スイスで吐き気・嘔吐になったら|現地薬局で買える薬と薬剤師による使用法

この症状でスイス渡航中によくある原因

スイスで急に吐き気や嘔吐に襲われるのは、以下の理由がほとんどです。

  • 乗り物酔い:アルプス山岳地帯のカーブの多い道路、列車移動での加速度変化
  • 食中毒:チーズフォンデュなどの重い郷土料理、衛生基準の異なるレストラン
  • 時差ぼけと疲労:日本からの長時間フライト(12~13時間)による自律神経失調
  • 気圧変化:高地のツェルマット(3000m超)やユングフラウ地域への急速な上昇
  • 水の硬度変化:カルシウムやミネラル豊富なスイスの水による腸の過敏反応

これら軽症の場合は、現地OTCで対応が可能です。ただし、特定の危険サインが見られたら迷わず医療機関を受診してください。

現地薬局で買える薬(ブランド名・成分・用量)

第一選択肢:ジメンヒドリナート系

Vogalib(ボガリブ)

  • 有効成分:ジメンヒドリナート(Dimenhydrinat)50mg/錠
  • 用法用量:1回1~2錠、1日3回まで(6時間以上間隔をあける)
  • 特徴:スイス、ドイツ、オーストリアで最も一般的。乗り物酔い・嘔吐に効果的
  • 価格目安:CHF 6~10(約900~1500円)
  • 入手場所:Apotheke(薬局)、駅売店、ドラッグストア

Nausicalm(ナウジカルム)

  • 有効成分:ジメンヒドリナート25mg/錠
  • 用法用量:1回1~2錠、1日3回
  • 特徴:Vogalibより低用量。軽症や初回使用者向け
  • 価格目安:CHF 5~8

第二選択肢:メクリジン系

Travelin(トラベリン)

  • 有効成分:メクリジン(Meclozin)25mg/錠
  • 用法用量:1回1~2錠、1日3回
  • 特徴:ジメンヒドリナートより眠気が少ない。長時間の観光に向く
  • 価格目安:CHF 7~11

第三選択肢:ジンジャー・プロバイオティクス系

Ginger Ale(市販)& BioGaia ProTectis(プロバイオティクス)

  • 成分:ショウガエキス、ラクトバチルス
  • 特徴:化学薬品を避けたい場合。軽症に有効。偽造品が少ない
  • 薬局でも購入可、スーパーでも入手可

現地語での症状の伝え方

英語(スイスの多くの薬局で通じる)

"I feel nauseous and I vomited." 
(吐き気があり、嘔吐しました)

"I have motion sickness from the bus / train."
(バス・列車の乗り物酔いです)

"I suspect food poisoning from last night's dinner."
(昨晩の食事から食中毒の疑い)

ドイツ語(スイス国内3/4で公用語)

"Mir ist übel und ich habe erbrochen."
(吐き気があり、嘔吐しました)

"Ich habe Reisekrankheit."
(乗り物酔いです)

"Ich vermute Lebensmittelvergiftung."
(食中毒の疑い)

薬局での会話例

あなた:"Do you have something for nausea?"

薬剤師:"Vogalib or Nausicalm? How often did you vomit?"

あなた:"Just once, an hour ago. I'm traveling."

薬剤師:"Take one tablet now, then one every 6 hours if needed. Rest and drink water."

日本の同成分OTC(持参する場合)

ジメンヒドリナート含有

  • トラベルミン(田辺三菱製薬):ジメンヒドリナート50mg/錠
    • 乗り物酔い特化。スイス到着前から1~2時間前に予防服用推奨
    • 価格:約1200円(6錠入)

プロメタジン系(より強力だが要処方箋)

  • ヒベルナ(処方箋医薬品):プロメタジン25mg
    • 出国前に医師に相談し、持参処方箋を取得可能

プラセボ・サポート系(薬局でも購入可)

  • 正露丸(同仁堂):木クレオソート
    • 食中毒の初期段階に有効。スイスのApothekeでも「Japanese stomach medicine」として認識される薬剤師も多い
    • 持参は有利

推奨:ジメンヒドリナート系(トラベルミン)を事前持参し、スイスでも重症化時にVogalibで二重対応するのが最適です。

避けるべき成分・買ってはいけない薬

スイスで違法または危険な成分

  • スコポラミン(Scopolamine):緑内障、前立腺肥大症がある場合は禁忌。フィルムパッチ型は一部地域で医師処方のみ
  • ドンペリドン(Domperidone):EU規制により、スイスでも2012年以降制限。薬局では「MotiliumはスイスではNOT available」と言われることが多い
  • メトクロプラミド過用:処方箋医薬品。OTCでは通常入手不可

偽造品・品質不安定な製品

  • オンライン通販の「激安ジメンヒドリナート」:スイスのApothekeでない通販で購入すると、有効成分濃度が低い、または含まれていない製品が混在
  • 駅キオスクの無名ブランド"Nausea Stop":成分表示がない場合は買わない
  • ホメオパシー製品(同種療法):「Natural」と謳っているが科学的根拠に乏しく、重症化を見逃す危険

薬局で確認すべき項目

  • ✅ 医薬品登録番号(Swissmedic認可番号)が箱に記載
  • ✅ 有効成分と含量がmg単位で明記
  • ✅ 使用期限(Verfallsdatum)が6ヶ月以上残存
  • ✅ ドイツ語・フランス語・イタリア語のいずれかで使用説明あり

即座に受診すべき危険サイン

以下の症状が1つでも当てはまったら、迷わず現地医療機関(Notfallstation = 救急外来)に向かってください。

緊急受診(すぐに救急車を呼ぶレベル)

血を伴う嘔吐(hematemesis)

  • コーヒー色の液体を吐く = 内部出血の可能性
  • 黒い便も同時に出ている = 消化管潰瘍
  • 即119相当(スイスは144番)

激しい腹痛(severe abdominal pain)+ 嘔吐

  • 急性膵炎、虫垂炎、腸閉塞の可能性
  • 緊急手術が必要な場合もある

24時間以上止まらない嘔吐

  • 脱水症状が進行し、電解質異常のリスク
  • 点滴輸液が必要

本日中に医師に相談(夜間でも可)

⚠️ 12時間以上嘔吐が続く

  • 脱水の初期段階

⚠️ 高熱(38.5℃以上)+ 嘔吐

  • ウイルス性胃腸炎、感染症

⚠️ 意識がぼんやり、めまいがひどい

  • 脱水による低血圧・低血糖

⚠️ 皮膚の黄変(jaundice)

  • 肝炎、胆嚢炎の可能性

経過観察で良いケース(OTC対応)

✅ 嘔吐が1~2回で止まった ✅ 軽い吐き気のみ ✅ 腹痛がない、または軽い ✅ 体温が正常~37.5℃ ✅ 意識、思考が清晰

スイスの医療機関アクセス

夜間・休日

  • 救急車:144番(医療用、無料)
  • 医師案内:1811番(スイス全土、24時間運営)
  • 中毒相談:145番

昼間の一般医

  • Hausarzt(家庭医):予約制。ホテルのコンシェルジュに紹介依頼
  • Notfallpraxis(夜間外来):駅近くに多数。予約なしで受診可
  • 大学病院(Universitätsspital):チューリッヒ、ベルン、ジュネーブに立地

海外旅行保険

  • スイスの医療は高額(初診料CHF 100~200)
  • JATA会員旅行社経由の保険加入を強く推奨
  • 治療前に保険会社に電話確認が重要

まとめ

スイス渡航中の吐き気・嘔吐は、適切なOTCで9割が24時間以内に改善します。

即座のアクション

  1. 症状が軽い(1~2回の嘔吐のみ)→ Apotheke(薬局)で「Vogalib」または「Nausicalm」を購入
  2. ジメンヒドリナート50mg を1錠、その後6時間ごと(最大3回/日)
  3. 脱水対策:Mineral water(ミネラルウォーター)or Elektrolytgetränk(電解質ドリンク)を小分けして頻繁に摂取
  4. 安静:最低4~6時間は寝ること

現地語チートシート

  • 英語:"I feel nauseous. Do you have Vogalib?"
  • ドイツ語:"Mir ist übel. Haben Sie Vogalib?"

危険サイン見逃しルール:血・24時間嘔吐・激痛・高熱 → 即144番

事前対策:出国48時間前からトラベルミン服用+マクロライド系プロバイオティクス(BIOGAIA)で予防効果も期待できます。

スイスの医療水準は世界トップクラス。不安なら遠慮せず医師に相談してください。

その他の症状も確認

→ すべての症状一覧 / スイスの渡航医薬品情報

免責事項: 本ガイドは一般的な軽症対応の参考情報であり、 医学的診断の代替ではありません。 妊婦・小児・慢性疾患の方、および上記の危険サインが見られる場合は 必ず医師・薬剤師に直接ご相談ください。

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