ポルトガルで吐き気・嘔吐になったら|現地で買える薬と薬局での買い方を薬剤師が解説
ポルトガルは豊かな食文化と美しい旧市街が魅力の国ですが、慣れない旅先で吐き気や嘔吐に悩まされる日本人旅行者は少なくありません。本記事では、博士(薬学)取得・薬剤師の立場から、原因の解説・重症度の見極め・現地で手に入るOTC薬の詳細・薬局での会話フレーズ・現地の医療事情・帰国後の注意点まで、7000字超の網羅的ガイドとしてまとめています。
1. ポルトガルで吐き気・嘔吐になる主な原因
食文化と食中毒リスク
ポルトガルは大西洋に面した漁業大国であり、タコのオリーブオイル煮(ポルボ・ア・ラガレイロ)、塩漬けタラ(バカリャウ)、生ハム(プレズント)などの発酵・乾燥食品が食卓の中心を占めます。これらは加熱処理済みの場合が多いものの、観光シーズン中の屋台や市場では提供温度管理が不十分なケースもあり、サルモネラ菌・カンピロバクター属菌・黄色ブドウ球菌による食中毒が起きやすい環境が整っています。特に夏季(7〜8月)はリスボン・ポルトの気温が35℃を超えることも珍しくなく、生魚介類の劣化速度が急速に上がります。
水質の違いと胃腸への影響
ポルトガルの水道水は基本的に飲用可能と表示されていますが、テージョ川流域のリスボンと北部のポルト・ブラガ周辺ではミネラル組成(カルシウム・マグネシウム濃度)が日本より高めです。日本の軟水(硬度0〜60mg/L程度)に慣れた胃腸が中硬水〜硬水(100〜300mg/L超)に急に接触すると、一過性の下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。また、ホテルや古い建物では配管の古さによる細菌汚染リスクも完全には否定できません。旅行者には**ミネラルウォーター(água com gás = 炭酸入り、água sem gás = 無炭酸)**のボトル購入を推奨します。
乗り物酔いと地形的要因
リスボンの旧市街(アルファマ・バイロ・アルト)は急勾配の石畳が続き、伝統的な路面電車「エレクトリコ 28番線」や急傾斜ケーブルカー(アシェンソール)の揺れは、前庭感覚と視覚のミスマッチによる動揺病(乗り物酔い)を誘発しやすい環境です。シントラ・ナザレへの観光バスも山岳道路・海岸沿いのカーブが続き、酔いやすい体質の方には注意が必要です。
時差と自律神経の乱れ
日本とポルトガルの時差は夏時間(3月最終日曜〜10月最終日曜)で−8時間、冬時間で−9時間です。約12〜14時間のフライトに加えて大きな時差が重なると、概日リズムの乱れから迷走神経緊張亢進・胃酸分泌異常が生じ、食欲不振・吐き気・胃部不快感として現れることがあります。
感染性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルス)
リスボン・ポルトのような大都市の観光施設では不特定多数の人が集まります。手洗い設備が整っている施設でも、混雑時の接触感染リスクはゼロではありません。ノロウイルスは感染力が非常に強く(10〜100個程度で感染成立)、突発性の嘔吐・下痢・腹痛が特徴です。流行シーズンは冬季(11〜3月)ですが、夏季の観光シーズンにも集団感染事例は報告されています。
2. 重症度判定チェックリスト
吐き気・嘔吐への対応は、まず「自分でOTC薬で対応できるか」「医療機関に急ぐ必要があるか」の判断が最重要です。以下の3段階チェックリストを活用してください。
🚨 レベル3:今すぐ救急受診(Urgência)
以下のいずれかに該当する場合、ただちに112(ポルトガル緊急番号)へ電話するか、最寄りの救急病院(Serviço de Urgência)を受診してください。
- 嘔吐物または便に血が混じっている(鮮血・コーヒー色・黒色のいずれも)
- 嘔吐が24時間以上継続しており、水分がまったく口から入らない
- 激しい腹痛(特に右下腹部・みぞおちの鋭い痛み)を伴う
- 体温が39℃以上の高熱+嘔吐が同時に起きている
- 意識が混濁する・呼びかけへの反応が鈍い・立てないほどのめまい
- 皮膚または眼球に黄疸(黄色み)がある
- 首が硬く、光を見ると頭痛が激しくなる(髄膜炎の疑い)
- マラリア流行地からの帰国後48時間以内の発熱+嘔吐
⚠️ レベル2:数時間以内に診察を(Consulta de Urgência)
- 嘔吐が8〜24時間止まらず、水分摂取が非常に困難
- 乳幼児・高齢者・妊婦・免疫抑制状態での嘔吐(軽症に見えても脱水進行が速い)
- 38.5℃前後の発熱を伴う嘔吐
- 服用中の常用薬(抗てんかん薬・抗凝固薬・インスリン等)が嘔吐で飲めない状態が続く
- 強い頭痛・頸部硬直を伴う(レベル3との鑑別が必要)
✅ レベル1:薬局OTCで経過観察
- 嘔吐が1〜3回程度で落ち着いており、嘔吐後は比較的楽になっている
- 水分(スポーツドリンク・経口補水液)を少量ずつ摂取できている
- 38℃未満の軽度発熱か、もしくは発熱なし
- 乗り物酔い・食べ過ぎ・時差ボケが原因として明らかに疑われる
- 特記すべき既往症・服用薬がない成人
3. 現地薬局で買えるOTC薬
ポルトガルはEU加盟国であり、医薬品の品質基準はEMAガイドラインに準拠しています。緑十字マークの「Farmácia(ファルマシア)」に加え、処方不要薬限定の「Parafarmácia(パラファルマシア)」でも一部のOTC薬が購入可能です。
主要OTC薬一覧表
以下は吐き気・嘔吐・乗り物酔いに対応する代表的な製品です。価格はあくまで目安であり、店舗・時期により変動します。
| ブランド名 | 主成分(一般名) | 成人用量の目安 | 価格目安 | 入手先 |
|---|---|---|---|---|
| Dramamine | ジメンヒドリナート 50mg | 1〜2錠を6時間ごと(1日最大8錠) | €4〜7 | Farmácia、一部Parafarmácia |
| Biodramina | ジメンヒドリナート 50mg | 1〜2錠を6〜8時間ごと | €3〜6 | Farmácia |
| Agyrax | メクリジン塩酸塩 25mg | 1錠を24時間に1回 | €5〜9 | Farmácia |
| Plasil(錠剤・シロップ) | メトクロプラミド塩酸塩 10mg | 1錠を6〜8時間ごと(短期のみ) | €4〜8 | Farmácia(薬剤師に要相談) |
| Primperan | メトクロプラミド塩酸塩 10mg | 1錠を6〜8時間ごと(短期のみ) | €4〜8 | Farmácia(薬剤師に要相談) |
| Dioralyte / Rehidrat系 | 経口補水塩(ORS) | 1袋を200〜250mLの水に溶解 | €4〜8(数袋入) | Farmácia、一部スーパー |
| Biodramina Kids(液剤) | ジメンヒドリナート 12.5mg/5mL | 年齢・体重により調整(薬剤師指示) | €5〜8 | Farmácia |
各成分の薬学的解説:
**ジメンヒドリナート(Dimenhydrinate)**は第一世代抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)で、内耳前庭器官への作用により乗り物酔い・嘔気を抑制します。中枢移行性が高く、眠気・口渇・視力調節障害が主な副作用です。緑内障・前立腺肥大・排尿困難の方は使用前に薬剤師または医師への相談が必要です。
**メクリジン塩酸塩(Meclizine hydrochloride)**は同じく第一世代H1拮抗薬ですが、ジメンヒドリナートと比べて作用持続時間が長く(12〜24時間程度)、眠気の発現が比較的穏やかとされています。1日1回服用で済む利便性があります。
**メトクロプラミド(Metoclopramide)**はドパミンD2受容体拮抗薬で、胃排出促進(消化管運動調整)作用と制吐作用を併せ持ちます。食中毒・胃炎由来の嘔吐に有効ですが、長期使用(5日以上)で遅発性ジスキネジア(不随意運動)のリスクがあるため、旅行者の短期使用に限定し、必ず薬剤師の指示に従ってください。12歳未満への使用は禁忌とされています。
**経口補水塩(ORS)**は制吐薬ではありませんが、嘔吐後の脱水・電解質補正に不可欠です。WHO推奨の組成に準じた製品をFarmáciaで入手し、嘔吐が落ち着いたら少量ずつ(5〜10mLを5分ごと)から摂取を開始します。
4. 現地語での症状表現・薬局での買い方フレーズ
ポルトガルでは若い世代を中心に英語対応できる薬剤師が増えていますが、ポルトガル語で症状を伝えると確実なコミュニケーションが可能です。以下の表を参考にしてください。
症状を伝えるフレーズ
| 日本語 | ポルトガル語 | 発音(カタカナ目安) |
|---|---|---|
| 吐き気がします | Tenho náuseas. | テーニョ ナウゼアス |
| 嘔吐しました | Vomitei. | ヴォミテイ |
| 気分が悪いです | Sinto-me mal. | シントゥ メ マル |
| 乗り物酔いです | Tenho enjoo de viagem. | テーニョ エンジョオ デ ヴィアジェン |
| めまいがします | Tenho tonturas. | テーニョ トントゥラス |
| 腹痛があります | Tenho dores de barriga. | テーニョ ドーレス デ バリーガ |
| 下痢もあります | Também tenho diarreia. | タンベン テーニョ ディアレイア |
| 何かを食べて気分が悪くなりました | Comi algo que me fez mal. | コーミ アルゴ ケ メ フェズ マル |
| 熱もあります | Também tenho febre. | タンベン テーニョ フェブレ |
| 子どもに使えますか? | É seguro para crianças? | エ セグーロ パラ クリアンサス? |
薬局での購入フレーズ
| 日本語 | ポルトガル語 | 発音(カタカナ目安) |
|---|---|---|
| 吐き気の薬はありますか? | Tem medicamento para náuseas? | テン メジカメント パラ ナウゼアス? |
| 乗り物酔いの薬をください | Queria um medicamento para enjoo. | ケリア ウン メジカメント パラ エンジョオ |
| 処方箋なしで買えますか? | Posso comprar sem receita? | ポッソ コンプラール セン レセイタ? |
| 副作用を教えてください | Quais são os efeitos secundários? | クワイス サオン オス エフェイトス セクンダリオス? |
| 眠気が出ますか? | Causa sonolência? | カウザ ソノレンシア? |
| 妊娠中ですが使えますか? | Estou grávida. Posso tomar? | エストウ グラヴィダ ポッソ トマール? |
英語が通じる場面では以下のフレーズも有効です:
- "I feel nauseous and vomited twice.(アイ フィール ノーシャス アンド ヴォミテッド トワイス)"
- "Do you have any anti-nausea medicine without a prescription?(ドゥ ユー ハヴ エニー アンティ ノーシャ メディシン ウィザウト ア プレスクリプション?)"
- "Which one causes less drowsiness?(ウィッチ ワン コーゼズ レス ドラウジネス?)"
5. ポルトガルの医療事情
医療制度の概要
ポルトガルは国民保健サービス(SNS: Serviço Nacional de Saúde)による公的医療を提供しています。EU/EEA市民はEHICカードで無料または低額受診が可能ですが、日本人旅行者には保険による無料受診の権利はなく、原則として費用は全額自己負担です(海外旅行保険加入者はキャッシュレス対応か後日請求)。
医療機関の種類と使い分け
| 種類 | 特徴 | 費用目安 | 日本語対応 |
|---|---|---|---|
| Centro de Saúde(公立診療所) | かかりつけ医登録制、旅行者は利用困難なことが多い | 低額〜無料(SNS登録者) | ほぼなし |
| Hospital Público(公立病院) | 救急24時間対応、待ち時間が長い場合あり | 一部無料〜数十€ | ほぼなし |
| Clínica Privada(私立クリニック) | 予約制、待ち時間少なく英語対応しやすい | 診察料€50〜150程度 | 施設による |
| Hospital Privado(私立病院) | 設備充実、英語対応スタッフ在籍 | 診察料€100〜300以上 | 一部可 |
主要都市の医療機関・緊急連絡先
緊急連絡先:
- 救急(Emergência):112(警察・消防・救急統一番号)
- 医療相談ホットライン SNS 24:116 117(24時間、ポルトガル語対応、英語対応は施設により異なる)
リスボンの主要病院:
- Hospital de Santa Maria(公立・総合病院):リスボン最大規模の公立病院
- Hospital CUF Descobertas(私立):英語対応スタッフが多く、旅行者からの評価が高い
- Hospital da Luz Lisboa(私立):最新設備を備えた私立大病院
ポルトの主要病院:
- Hospital de São João(公立・大学病院):ポルト最大規模
- Hospital CUF Porto(私立):英語対応可
日本大使館(リスボン):
- 住所:Avenida da Liberdade 245-6.°, 1269-033 Lisboa
- 電話:+351-21-311-0560
- 緊急時連絡先(在外邦人向け):大使館公式サイトで最新番号を確認のこと
薬局(Farmácia)のアクセス
ポルトガルの薬局密度はEU平均を上回っており、リスボン・ポルトの市街地では数百メートルごとに緑十字マークの薬局を見つけられます。24時間営業または深夜営業の輪番薬局(Farmácia de Serviço)も各地区に設定されており、閉店時間外でも扉に「当番薬局」の場所が表示されています。英語対応できる薬剤師が比較的多く、旅行者にとってのアクセス難易度は低いといえます(pharmacyAccess: easy)。
6. 薬剤師の視点:渡航前準備と現地入手のリスク
渡航前に持参すべきOTC薬
現地でも同成分の薬は購入可能ですが、自分の身体に合った薬を事前に確認して持参することが最も安全です。以下は吐き気・嘔吐対策として日本で入手できる主なOTC薬です。
| 日本のOTC薬(一例) | 主成分 | 特徴 |
|---|---|---|
| トラベルミン(小林製薬) | ジメンヒドリナート 50mg+スコポラミン臭化水素酸塩 0.2mg | 乗り物酔いの第一選択、眠気あり |
| アネロン「ニスキャップ」(エスエス製薬) | d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 2mg+スコポラミン臭化水素酸塩 0.25mg+カフェイン 30mg | 眠気を抑制するカフェイン配合 |
| センパア(ゼリア新薬) | ジメンヒドリナート 50mg | 旅行携帯向け錠剤 |
※日本のOTC制吐薬(ドンペリドン・メトクロプラミド含有)は現在市販品から多くが消えており、上記の成分が中心です。医薬品の最新ラインナップは薬局で薬剤師にご確認ください。
**経口補水液(OS-1など)や電解質パウダー(和光堂のアクアライト等)**も1〜2袋持参しておくと、嘔吐後の脱水対処に役立ちます。
現地入手時の注意点
- 成分名(一般名)で確認する習慣を:ブランド名は国によって異なりますが、成分名(Dimenhydrinate, Metoclopramide等)はEU共通なので、箱に記載の「Substância ativa」の欄を確認してください。
- 日本で禁忌とされている成分が含まれていないか確認:ポルトガルのOTC薬にはスコポラミン(Escopolamina)含有製品も存在します。緑内障・前立腺肥大の方は特に注意が必要です。
- 小児・妊婦への使用は必ず薬剤師に確認:メトクロプラミドは12歳未満禁忌、スコポラミンは妊娠中の使用に慎重を要します。
- 偽造品・非正規流通品を避ける:観光地の露天商・非公式販売店で医薬品を購入しないこと。緑十字マーク(Farmácia)の正規薬局でのみ購入してください。
- アレルギー歴の申告:過去にジフェンヒドラミンやジメンヒドリナートで副作用が出た方は、その旨を薬剤師に伝えてください。
旅行中の嘔吐への対処フロー
- 嘔吐直後は無理に水を飲まず、30分程度安静にする
- 落ち着いたら経口補水塩またはスポーツドリンクを5〜10mLずつ5分間隔で摂取
- 2〜3時間後も嘔気が続くようであればOTC制吐薬を検討(乗り物酔いはDramamine/Biodramina、食中毒疑いはメトクロプラミド系を薬剤師に相談)
- 発熱・血便・24時間以上の嘔吐継続があれば即医療機関
7. 帰国後の観察ポイント:輸入感染症を見逃さないために
ポルトガルは熱帯地域ではないため、マラリアや腸チフスの流行リスクは極めて低い国です。しかし、ノロウイルス・カンピロバクター腸炎・サルモネラ症・A型肝炎などは帰国後に発症することがあります。**「旅行中は大丈夫だったのに帰国後に症状が出た」**というケースが少なくありません。
帰国後に注意すべき症状と潜伏期間の目安
| 疾患 | 主な症状 | 潜伏期間の目安 | 帰国後受診の目安 |
|---|---|---|---|
| ノロウイルス腸炎 | 突発性嘔吐・水様下痢・軽度発熱 | 12〜48時間 | 脱水が進む場合は内科受診 |
| カンピロバクター腸炎 | 腹痛・血便・発熱 | 2〜5日 | 血便・高熱が続く場合は消化器科受診 |
| サルモネラ食中毒 | 急性嘔吐・下痢・発熱 | 6〜48時間 | 高熱・菌血症疑いは内科受診 |
| A型肝炎 | 初期:嘔吐・倦怠感→後期:黄疸 | 15〜50日 | 黄疸・倦怠感が出た場合は肝臓専門医受診 |
| 腸管出血性大腸菌(O157等) | 水様〜血性下痢・嘔吐 | 3〜8日 | 血便・溶血性尿毒症症候群疑いは即受診 |
帰国後受診の際に伝えるべきこと
- 渡航国・滞在期間・帰国日
- 旅行中の食事内容(特に生魚介・生卵・未殺菌乳製品の摂取)
- 渡航先での飲料水の状況
- 同行者に同様の症状が出ているか
- 服用した市販薬の名称と服用期間
「旅行から帰ってきた後に吐き気・下痢・発熱が続いている」という場合、内科または感染症科を受診し、旅行歴を必ず申告してください。医師が輸入感染症を念頭に置いた検査・治療を行うために不可欠な情報です。
8. よくある質問(FAQ)
Q. ポルトガルの薬局では英語は通じますか? A. 都市部(リスボン・ポルト・ファロ等)の多くの薬局では英語対応が可能な薬剤師が在籍していることが多いです。ただし地方の小規模薬局では英語が難しい場合もあるため、本記事のポルトガル語フレーズを活用してください。
Q. 子ども(5歳)が嘔吐しています。現地で何を買えばいいですか? A. 成人向けジメンヒドリナート錠は小児の用量調整が難しく、自己判断での使用は推奨しません。Farmáciaで「Biodramina Kids」のような小児向け液剤があるか薬剤師に確認し、体重・年齢を伝えた上で用量指示を受けてください。脱水防止のため経口補水塩の少量ずつ摂取を優先し、症状が重い場合は早めに医師へ。
Q. 胃薬(胃酸抑制薬)もポルトガルで買えますか? A. オメプラゾール(Omeprazole)・パントプラゾール(Pantoprazole)などのPPI系胃酸抑制薬はポルトガルでは処方薬扱いが多く、OTC入手は難しい場合があります。ファモチジン(Famotidine)やランソプラゾール低用量品など一部のH2ブロッカーはOTC入手できることがあるため、Farmáciaの薬剤師に確認してください。日本から低用量のH2ブロッカーを持参することをお勧めします。
Q. 海外旅行保険に入っていれば病院費用は戻ってきますか? A. 多くの海外旅行保険は、旅行中の疾病・傷害による医療費を補償しています。受診時にはすべての領収書・診断書を保管し、帰国後に保険会社へ請求してください。クレジットカードの付帯保険を使う場合は補償上限額・適用条件を事前に確認しておくことを強く推奨します。
参考文献
-
World Health Organization (WHO). "Diarrhoeal disease – Key facts." WHO Fact Sheets. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/diarrhoeal-disease(2024年確認)
-
Centers for Disease Control and Prevention (CDC). "Portugal – Traveler's Health." CDC Yellow Book 2024. https://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/traveler/none/portugal(2024年確認)
-
外務省. 「ポルトガル 感染症・衛生情報」海外安全情報. https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_177.html(2024年確認)
-
European Medicines Agency (EMA). "Metoclopramide-containing medicines – Annex II: Conditions or restrictions." EMA/603947/2013. https://www.ema.europa.eu/(2024年確認)
-
Infarmed – Autoridade Nacional do Medicamento e Produtos de Saúde, I.P. (ポルトガル国立医薬品・保健製品庁). "Pesquisa de medicamentos." https://www.infarmed.pt/web/infarmed/pesquisa-avancada(2024年確認)
-
Serviço Nacional de Saúde (SNS), Portugal. "SNS 24 – Linha de Saúde." https://www.sns24.gov.pt/(2024年確認)
-
厚生労働省. 「海外で注意が必要な感染症」感染症情報. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/index.html(2024年確認)
まとめ
ポルトガルで吐き気・嘔吐に見舞われた場合の対応を整理すると以下のとおりです:
- 重症度を判定する:血便・24時間以上の嘔吐継続・激しい腹痛は即受診(112)
- 軽症であれば緑十字の「Farmácia」へ:乗り物酔いならジメンヒドリナート(Dramamine / Biodramina)、食中毒疑いならメトクロプラミド(Plasil / Primperan)を薬剤師と相談
- ポルトガル語フレーズを活用:"Tenho náuseas"(テーニョ ナウゼアス)で吐き気が伝わります
- 脱水予防が最優先:経口補水塩(ORS)を少量ずつ摂取
- 帰国後も油断しない:帰国後14日以内に発熱・血便・黄疸が出たら旅行歴を申告して内科受診
ポルトガルは医療インフラが整備されており、都市部では英語対応も可能です。事前に持参薬を準備し、本記事のフレーズを活用することで、万一の際にも落ち着いて対応できます。どうか美しいポルトガルの旅を健康的にお楽しみください。
免責事項 本記事は薬学的な情報提供を目的としており、医師による診断・治療の代替となるものではありません。記載された薬品情報・用量は執筆時点の情報に基づくものであり、現地での使用にあたっては必ず薬剤師または医師の指示に従ってください。海外旅行保険の加入状況・個人の健康状態によって最適な対処法は異なります。重篤な症状が疑われる場合は、ただちに医療機関を受診してください。
監修:薬剤師(博士(薬学))