インドネシアで吐き気・嘔吐になったら|現地薬局で買える薬と買い方を薬剤師が解説

この症状でインドネシア渡航中によくある原因

インドネシア滞在中の吐き気・嘔吐は、以下の原因が大半を占めます。

  • 食中毒:屋台飯、生水、加熱不十分な海産物からの感染性胃腸炎
  • 乗り物酔い:長距離バス、フェリー乗船時の激しい揺れ
  • 時差ボケ・水質変化:日本との時差(−1時間)と硬水による胃腸への適応ストレス
  • 脱水症状:高温多湿環境での発汗増加に伴う体液喪失
  • スパイシーな食事:唐辛子・ココナッツミルク多用による胃粘膜刺激

ほとんどのケースは軽症で、数時間~1日で自然軽快します。 ただし、後述の危険サイン出現時は即受診が必須です。


現地薬局で買える薬(ブランド名・成分・用量)

1. ジメンヒドリナート系(乗り物酔い・軽度の吐き気向け)

Dramamine(ドラマミン)

  • 有効成分:Dimenhydrinate(ジメンヒドリナート)50mg/錠
  • 規格:1錠 / 用量:1回1~2錠、1日3回まで
  • 価格:Rp 50,000~80,000/箱(10~20錠)
  • 特徴:インドネシアで最も入手しやすい乗り物酔い薬。空港の小売店でも販売
  • 用途:予防用(乗車30分前)・事後用(症状発生後)両対応

Antimo(アンティモ)

  • 有効成分:Dimenhydrinate 50mg/錠
  • 規格:1錠 / 用量:1回1~2錠、1日3回まで
  • 価格:Rp 45,000~70,000/箱
  • 特徴:ジャカルタ、バリの薬局で広く流通。Dramaineより安価

2. メクリジン系(予防重視)

Bonamine(ボナミン)

  • 有効成分:Meclizine(メクリジン)25mg/錠
  • 規格:1錠 / 用量:1日1錠、乗車30分前または就寝前
  • 価格:Rp 60,000~90,000/箱(20錠)
  • 特徴:ジメンヒドリナートより眠気が軽微。予防用に適す
  • 注意:入手できない地域も多い

3. 吐き気止め(制吐薬)

Metoclopramide(メトクロプラミド)

  • ブランド例:Plasil、Reglan
  • 有効成分:Metoclopramide 10mg/錠
  • 規格:1錠 / 用量:1回1錠、1日3回(食前30分)
  • 価格:Rp 35,000~50,000/箱(10~20錠)
  • 特徴:胃運動促進作用。食中毒による吐き気に有効。医師処方推奨だが、インドネシアではOTC購入可能
  • 注意:長期連用は避ける(神経障害リスク)

Ondansetron(オンダンセトロン)

  • ブランド例:Zofran
  • 有効成分:Ondansetron 4mg/錠
  • 規格:1錠 / 用量:1回1錠、1日3回
  • 価格:Rp 80,000~120,000/箱(10錠)
  • 特徴:高い制吐効果。バリなど観光地の薬局で入手可能。本来は処方薬だが、インドネシアではOTC扱いの薬局も存在
  • 注意:価格が高いため、症状が軽微なら不要

4. 制酸・消化薬(併用推奨)

Mylanta(マイランタ)液体

  • 有効成分:Aluminum hydroxide + Magnesium hydroxide + Simethicone
  • 用量:1回30mL、1日3~4回(食後2時間後)
  • 価格:Rp 40,000~60,000/ボトル(355mL)
  • 特徴:胃酸中和と消泡。インドネシアの薬局・スーパーで常備

現地語での症状の伝え方(英語+インドネシア語の例)

英語(バリ、ジャカルタの大型薬局ならほぼ通じる)

「I feel nausea and want to vomit. I might have food poisoning."
「吐き気がして嘔吐したい。食中毒かもしれません」

「I took a long bus ride and now I'm dizzy and nauseous."
「長いバス乗車後、めまいと吐き気があります」

インドネシア語(ローカル薬局の対応率向上)

「Saya mual dan ingin muntah. Apa obat yang baik?"
(サヤ ムアル ダン インギン ムンタ。アパ オバッ ヤン バイク?)
→ 「私は吐き気があり嘔吐したいです。どんな薬がいいですか?」

「Saya baru makan di warung, sekarang perut saya sakit dan mual."
(サヤ バル マカン ディ ワルン、スカラン ペルト サヤ サキット ダン ムアル)
→ 「屋台で食べたばかりで、今お腹が痛くて吐き気があります」

薬局での会話フレーズ

日本語 英語 インドネシア語
乗り物酔い用 For motion sickness Untuk pusing perjalanan
食中毒の場合 For food poisoning Untuk keracunan makanan
1回何錠か How many tablets per dose? Berapa tablet sekali minum?
1日何回か How many times a day? Berapa kali sehari?
妊娠中(該当なら) I'm pregnant Saya hamil

日本の同成分OTC(持参する場合)

日本から以下を持参すると、インドネシアでの購入・言語コミュニケーションの不確実性が避けられます。

推奨の持参薬

1. センパア / アネロン「ニスキャップ」

  • 有効成分:ジメンヒドリナート 50mg/カプセル
  • 規格:1回1カプセル、1日2~3回
  • 特徴:Dramaineと同成分。国内OTC入手困難だが、事前購入可能
  • 持参理由:用量・用法が日本語で明確。言語問題なし

2. アネロン「ニスキャップ」の代替:トラベルミン

  • 有効成分:メクリジン 25mg/錠
  • 規格:乗車30分前に1錠
  • 入手先:大型ドラッグストア(マツキヨ、ウエルシア等)で容易に購入可能
  • 持参理由:予防効果高く、眠気が少ない

3. ナウゼリン / ドンペリドン

  • 有効成分:ドンペリドン 10mg/錠
  • 特徴:日本の一般用医薬品。胃粘膜刺激による吐き気に有効
  • 入手先:薬局(処方箋不要)
  • 持参理由:メトクロプラミドより副作用が少ない

避けるべき成分・買ってはいけない薬

インドネシアで警戒すべき点

1. 偽造医薬品の高い流通率

  • バリなどの観光地では、模造Dramaineが出回っています
  • 買う場所:「Apotek」(政府認可薬局)のみ。街角の無許可店舗は避ける
  • 確認方法
    • パッケージの印字が鮮明か
    • 有効期限がインドネシア語またはローマ字で明記されているか
    • 薬局の店員に「Ini asli?」(これ本物?)と確認

2. 避けるべき成分

成分 理由 代替薬
Scopolamine(スコポラミン) 副作用多く、医師処方推奨。インドネシアではOTC販売の薬局も存在するが避ける ジメンヒドリナート
Promethazine(プロメタジン) 眠気・依存リスク。バスの長距離乗車中は危険 メクリジン
含まれていない情報のOTC薬 何が入っているか不明な「吐き気止め」 成分表記が明確な薬

3. ネット購入・懸念点

  • TokopediaなどのインドネシアンEC上の医薬品は品質保証なし
  • 処方箋不要薬でも、現地Apotekの購入が最安全

即座に受診すべき危険サイン

以下の症状が出た場合は、即座に現地医療機関(病院・クリニック)に受診してください。 OTC薬の自己治療は危険です。

🚨 受診必須のサイン

症状 理由 対応
嘔吐物に血が混じる(黒色含む) 消化管出血の可能性 直ちに救急車(118番)または病院へ
24時間以上嘔吐が止まらない 脱水症状→ショック入院必須 輸液治療が必要
激烈な腹痛を伴う嘔吐 腸閉塞・穿孔の可能性 外科的治療が必要
高熱(≥39℃)を伴う 細菌性腸炎の可能性 抗生物質投与が必要
意識がぼんやりしている / けいれん 脱水症状の重症化またはコレラの可能性 直ちに病院へ
頭痛・項部硬直を伴う 髄膜炎の可能性 緊急対応
嘔吐物が緑色 腸閉塞の可能性 外科的介入が必要

受診先の選択

ジャカルタ・バリなど主要都市:

  • BIMC Hospital(Bali International Medical Centre):バリの日本人向け医療機関。英語対応
  • Pondok Indah Hospital(ジャカルタ):日本語対応スタッフあり

小規模都市:

  • 宿泊ホテルに医者紹介を依頼
  • 現地警察(110番)に病院情報を問い合わせ

まとめ

インドネシア滞在中の吐き気・嘔吐は、ほとんどが軽症で自然軽快します。

対処の流れ

  1. 初期対応:脱水を避けるため、スポーツドリンク(Pocari Sweat、ジャカルタ・バリのコンビニで入手可能)をこまめに摂取

  2. OTC薬の選択

    • 乗り物酔い予防 → Dramamine / Antimo(ジメンヒドリナート)
    • 食中毒による吐き気 → Plasil(メトクロプラミド)+ Mylanta
    • 予防重視 → Bonamine(メクリジン)
  3. 購入場所:必ず「Apotek」(政府認可薬局)から。屋台や無許可店舗は避ける

  4. 言語対策:英語またはインドネシア語フレーズを準備。困ったら宿泊ホテルのフロント経由で薬局に電話連絡

  5. 危険サイン監視:24時間嘔吐継続、血を伴う嘔吐、激烈な腹痛、高熱は即受診

日本から持参推奨薬(最も確実)

  • トラベルミン(メクリジン 25mg):予防用として最適
  • ナウゼリン(ドンペリドン 10mg):制吐作用確実

インドネシアの薬局は都市部で比較的アクセス良好ですが、偽造品リスク・言語障壁を考慮すると、軽症対応用は事前購入が最善です。 危険サインを理解し、判断を誤らないことが重要です。

その他の症状も確認

→ すべての症状一覧 / インドネシアの渡航医薬品情報

免責事項: 本ガイドは一般的な軽症対応の参考情報であり、 医学的診断の代替ではありません。 妊婦・小児・慢性疾患の方、および上記の危険サインが見られる場合は 必ず医師・薬剤師に直接ご相談ください。

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