ブラジルで喉の痛みになったら|現地で買える薬と薬局での買い方を薬剤師が解説

この症状でブラジル渡航中によくある原因

ブラジル滞在中に喉の痛みが発症する場合、以下のような原因が考えられます。

乾燥と気温変化

  • 長時間の飛行機乗車:機内の湿度は20~30%と非常に低く、喉の粘膜が乾燥しやすい
  • 気候の急激な変化:特に南部(サンパウロ、リオデジャネイロ)の冬季(6~8月)は朝晩の気温差が大きく、喉への負担が増加
  • エアコンの過度な使用:屋内施設と屋外の温度差が大きいため、自律神経が乱れやすい

感染症初期

  • 細菌性咽頭炎:ブラジルは温暖気候のため通年、細菌感染のリスクがある
  • ウイルス性咽頭炎:RSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザなど
  • カビ由来の咽頭炎:高温多湿な環境でカビ胞子が増殖しやすい

その他の原因

  • 過度な声の使用(ポルトガル語での会話、カラオケなど)
  • 水質の変化による胃腸への負担

現地薬局で買える薬(ブランド名・成分・用量)

ブラジルの薬局(Farmácia)では、医学的な専門知識を持つ薬剤師(Farmacêutico)が配置され、処方箋なしでOTC医薬品を購入できます。

アセトアミノフェン系(痛み・熱に対応)

ブランド名 有効成分 規格 用途 現地価格目安
Tylenol アセトアミノフェン 500mg/錠 喉の痛み・頭痛・発熱 15~25レアル
Dor Nas Costas アセトアミノフェン 500mg/錠 痛み全般 12~18レアル
AAS Infantil アセトアミノフェン 200mg/錠 軽度の痛み(成人は2~3錠) 8~12レアル

推奨用量:500mg錠を8時間ごと、1日3回まで。1回1~2錠。

NSAIDs系(より強い抗炎症作用)

ブランド名 有効成分 規格 用途 現地価格目安
Ibuprofeno Infantil イブプロフェン 200mg/5mL液 喉の腫れ・痛み・熱 18~28レアル
Ibupirac イブプロフェン 600mg/錠 中等度の喉の痛み 15~25レアル
Dorflex イブプロフェン+ジフェニドール 200mg+25mg/錠 痛みと吐き気併用時 12~20レアル

推奨用量:200~600mgを6~8時間ごと、1日3回まで。食後の服用が望ましい。

トローチ・うがい薬

ブランド名 有効成分 規格 用途 現地価格目安
Strepsils アセチルサリチル酸+リゾチーム 1錠/包 喉の痛み局所治療 20~30レアル(10~16錠)
Hexorex ヘキセチジン うがい液 喉の殺菌・消炎 25~35レアル
Benzocaína Spray ベンゾカイン スプレー 喉の局所麻酔 30~40レアル

使用方法:Strepsilsは1回1錠、3~4時間ごと。Hexorexは朝晩のうがい。


現地語での症状の伝え方

ポルトガル語(ブラジル)での表現

英語での伝え方(薬剤師が英語を話す場合)

"I have a sore throat and difficulty swallowing. 
No fever, just dryness from the flight."
→「喉が痛く、飲み込みが辛いです。発熱はなく、飛行機の乾燥が原因のようです」

"Do you recommend a throat lozenge or painkiller?"
→「トローチか痛み止めをお勧めいただけますか?」

ポルトガル語での表現(必須フレーズ)

"Tenho dor de garganta." 
(テーニョ・ドール・デ・ガルガンタ)→「喉が痛いです」

"Estou resfriado/a?" 
(エスタウ・ヘスフリアード/ダ)→「風邪ですか?」

"Qual é o remédio melhor para dor de garganta?"
(クアウ・エ・オ・ヘメディオ・メリョール・パラ・ドール・デ・ガルガンタ)
→「喉の痛みに最適な薬は何ですか?」

"Tem febre?" (薬剤師から)→「発熱していますか?"

薬局でのやり取り例

シナリオ:軽い喉の痛み、発熱なし

  1. 薬剤師に症状を伝える:「Tenho dor de garganta desde ontem」(昨日から喉が痛い)
  2. 温度を聞かれる可能性:「Você tem febre?」→「Não, sem febre」(いいえ、熱はありません)
  3. 薬剤師の提案例:「Recomendo Strepsils para alívio local」(局所緩和にStrepsilsをお勧めします)or「Tylenol 500mg é bom」(Tylenol 500mgが良いです)

日本の同成分OTC(持参する場合)

ブラジルで不安な場合、日本から持参すべき薬

日本OTC名 有効成分 規格 利点 持参推奨度
ロキソニンS ロキソプロフェン 60mg/錠 NSAIDs、即効性が高い ★★★★★
イブA錠EX イブプロフェン 200mg/錠 NSAID、効果が確実 ★★★★★
カロナール アセトアミノフェン 500mg/錠 副作用少ない、安全性高い ★★★★
龍角散ダイレクト 龍角散 トローチ 喉特化、自然派成分 ★★★★
ペラックT ペンタゾシン+アセトアミノフェン トローチ 局所+ 全身治療、即効 ★★★★★

持参時の注意

  • 医療用医薬品は持ち込み禁止。OTC医薬品のみ
  • 1用量分(数日分)程度に留める
  • 英文の薬剤情報シートを付けると、トラブル時に便利
  • 空港通過時に医薬品の質問を受ける可能性に備える

避けるべき成分・買ってはいけない薬

ブラジルで注意すべき成分

1. アスピリン大量含有製品

  • ブラジルではアスピリン(AAS)単体の500mg錠が多く流通
  • 胃潰瘍リスク、出血傾向増加のため、空腹時の服用は避ける
  • 喉の痛み程度ではアセトアミノフェン・イブプロフェンの方が適切

2. 抗生物質を含むOTC医薬品

  • ブラジルでは処方箋なしで抗生物質トローチ(例:Strepsils with Antibiotic)が販売されている場合がある
  • 自己判断での使用は薬剤耐性菌増加の原因となるため購入禁止
  • 細菌感染が確定した場合のみ医師の指示で使用

3. 偽造品・不明な製品

  • ブラジルの一部地域では偽造医薬品が存在
  • 大手薬局チェーン(Drogasil, Farmácia do Dr. Ahorro, Ultra Farma)のみで購入
  • 個人商店や露店での購入は避ける
  • パッケージが破損・変色している製品は購入禁止

4. コデイン含有製品

  • ブラジルではコデイン配合の咳止め・痛み止めが流通
  • 喉の痛みのみでコデイン製品の購入は不要(過度な鎮静作用)
  • 処方箋医薬品のため、自由購入は困難だが、違法な薬局での入手は避ける

即座に受診すべき危険サイン

以下の症状が出現した場合は、直ちに医療機関(Hospital)を受診してください

緊急性が高い症状(24時間以内に受診)

  • 呼吸困難:喉が腫れて気道が狭くなっている可能性

    • 喘ぎ息、ゼーゼーした呼吸音
    • 横になるとさらに悪化する場合は特に危険
  • 開口困難(口が開かない):扁桃炎の重症化、または膿瘍形成の兆候

    • 食事・水分摂取が極度に困難
    • 口が2cm以上開かない状態が続く
  • 高熱を伴う喉の痛み

    • 39℃以上の発熱が2日以上継続
    • 全身倦怠感、関節痛を伴う
    • 細菌感染の可能性が高い

その他の危険サイン

  • 嚥下時の激痛:水を飲むこともできないレベル
  • 喉の腫れが明らかに一側性:膿瘍や異物の可能性
  • 声が出ない、またはかすれ声が続く:3日以上の場合は喉頭炎の可能性
  • 喀痰に血液が混じる:肺炎など下気道感染の兆候
  • 皮疹を伴う:猩紅熱やはしかなど、全身感染症の可能性
  • 頸部リンパ節の著明な腫大:医師による診断が必須
  • 嘔吐を伴う:脱水症状のリスク

ブラジルでの医療機関への連絡

状況 連絡先 対応
軽度~中等度(すぐに受診可能) 私立クリニック / 薬局の薬剤師相談 予約後の訪問
中等度~重度(数時間以内に受診希望) 私立病院ER(緊急外来) 直接来院、待機
緊急(呼吸困難など) 192(ブラジルの救急車) 救急車の手配・搬送
観光客向け英語対応 大規模私立病院(Einstein等) 英語対応スタッフ配置

まとめ

ブラジル滞在中に喉の痛みが発症した場合の対処法は、症状の軽重により異なります。

対処フロー

軽度(発熱なし、飲み込み可能) → 現地薬局でTylenol 500mg または Strepsils トローチを購入・使用 → こまめな水分補給、休息

中等度(軽い発熱、やや飲み込み困難) → イブプロフェン系(Ibupirac 600mg)またはロキソニン持参品を使用 → 2~3日様子を見る → 改善がなければ医院受診

重度(高熱、開口困難、呼吸困難) → 直ちに病院のER(緊急外来)へ → 医師の診察・抗生物質処方を受ける

現地での薬購入のコツ

  1. 必ず薬局チェーン店で購入:Drogasil、Farmácia do Dr. Ahorro、Ultra Farmaなど大手の信頼性が高い
  2. 薬剤師に相談する:症状・発熱の有無を伝え、最適な薬を提案してもらう
  3. 成分・用量を確認:購入前に有効成分(アセトアミノフェンまたはイブプロフェン)と規格を確認
  4. 領収書・パッケージ保管:後で副作用が起きた場合の証拠となる

日本からの持参推奨品

以下の3点を日本から持参すれば、ブラジルでの薬選びの手間と不安を大幅に軽減できます:

  • ロキソニンS(60mg錠、5~10錠):NSAID中で最も効果が確実
  • 龍角散ダイレクト(10~15個):喉特化、自然派成分で安心
  • アセトアミノフェン錠(日本のカロナール相当、5~10錠):副作用が少なく、抵抗力低下時に安全

ブラジルは医療インフラが整備されている都市部が多く、薬局での購入も容易です。ただし、言語の壁や成分の違いによる不安が生じやすいため、事前に日本から持参する医薬品を確保しておくと、現地での精神的ストレスが大幅に軽減されます。

軽度の喉の痛みであれば、ほとんどの場合が自然治癒します。十分な水分補給、栄養摂取、睡眠を心がけ、OTC医薬品で症状を和らげながら経過観察することが基本です。危険サインが出現した場合のみ、躊躇なく医療機関を受診してください。

その他の症状も確認

→ すべての症状一覧 / ブラジルの渡航医薬品情報

免責事項: 本ガイドは一般的な軽症対応の参考情報であり、 医学的診断の代替ではありません。 妊婦・小児・慢性疾患の方、および上記の危険サインが見られる場合は 必ず医師・薬剤師に直接ご相談ください。

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