 原則無料(緊急性が低い場合は有料になることも) 不要
NHS 111 24時間対応の電話・オンライン相談窓口。症状に応じて受診先を案内 無料 不要(電話または111.nhs.uk)
Walk-in Centre / Urgent Treatment Centre 予約不要で軽〜中等症に対応するクリニック NHSの場合は無料〜低額 不要(一部予約推奨)
私立クリニック(Private Clinic) 待ち時間が短く、日本語対応スタッフがいる場合も 診察費£100〜300程度(概算) 要予約が多い
薬局(Community Pharmacy) 軽症の相談は薬剤師が無料対応。「Pharmacy First」制度で一部症状は薬剤師が治療薬を提供可能(2024年〜) 薬剤師相談は無料、薬剤費は実費 不要

緊急連絡先

  • 999:救急車・警察・消防(生命に関わる緊急事態)
  • NHS 111:緊急ではないが医療相談が必要なとき(24時間、無料)
  • 在英日本国大使館(ロンドン):+44-20-7465-6500(領事部)

日本語対応が期待できる施設(参考)

ロンドンには日系クリニックや日本語対応スタッフがいる私立クリニックが複数あります。在英日本商工会議所や在英日本大使館のウェブサイトに登録施設のリストが掲載されており、渡航前に確認しておくことを推奨します。施設名・連絡先は変更される場合があるため、最新情報は大使館公式サイトをご確認ください。

イギリスの「Pharmacy First」制度(2024年〜)

2024年1月よりNHSが導入した「Pharmacy First」制度では、副鼻腔炎・咽頭炎・中耳炎・尿路感染症などの7疾患について、GPを経由せずに薬剤師が処方薬を提供できるようになりました。咳の直接的な対象ではありませんが、咳の原因となる咽頭炎・副鼻腔炎の治療にアクセスしやすくなっており、渡航者にとっても有益な制度です。


6. 薬剤師の視点:渡航前準備・持参推奨OTC・現地入手のリスク

渡航前に準備しておくこと

1. 旅行傷害保険への加入 イギリスの私立クリニック受診は1回あたり概ね£100〜300、入院を要する場合はさらに高額になります。日本出発前にクレジットカード付帯保険の補償内容を確認し、不足なら別途海外旅行傷害保険に加入することを強く推奨します。

2. かかりつけ薬剤師への相談 服用中の薬がある場合は、出発前にかかりつけ薬剤師に「イギリスのOTC薬との飲み合わせ」を確認してください。特にMAO阻害薬・抗うつ薬・鎮静薬を服用中の方は、デキストロメトルファンとのセロトニン症候群リスクに注意が必要です。

3. お薬手帳の英文サマリーを用意する 服用中の薬の一般名(generic name)、用量、疾患名を英語で記載した簡単なメモを作成しておくと、現地の薬剤師・医師とのコミュニケーションが円滑になります。

日本から持参を検討できるOTC薬

以下の成分・剤形は、日本国内でも入手可能で、イギリスで同成分の薬を入手するのと同等の効果が期待できます。製品名は一例です。渡航前に薬局で現物を確認してください。

成分(一般名) 日本のOTC製品例 イギリスとの対応 航空持ち込み注意点
デキストロメトルファン臭化水素酸塩 アネトンせき止め顆粒(成分確認のこと) Benylin Dry Coughs 等と同成分 液体の場合は100mL以内のボトルに分けてジップロックに入れ機内持ち込み手荷物へ
グアイフェネシン 去痰成分配合のOTC咳止め(薬局で成分を確認) Benylin Chesty Coughs と同成分 同上
トラネキサム酸 + カルボシステイン ストナ去痰カプセル等(成分確認のこと) イギリスにはない成分組み合わせ。日本からの持参が合理的 カプセル・錠剤は通常の手荷物可
トラネキサム酸・抗炎症成分配合 のどの炎症を抑えるOTC(薬局で確認) 一部成分はイギリスにない 錠剤は手荷物可

持参時のポイント

  • 液体製剤は国際線機内持ち込み規制(容量100mL以下・1リットル以下の透明ジップロック)を遵守してください。
  • 「処方箋医薬品ではない(OTC薬である)」ことを確認してから持参します。
  • パッケージの成分表示(日本語)がそのまま読めれば税関でのトラブルは通常ありません。不安な場合は英文の成分リストを用意してください。
  • コデインリン酸塩を含む製品はイギリスへの持ち込みに際して一部規制がある場合があります。持参前に在英日本国大使館または英国当局(MHRA/Home Office)のガイダンスを確認してください。

現地入手のリスクと信頼できる薬局

イギリスの薬局チェーンは品質管理が厳格で、MHRA(医薬品・医療機器規制庁)の監督下にあります。以下のチェーンでの購入は安全です。

  • Boots(全国に約2,300店舗):最大手。薬剤師常駐。
  • Superdrug Pharmacy(全国に約800店舗):価格競争力あり。
  • Lloyds Pharmacy(店舗数は縮小傾向だが主要都市に存在)
  • Well Pharmacy(主に地方都市・GP隣接)

注意: Amazon UKやeBayの個人出品者から医薬品を購入することは偽造品・劣化品のリスクがあるため推奨しません。公式薬局チェーンのオンラインストアは安全です。


7. 帰国後の観察ポイント

帰国後も注意が必要な理由

イギリスで感染した病原体の一部は、帰国後に症状が顕在化することがあります。渡航先で市販薬を使用して症状が一時的に軽減しても、根本的な治療が完了していない場合、帰国後に再燃・悪化することがあります。

帰国後に受診を検討すべき症状

症状 疑われる病態 受診科の目安
2週間以上続く咳(帰国後も継続) 百日咳、非定型肺炎(マイコプラズマ等)、結核 呼吸器内科・感染症内科
血痰 肺結核、肺塞栓症など 呼吸器内科(緊急)
発熱 + 咳 + 呼吸困難 肺炎、COVID-19、インフルエンザ 内科・救急
咳 + 全身倦怠感 + 体重減少 結核の可能性 呼吸器内科・感染症内科
季節性の咳・くしゃみ・鼻水(帰国後に新たに出現) 花粉症の新規感作(イギリス特有の花粉) アレルギー科・耳鼻咽喉科

輸入感染症の見分け方

一般的な上気道感染症(風邪)は帰国後7〜10日で自然軽快することがほとんどです。それ以上続く場合、または高熱・血痰・呼吸困難を伴う場合は、医療機関を受診し「イギリス滞在歴がある」旨を必ず伝えてください。特に以下の感染症は渡航歴情報が診断の手がかりになります。

  • 百日咳(Pertussis):渡航者の間でも報告があります。発作性の咳が特徴で、咳き込んだあとに「ヒュー」という笛声が聞こえることがあります。
  • 非定型肺炎(マイコプラズマ肺炎など):乾いた咳が3〜4週間続くことがあります。
  • 肺結核(Tuberculosis):イギリスでは日本より結核罹患率が高い地域もあります(特に大都市の一部)。2週間以上続く咳・血痰・体重減少・夜間発汗がある場合は速やかに受診してください。

帰国後の自己チェックポイント(1〜2週間観察)

  • 咳が帰国後7〜10日で改善傾向にあるか
  • 発熱が続いていないか
  • 痰の色・量の変化(黄緑色・血が混じる場合は要受診)
  • 体重の変化・著しい倦怠感の有無
  • 呼吸の苦しさの増悪がないか

8. 避けるべき成分・注意が必要な薬

コデイン含有製品

イギリスでは一部のコデイン(Codeineコデイン)含有製品がOTCとして販売されてきましたが、近年は薬局販売(P医薬品)から処方箋が必要な扱いへの移行が進んでいます。コデインはCYP2D6という酵素で代謝されますが、遺伝的に超速代謝型(Ultra-rapid metabolizer)の方では過剰なモルヒネ産生が起こり、呼吸抑制などの重篤な副作用リスクがあります。アジア人ではこの遺伝子型の頻度が他集団と異なる可能性があり、成分表示に「Codeineコデイン」の記載があればOTC購入は避け、薬剤師または医師に相談することを推奨します。

パラセタモールの重複摂取

Lemsipレムシップ・Beechams・Nycolなど、複合感冒薬の多くにパラセタモール(Paracetamolパラセタモール)が含まれています。同じ時間帯に複数の複合感冒薬を使用するとパラセタモールの過剰摂取(肝障害リスク)につながります。成人における1日最大量は概ね4g(4,000mg)です。複数製品を使用する前に成分表示を確認する習慣をつけてください。

アルコールとの相互作用

デキストロメトルファンを含む咳止め薬とアルコールを同時に摂取すると、中枢神経抑制作用が増強され、眠気・判断力低下が起きやすくなります。服用中は飲酒を避けてください。


参考文献

  1. NHS. "Coughing." NHS.uk. https://www.nhs.uk/conditions/cough/ (最終確認:2024年)

  2. MHRA(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency). "Buying medicines over the internet." https://www.gov.uk/guidance/buying-medicines-over-the-internet (最終確認:2024年)

  3. NHS England. "Pharmacy First." https://www.england.nhs.uk/primary-care/pharmacy/pharmacy-first/ (最終確認:2024年)

  4. WHO. "Cough and Cold Remedies for the Treatment of Acute Respiratory Infections in Young Children." WHO/FCH/CAH/01.02. https://www.who.int/ (参考)

  5. 外務省海外安全情報. 「イギリス(英国)感染症・衛生情報」. https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_009.html (最終確認:2024年)

  6. 在英国日本国大使館. 「医療機関情報」. https://www.uk.emb-japan.go.jp/itpr_ja/lives_medical.html (最終確認:2024年)

  7. UKHSA(UK Health Security Agency). "Respiratory virus surveillance reports." https://www.gov.uk/government/collections/respiratory-virus-surveillance-reports (最終確認:2024年)

  8. 厚生労働省検疫所(FORTH). 「英国の感染症情報」. https://www.forth.go.jp/destination/country/uk.html (最終確認:2024年)


まとめ:イギリスで咳になったときのアクション

  1. 軽症(1週間以内、発熱なし)→ 現地の大手薬局チェーン(Boots等)でデキストロメトルファン配合シロップなどを購入。薬剤師に相談。
  2. 中等症(1〜2週間、発熱・膿性痰あり)→ Walk-in Centre または NHS 111(111.nhs.uk)に相談。
  3. 重症(血痰・呼吸困難・2週間超の咳)→ 即座にNHS 111または最寄りのA&Eへ。
  4. 帰国後も咳が続く場合→ 渡航歴を伝えた上で呼吸器内科・感染症内科を受診。

免責事項

本記事は、薬学的な一般情報の提供を目的としており、個々の症状に対する診断・治療行為を行うものではありません。記載の情報は執筆時点での内容であり、現地の法規制・薬局在庫・価格は変動することがあります。症状が重篤な場合、または判断に迷う場合は、必ず現地の医療専門家(薬剤師・医師)にご相談ください。薬の使用にあたっては、各製品の添付文書および薬剤師の指示に従ってください。

監修:薬剤師(博士(薬学))

日本から持参するなら(薬剤師の推奨OTC)

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