ドイツで吐き気・嘔吐になったら|現地薬局で買える薬と薬剤師による完全ガイド
ドイツ旅行中や出張中に吐き気・嘔吐に悩まされる日本人旅行者は少なくありません。異なる食文化・気候・生活リズムは、消化器系に予想外の負荷をかけます。本記事では薬剤師(博士(薬学))の観点から、原因の解説、重症度の見極め方、現地薬局(Apotheke)で入手できるOTC医薬品の詳細、ドイツ語・英語での伝え方、医療機関情報、そして帰国後の注意点まで体系的に解説します。
ドイツで吐き気・嘔吐が起こりやすい原因
食文化・食習慣の違い
ドイツ料理は豚肉・牛肉を使った肉加工品(ソーセージ類:Wurst、ハム:Schinkenなど)が食卓の中心を占め、脂質含量が日本食と比べて顕著に高い食事構成です。胃腸が日本食に慣れた日本人が急に高脂肪・高タンパク食を連日摂取すると、消化酵素の産生が追いつかず、胃もたれ・吐き気が生じやすくなります。また、ドイツのパンは全粒粉や酸味の強いサワードウ(Sauerteig)が多く、食物繊維・有機酸が豊富なため、胃酸過多傾向の人には刺激となることがあります。
ビール文化とアルコール摂取
ドイツはビール大国であり、1リットルジョッキ(Maßkrug)での提供が当たり前のビアホール文化があります。旅行の解放感も相まって過剰摂取になりがちで、アルコール性の嘔気・嘔吐は旅行者に多い訴えの一つです。
水質の違い
ドイツの水道水は硬水(硬度200~400 mg/L程度が目安の地域もある)であり、軟水に慣れた日本人には腸管への刺激となり、下痢や吐き気を誘発することがあります。ミネラルウォーターも炭酸入り(Mineralwasser mit Kohlensäure)が主流のため、胃に負担がかかる場合があります。飲み物を選ぶ際は「ohne Kohlensäure(オーネ コーレンゾイレ)」(炭酸なし)を選択することが推奨されます。
乗り物酔い
ドイツは鉄道(Deutsche Bahn)・長距離バス(FlixBus等)・レンタカーでの移動が多く、アウトバーンでの高速走行やカーブの多い南ドイツの山岳地帯の道路では乗り物酔いが起きやすい環境です。特にバイエルン地方やライン川沿いの観光ルートは蛇行が多く、感受性の高い方は事前の予防薬が有効です。
時差と自律神経の乱れ
日本とドイツの時差は夏時間(3月末~10月末)で7時間、冬時間で8時間あります。到着後数日は概日リズムの乱れにより、自律神経が不安定になりやすく、これが吐き気の一因となります。時差ボケ関連の消化器症状は通常72時間以内に改善されますが、それ以上続く場合は他の原因を考慮する必要があります。
ウイルス性・細菌性胃腸炎
ノロウイルス・ロタウイルスによる急性胃腸炎はドイツでも秋冬を中心に流行します。また、キャンプ場や公共の水飲み場でのジアルジア感染、屋外フェスティバル(オクトーバーフェスト等)での集団感染事例も報告されており、旅行者は特に衛生管理に注意が必要です。
高度変化・気温差
ミュンヘン(標高約520 m)、ガルミッシュ・パルテンキルヒェン(約700 m以上)、ツークシュピッツェ(約2,960 m)へのケーブルカー観光では、急激な高度変化により軽度の高山病様症状(吐き気、頭痛)が現れることがあります。
重症度判定チェックリスト
吐き気・嘔吐の対応を誤ると重篤化するリスクがあります。以下のチェックリストで対応を判断してください。
🔴 緊急受診(今すぐ救急へ)
- 嘔吐物に血液が混じる(鮮血または「コーヒー残渣様」の黒い嘔吐物)
- 激しい腹痛(特に右下腹部や全体に広がる痛み)を伴う嘔吐
- 頭部外傷後に始まった嘔吐
- 意識がぼんやりする・呼びかけへの反応が鈍い
- けいれん発作を伴う
- 口唇・指先が青紫色になっている
- 嘔吐が止まらず水分が全く摂れない状態が6時間以上続く
→ 救急車(Rettungswagen)は Tel: 112。ドイツ全土で24時間対応。
🟡 準緊急(当日中に医師または薬剤師へ相談)
- 38.5℃以上の発熱を伴う嘔吐
- 24時間以上嘔吐が続いている
- 水分補給が困難で、口が著しく乾燥している
- 黄疸(皮膚・眼が黄色くなる)が見られる
- 数日前に生肉・生魚・加熱不十分な食品を食べた
- 同行者にも同様の症状が出ている(集団食中毒の疑い)
- 12歳未満の小児または70歳以上の高齢者
→ Notaufnahme(救急外来)またはApothekeへ当日中に相談。
🟢 経過観察(OTC薬で自己対処可能)
- 乗り物酔いによる一時的な吐き気
- アルコール過剰摂取後の翌日の吐き気
- 高脂肪食後の胃もたれ・吐き気
- 時差ボケ直後の軽い嘔気で、水分補給できている
- 嘔吐が1~2回で止まり、その後は吐き気のみ
- 体温が37.5℃未満で、腹痛が軽度
→ Apothekeでのセルフケアを検討。24時間改善がなければ医師へ相談。
現地薬局(Apotheke)で買えるOTC薬
ドイツの薬局(Apotheke)は国家資格を持つ薬剤師が常駐する専門施設であり、品質管理が厳格に行われています。以下に主要な制吐薬を示します。
OTC制吐薬一覧
| ブランド名 | 有効成分(一般名) | 主な用量 | 価格目安 | 主な適応 |
|---|---|---|---|---|
| Vomex A | Dimenhydrinat(ジメンヒドリナート) | 50mg/錠 | €4~7 | 乗り物酔い・嘔気全般 |
| Vomex A 座薬 | Dimenhydrinat | 70mg/座薬 | €5~8 | 嘔吐中で経口困難な場合 |
| Vertirosan | Dimenhydrinat | 規格は製品により異なる | €4~8 | 乗り物酔い・めまい |
| Metoclopramid(各社ジェネリック) | Metoclopramid(メトクロプラミド) | 10mg/錠 | €3~6 | 嘔気・逆流症状 |
| Pascoventral | 植物由来複合成分(カミツレ・ペパーミント等) | 製品による | €6~10 | 胃腸不調に伴う嘔気 |
| ショウガ製品(Ingwer Kapseln等) | Gingerol(ショウガオール) | 製品により異なる | €3~6 | 軽度の吐き気・乗り物酔い予防 |
※価格はすべて目安であり、店舗・時期により変動します。
各製品の薬剤師解説
1. Vomex A(フォメックス A)
ドイツで最も広く知られる制吐薬で、薬局員が乗り物酔いや吐き気全般に対して最初に勧めることが多い製品です。有効成分のジメンヒドリナートは、ヒスタミンH1受容体拮抗薬であり、前庭神経系への作用で乗り物酔いや嘔気・嘔吐を抑制します。
使用方法(成人): 1回50~100mg(1~2錠)を必要に応じて服用、間隔は3~4時間以上空ける。乗り物酔い予防には乗車30分前の服用が効果的です。
注意点: 眠気が最大の副作用であり、自動車運転・重機操作は避けること。アルコールとの併用で眠気が増強するため禁忌に準じます。前立腺肥大・緑内障・てんかんのある方は服用前に薬剤師への相談が必要です。
2. Vomex A 座薬(座薬形態)
すでに嘔吐が始まり経口服用が困難な状況で有用です。直腸粘膜から吸収されるため、消化管を通らずに有効成分が作用します。旅行者が「薬を飲もうとするとまた吐いてしまう」という状況で、薬剤師が推奨する場合があります。
3. Metoclopramid(メトクロプラミド)ジェネリック製品
ドパミンD2受容体拮抗薬として胃腸運動を促進し、悪心・嘔吐を抑制します。日本でもプリンペランという製品名で知られる成分です。
使用方法: 通常10mg/回を1日3回まで、食事30分前に服用。
重要な注意事項: 欧州医薬品庁(EMA)の2014年の評価以降、ジスキネジア(不随意運動)などの神経系副作用リスクに関する注意喚起が強化されています。5日間を超える連続使用は避けること、18歳未満への使用は禁忌または要相談とされています。旅行中の短期使用は一般的に許容範囲内ですが、用量遵守が最重要です。
4. 植物由来製品(Ingwer製品等)
ショウガ(Zingiber officinale)のエキスを配合したカプセル・キャンディ・ティーバッグ形態の製品は、軽度の吐き気や乗り物酔い予防に補助的に使用されます。薬理作用は弱いですが、副作用がほぼなく、他の薬との相互作用も少ないため、妊娠中や小児への選択肢として検討されることがあります。ただし制吐効果は強くないため、重度の嘔吐には不向きです。
5. OTC薬の購入場所について
ドイツのApothekeは緑十字のマーク(白地に緑のA)が目印で、街中に多数あります。大都市には24時間営業の薬局(Notapotheke:夜間・休日当番薬局)があり、扉に近隣の当番薬局情報が掲示されています。ドラッグストア(dm、Rossmannなど)では一部のサプリメントや民間療法製品は購入できますが、医薬品の販売はApotheke専売です。
現地語での症状表現・薬局での会話フレーズ
ドイツの薬局員は多くが英語を理解しますが、ドイツ語での表現も準備しておくと安心です。
症状を伝えるフレーズ
| 日本語 | ドイツ語 | 読み方の目安 |
|---|---|---|
| 吐き気があります | Mir ist übel. | ミア イスト ユーベル |
| 嘔吐しています | Ich muss erbrechen. | イッヒ ムス エアブレッヒェン |
| 乗り物酔いです | Ich bin reisekrank. | イッヒ ビン ライゼクランク |
| 胃が痛いです | Ich habe Magenschmerzen. | イッヒ ハーベ マーゲンシュメルツェン |
| めまいがします | Ich habe Schwindel. | イッヒ ハーベ シュヴィンデル |
| 下痢もあります | Ich habe auch Durchfall. | イッヒ ハーベ アオッホ ドゥルヒファル |
| 薬をください | Können Sie mir ein Medikament geben? | ケネン ジー ミア アイン メディカメント ゲーベン |
| 処方箋なしで買えますか | Ist das ohne Rezept erhältlich? | イスト ダス オーネ レツェプト エアヘルトリッヒ |
英語でのフレーズ(薬局・医療機関共通)
| 場面 | 英語フレーズ | カタカナ読み |
|---|---|---|
| 吐き気を伝える | I have nausea and vomiting.(アイ ハヴ ノージア アンド ヴォミティング) | — |
| 乗り物酔いを伝える | I suffer from motion sickness.(アイ サファー フロム モーション シックネス) | — |
| 薬を探す | Do you have any anti-nausea medicine?(ドゥ ユー ハヴ エニー アンティ ノージア メディシン?) | — |
| 眠気の少ない薬を希望 | I need something that won't make me drowsy.(アイ ニード サムシング ザット ウォント メイク ミー ドラウジー) | — |
| アレルギーを伝える | I'm allergic to [成分名].(アイム アレルジック トゥ [成分名]) | — |
| 妊娠中であることを伝える | I'm pregnant. Is this safe?(アイム プレグナント イズ ディス セーフ?) | — |
| 子供への使用を確認 | Is this safe for children?(イズ ディス セーフ フォー チルドレン?) | — |
薬局での会話例
薬局員: "Guten Tag, wie kann ich Ihnen helfen?"(グーテン ターク ヴィー カン イッヒ イーネン ヘルフェン)「こんにちは、どのようにご用件ですか?」
あなた: "Mir ist sehr übel. Können Sie mir etwas empfehlen?"(ミア イスト ゼーア ユーベル ケネン ジー ミア エトヴァス エンプフェーレン)「ひどい吐き気があります。何か勧めていただけますか?」
薬局員: "Haben Sie auch Erbrechen oder nur Übelkeit?"(ハーベン ジー アオッホ エアブレッヒェン オーダー ヌア ユーベルカイト)「嘔吐もありますか、それとも吐き気だけですか?」
あなた(嘔吐もある場合): "Ich habe auch erbrochen."(イッヒ ハーベ アオッホ エアブロッヒェン)「嘔吐もしました。」
→ この場合、薬剤師は座薬形態のVomex Aや経口のジメンヒドリナート製品を提案することが多いです。
日本から持参が推奨されるOTC薬
薬剤師の観点からの持参推奨リスト
旅行前に日本で準備しておくと安心な制吐薬・関連製品を紹介します。
| 製品名 | 有効成分 | 持参メリット |
|---|---|---|
| トラベルミンA | ジメンヒドリナート50mg/錠 | ドイツのVomex Aと同成分。使い慣れた製品を持参できる |
| プリンペラン(錠・シロップ) | メトクロプラミド5~10mg | 要医師処方の場合も。旅行前に処方してもらえると安心 |
| 五苓散(漢方) | 生薬複合(ブクリョウ・タクシャ等) | 二日酔い・嘔気に対応。副作用が少なく高齢者にも使いやすい |
注意:トラベルミンAはOTC医薬品として薬局・ドラッグストアで購入可能です。プリンペラン(メトクロプラミド10mg製品)は日本では処方薬であるため、旅行前に医師への相談が必要です。
渡航前の準備チェックリスト(薬剤師推奨)
- 持病の薬は英文処方箋または英文薬剤情報シートを用意する — ドイツ薬局での追加購入・確認がスムーズになります
- 薬のジッパーバッグ保管 — 機内持ち込み時の液体・錠剤管理のため
- 個人使用量の範囲内で持参 — ドイツ入国時、個人使用目的の医薬品は申告不要ですが、大量持参は税関で確認されることがあります
- アレルギー情報はドイツ語でメモ — 緊急時に備え "Ich bin allergisch gegen [成分名]" のカードを作成
ドイツの医療事情
医療機関の種類
| 種類 | ドイツ語名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 総合病院(救急対応) | Krankenhaus / Klinik | 24時間救急対応。重症例・入院が必要な場合 |
| 救急外来 | Notaufnahme | 総合病院内に設置。軽傷~重症まで対応 |
| 一般診療所(かかりつけ医) | Hausarzt (Praxis) | 予約制が多い。軽症~中等症の外来診療 |
| 夜間・休日クリニック | Bereitschaftsdienst | 夜間・休日の軽症者向け |
| 薬局(相談窓口として) | Apotheke | 軽症の相談に無料対応。OTC薬の提供 |
救急連絡先
- 救急車・緊急医療:Tel. 112(EU共通緊急番号、24時間・無料・日本語オペレーター不在の場合は英語で対応)
- 医療相談(夜間):Tel. 116 117(ドイツ全国共通の医療相談ホットライン、Ärztlicher Bereitschaftsdienst)
- 中毒情報センター(Giftnotruf):各州に設置
- ベルリン:Tel. 030-19240
- ミュンヘン(バイエルン州):Tel. 089-19240
日本語対応可能な医療施設
ドイツの大都市(ベルリン・ミュンヘン・フランクフルト・デュッセルドルフ)には日系企業・在独日本人コミュニティが多く、日本語対応の医療サービスが比較的整っています。
- 日本人会・在独日本大使館の医療情報:緊急時は在ドイツ日本国大使館(Tel. 030-210940)または各都市の日本総領事館に相談することで、日本語対応可能な医師の紹介を受けられる場合があります。
- デュッセルドルフ:日本人居住者が特に多く、日本語対応クリニックの情報を日本商工会議所などが提供しています。
- 旅行保険のアシスタンスサービス:出発前に加入した旅行保険に付帯するキャッシュレス対応・日本語サポートを活用することを強く推奨します。
健康保険・医療費
日本の健康保険はドイツでは原則として使用できません。旅行者には海外旅行保険への加入が必須です。ドイツの医療費は日本と比べて高額になりやすく、救急搬送・入院が発生した場合は数千ユーロ規模になることがあります。
避けるべき成分・注意すべき薬
注意が必要な成分
Metoclopramid(メトクロプラミド)の過剰・長期使用: 前述の通り、5日を超える連続使用はジスキネジア等の神経系副作用リスクが高まります。特に高齢者・腎機能低下者では蓄積リスクがあるため、短期使用に限定してください。
ジメンヒドリナートとアルコールの併用: ビール大国ドイツでの注意点として特に強調します。ジメンヒドリナートはCNS抑制作用を持ち、アルコールとの併用で鎮静・眠気が著しく増強されます。服用中は飲酒を控えること。
運転への影響: ジメンヒドリナート服用中は自動車の運転が禁忌です。アウトバーンでのレンタカー運転を予定している日は使用を控えるか、ショウガ製品等の非鎮静系製品を選択してください。
偽造品リスクについて: ドイツのApotheke(認可薬局)で購入する限り、偽造品のリスクは極めて低いと評価されています。ただし未認可のオンライン販売サイトや個人間取引での医薬品購入は、品質保証がないため避けてください。
帰国後の観察ポイントと輸入感染症
帰国後に注意すべき症状
ドイツ渡航後、帰国してから数日~数週間以内に以下の症状が出現した場合は、海外渡航歴を医師に必ず伝えた上で受診してください。
| 症状 | 疑われる疾患 | 受診目安 |
|---|---|---|
| 持続する下痢・吐き気(2週間以上) | ジアルジア症・クリプトスポリジウム症 | 早期受診 |
| 帰国後2~4週間以内の発熱+吐き気 | 腸チフス・サルモネラ症 | 早期受診 |
| 黄疸+吐き気+倦怠感 | A型肝炎 | 早期受診(感染症指定医療機関) |
| 血便+腹痛+発熱 | 細菌性赤痢・カンピロバクター腸炎 | 早期受診 |
| 吐き気+頭痛+意識障害 | まれではあるが細菌性髄膜炎等 | 緊急受診 |
ドイツ渡航に特有の感染症リスク
ドイツは衛生状態が良好な国ですが、以下の点は注意が必要です:
- ノロウイルス・ロタウイルス: 秋冬を中心に流行。帰国後も2~3日の潜伏期間内に発症することがあります。
- カンピロバクター腸炎: ドイツでは生肉・半生肉料理(Mettbrötchen:生ひき肉をパンに乗せた料理など)の文化があり、カンピロバクターによる食中毒が報告されています。
- A型肝炎: ドイツのリスクは低いですが、旅行中に周辺国(東欧等)を訪れた場合はリスクが上がります。未接種の方は渡航前にワクチン接種を検討してください。
帰国後の受診先
- かかりつけ医・内科: 軽症で渡航歴を伝えての相談
- 感染症内科・トラベルクリニック: より専門的な検査・診断が必要な場合
- 最寄りの保健所: 感染症法に基づく届出疾患が疑われる場合(腸チフス・赤痢等)
薬剤師からのまとめと渡航前アドバイス
渡航前にできる最善策
- 旅行保険に必ず加入する: キャッシュレス対応・日本語サポート付きのプランを選ぶ
- 乗り物酔い薬は出発前日から準備: 空港・機内での使用も想定して、国内で購入してから持参する
- ドイツ語のアレルギー情報カードを作成: 薬局・医療機関でのスムーズなコミュニケーションに役立つ
- 水は慎重に選ぶ: 軟水に慣れた消化器系のために、最初の数日は炭酸なしミネラルウォーター(stillesWasser / ohne Kohlensäure)を選ぶ
- 食事は段階的に現地食に慣れる: 到着直後から高脂肪・大量の肉料理を食べることは避け、消化器系への負荷を徐々に増やす
ドイツのApothekeを賢く使う
ドイツのApothekeは単なる薬の販売所ではなく、薬剤師によるコンサルテーションの場でもあります。症状を英語またはドイツ語で伝えれば、薬剤師が状態に応じた製品を選んでくれます。緑十字のマークを目指して入店し、遠慮なく相談してください。費用は相談だけであれば無料です。
参考文献
-
European Medicines Agency (EMA). "Metoclopramide-containing medicines: Review concludes risk of neurological side effects outweighs benefits in long-term or high-dose use." EMA/CHMP/493361/2013. https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/referrals/metoclopramide-containing-medicines
-
World Health Organization (WHO). "Diarrhoeal disease." WHO Fact Sheet. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/diarrhoeal-disease
-
CDC (Centers for Disease Control and Prevention). "Travelers' Diarrhea." CDC Yellow Book 2024. https://wwwnc.cdc.gov/travel/yellowbook/2024/preparing/travelers-diarrhea
-
外務省海外安全情報. 「ドイツ 危険情報・感染症危険情報」外務省安全情報. https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_156.html
-
国立感染症研究所. 「感染症発生動向調査 海外渡航者の感染症情報」. https://www.niid.go.jp/niid/ja/route/enteric.html
-
Bundesinstitut für Arzneimittel und Medizinprodukte (BfArM). Arzneimittelinformationen. https://www.bfarm.de/DE/Arzneimittel/node.html
-
Robert Koch Institut (RKI). "Reisemedizin und importierte Infektionskrankheiten." https://www.rki.de/DE/Content/Infekt/Reisemedizin/reisemedizin_node.html
免責事項
本記事は薬学博士・薬剤師の知識に基づいた一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療方針の決定は医師の判断に委ねられます。記載内容は執筆時点の情報をもとにしており、医薬品の承認状況・価格・入手可能性は変動する場合があります。現地での薬の購入・使用にあたっては、必ず添付文書を確認し、不明な点は現地の薬剤師または医師にご相談ください。海外での医療受診・医薬品購入に際して生じたいかなる損害についても、執筆者および掲載媒体は責任を負いかねます。
監修:薬剤師(博士(薬学))