オーストリアで吐き気・嘔吐になったら|現地薬局での買い方と薬剤師の注意点

この症状でオーストリア渡航中によくある原因

オーストリアでの吐き気・嘔吐は、以下のいずれかが考えられます。

  • 食中毒:ウィーンやザルツブルクの屋外市場での食事、カフェの生サラダ、乳製品など
  • 乗り物酔い:山岳地帯の曲がった道路(チロル地方)、バス・列車での長時間移動
  • 時差ぼけ・過労:長時間フライト後の胃腸不調、睡眠不足による自律神経失調
  • 水質の違い:ミネラル水が一般的だが、水道水の硬度が日本と異なる場合がある
  • アルコール過剰摂取:ウィーンワインやビールの飲み過ぎ

軽症(1~2時間の嘔吐、腹痛がない)であれば、自力で薬局対応が可能です。


現地薬局で買える薬(ブランド名・成分・用量)

1. Vomex A(最も一般的)

項目 詳細
有効成分 ジメンヒドリナート(Dimenhydrinat)
規格 50mg/錠
用量 1回1~2錠、6時間ごと(1日最大6錠)
剤型 錠剤・ドラジェ(舐める菓子型)
価格 約€4~6
特徴 オーストリア・ドイツで最も売上の多い制吐薬。薬局で指名買いが可能。ドラジェタイプは嘔吐中でも服用しやすい

2. Motilium(Domperidone)

項目 詳細
有効成分 ドンペリドン(Domperidon)
規格 10mg/錠
用量 1回1錠、6時間ごと(1日最大4錠)
剤型 錠剤
価格 約€5~7
特徴 胃運動を改善。制吐作用は弱めだが、胃の停滞感がある場合に有効。中枢神経への影響が少ない

3. Zofran(Ondansetron)

項目 詳細
有効成分 オンダンセトロン(Ondansetron)
規格 4mg/8mg/錠
用量 1回4~8mg、8時間ごと
剤型 錠剤・舌下速溶錠
価格 約€8~12(処方薬の場合が多い)
特徴 医師の処方が必要な場合が多いが、速溶錠はOTCで購入可能な薬局もある。強力な制吐作用

4. Aludox(制酸・消化補助)

項目 詳細
有効成分 水酸化マグネシウム+酸化アルミニウム
用量 1回10~20ml、食後30分後
剤型 懸濁液(ボトル)
価格 約€3~4
特徴 吐き気よりも「胸やけ・消化不良」に適している。嘔吐中の単独使用は非推奨

現地語での症状の伝え方

ドイツ語(オーストリア公用語)

基本表現:

Ich habe Übelkeit und Erbrechen.
(アイク ハーベ ユーベルカイト ウント エルブレッヒェン)
= 吐き気と嘔吐があります

Mir ist übel. Ich muss mich übergeben.
(ミア イスト ユーベル。アイク ムス ミッヒ ユーベルゲーベン)
= 吐き気があります。嘔吐しそうです

症状の詳細説明:

  • 食中毒かもしれない: "Ich habe vielleicht Lebensmittelvergiftung."(食中毒かもしれません)
  • 乗り物酔い: "Mir ist schlecht von der Autofahrt / Zugfahrt."(車/電車で気分が悪い)
  • 24時間以上続いている: "Das dauert schon über 24 Stunden."(24時間以上続いています)

英語(ウィーンの薬局では通じる)

I have nausea and vomiting.
= 吐き気と嘔吐があります

I feel sick. What do you recommend?
= 気分が悪いです。何をお勧めしますか?

薬局での購入方法:

  1. 薬局に入店: "Apotheke"(アポテーケ)と書かれた店を探す
  2. 症状を伝える: 上記表現を伝えるか、スマートフォンの翻訳アプリを使用
  3. 推奨薬を確認: 店員が「Vomex A」など複数を勧めることがある
  4. 成分確認: 有効成分がジメンヒドリナートであることを確認
  5. 会計: クレジットカード・現金対応。€5~8程度

日本の同成分OTC(持参する場合)

ジメンヒドリナート含有

日本OTC 有効成分 規格 特徴
トラベルミン ジメンヒドリナート 50mg/錠 乗り物酔い専用。オーストリアのVomex Aと同等
アネロン" ニスキャップ ジメンヒドリナート 50mg/カプセル 速放性。嘔吐中の使用に適している

ドンペリドン含有

日本OTC 有効成分 規格 特徴
ナウゼリン ドンペリドン 10mg/錠 医師処方が基本だが、OTC版もあり。胃の不快感に有効

その他の胃腸薬

日本OTC 有効成分 規格 特徴
新ウーノA ロートエキス+スコポラミン - 制吐効果は弱いが、軽い吐き気に
スッキリ 生姜エキス+酵素 - 天然由来。食中毒による吐き気に補助的に使用

日本で事前購入のコツ:

  • 国際線フライトの12時間前に服用する場合は、トラベルミンを推奨
  • オーストリア到着後の吐き気には、錠剤よりカプセルが使用しやすい
  • 医師の処方箋が不要な商品を選ぶ
  • 英文の薬剤師による薬歴記録を持参(万が一の医療相談時に有用)

避けるべき成分・買ってはいけない薬

❌ 避けるべき成分

1. スコポラミン(Scopolamine)

  • 副作用:散瞳、口渇、認知機能低下
  • オーストリアの一部OTCに含まれているが、高齢者や心疾患患者は避けるべき

2. フェノチアジン系(Promethazine など)

  • 鎮静作用が強く、渡航中の活動に支障
  • 喘息患者は禁忌

**3. メトクロプラミド(Metoclopramide)高用量

  • 処方薬であり、OTCでは入手不可
  • 長期使用で遅発性ジスキネジアのリスク

⚠️ 偽造品・低品質製品への注意

  • オンライン薬局での購入は避ける: EU内の正規薬局か、駅前・繁華街の大型薬局のみで購入
  • 価格が不自然に安い場合は疑う: 本物のVomex Aは€4以上
  • パッケージの文字が不鮮明: ドイツ語のスペルが間違っている場合は購入を中止
  • "Apotheke ohne Rezept"(処方箋不要薬局)の看板がない店: 医療用医薬品のみを扱う店の可能性

即座に受診すべき危険サイン

以下のいずれかに該当する場合は、ウィーン中央駅のAMZ(診療所)や大学病院の救急外来に直行してください。

🚨 直ちに受診が必要

危険サイン 考えられる疾患 対応
血を伴う嘔吐(コーヒーかす色含む) 上部消化管出血 直ちに救急車(144番)またはTaxi Plusで大学病院へ
24時間以上止まらない嘔吐 腸閉塞・盲腸・膵炎 脱水症状の進行。医師診察必須
強い腹痛(特に右下腹部)を伴う嘔吐 急性虫垂炎・腸炎 即受診。CT検査が必要な可能性
高熱(39℃以上)+嘔吐 感染症(ノロウイルス・ロタウイルス) 隔離病棟受診が必要。他者への感染防止
頭痛・頸部硬直+嘔吐 髄膜炎 直ちに救急搬送。致命的になる可能性
嘔吐後の意識低下・めまい 脱水症状・低血糖 水分補給ができない場合は点滴必要
嘔吐中に息ができない・呼吸が浅い 誤嚥 救急車を呼ぶ("Notarzt"と言う)

オーストリアの医療機関連絡先

緊急車両: 144(救急車)/ 112(警察経由)

ウィーン中央駅診療所(AMZ):
住所: Landstraßer Hauptstraße 139, 1030 Wien
営業: 24時間対応

ウィーン大学病院(AKH Wien):
住所: Währinger Gürtel 18-20, 1090 Wien
電話: +43-1-40400(代表)
ER: +43-1-40400-4600

まとめ

オーストリアで吐き気・嘔吐が発生した際の対処法:

  1. 軽症(1~2時間)なら自力対応可能: 薬局でVomex A(ジメンヒドリナート50mg)を購入。ドイツ語で"Ich habe Übelkeit"と伝えれば確実

  2. 第一選択薬はVomex A: オーストリア・ドイツ圏で最も実績のある制吐薬。€4~6で入手可能

  3. 日本との薬の比較: トラベルミン(50mg)と同等。事前持参も有効だが、処方箋不要のOTC版を選ぶこと

  4. 避けるべき成分: スコポラミン・フェノチアジン系。オンライン薬局での購入は避け、街中の正規薬局のみで購入

  5. 24時間以上の嘔吐・血混じり・強い腹痛は直ちに受診: 脱水症状や重篤な疾患の可能性あり。躊躇なく大学病院へ

  6. 予防策: 市場での生ものを避ける、充分な睡眠、乗り物酔いしやすい人は事前にトラベルミンを日本で購入していく

オーストリアの薬局は英語対応が充実しており、薬剤師の助言は信頼できます。症状が軽微であれば、焦らず現地OTCで対応し、危険サインがなければ自然経過を待つことが重要です。

その他の症状も確認

→ すべての症状一覧 / オーストリアの渡航医薬品情報

免責事項: 本ガイドは一般的な軽症対応の参考情報であり、 医学的診断の代替ではありません。 妊婦・小児・慢性疾患の方、および上記の危険サインが見られる場合は 必ず医師・薬剤師に直接ご相談ください。

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