ベトナムで吐き気・嘔吖になったら|現地で買える薬と買い方を薬剤師が解説

この症状でベトナム渡航中によくある原因

ベトナム滞在中の吐き気・嘔吐は、以下の三大原因が大半を占めます。

食中毒(最多)

  • 屋台食、生野菜、不十分な加熱処理が原因
  • 細菌性(黄色ブドウ球菌、リステリア)やウイルス性(ノロ、ロタ)
  • 通常2~6時間で発症、24~72時間で自然治癒することが多い

乗り物酔い

  • ハノイ・ホーチミンシティの渋滞、長距離バスが主因
  • 内耳の平衡感覚異常により嘔吐中枢が刺激される
  • 薬剤で予防・改善可能

時差ぼけと消化器不適応

  • 渡航初日~3日目に多発
  • 腸内フローラの急激な変化も一因

現地薬局で買える薬(ブランド名・成分・用量)

Dramamine(ドラマミン) ※乗り物酔いに最適

有効成分: ジメンヒドリナート(Dimenhydrinate)50mg/錠

  • ベトナムの大手薬局チェーン(Nhà Thuốc An Khang、Pharmart など)で一般的
  • 用法用量:1回1~2錠、6時間ごと(1日3~4回)
  • 乗車30分前の予防的使用が効果的
  • 入手難度: ★★☆(規模の大きい薬局なら常備)

Bonine(ボナイン) ※副作用が少ない

有効成分: メクリジン(Meclizine)25mg/錠

  • ジメンヒドリナートより眠気が少ない
  • 用法用量:1回1錠、毎日(時差ぼけ対応時は朝食後)
  • ベトナムでは入手しやすい(輸入医薬品扱い)
  • 入手難度: ★★☆(ホーチミン・ハノイなら確保可)

Metoclopramide(メトクロプラミド)局所OTC版

成分: メトクロプラミド(Metoclopramide)10mg/錠

  • ベトナムでは Primpéran ブランド名で販売
  • 制吐作用が強く、食中毒による嘔吐に優れている
  • 用法用量:1回1錠、8時間ごと
  • 重要注意: 医師処方推奨ですが、ベトナム薬局では処方箋不要で購入可能
  • 入手難度: ★★★(最も容易)

Ondansetron(オンダンセトロン)低用量 ※化学療法制吐剤

成分: オンダンセトロン(Ondansetron)4mg/錠

  • ブランド名:ZofranZofran generic など
  • 医療用医薬品だが、ベトナムではOTC風で購入可能
  • 強い嘔吐・嘔吐が止まらない場合に有効
  • 用法用量:1回1錠、8時間ごと(最大3回/日)
  • 入手難度: ★★★☆(処方箋提示を求められることも)

活性炭タブレット + 整腸薬

  • ベトナム薬局ではCarbo Activatus 単独、またはBiogaia Protectis等のプロバイオティクスと併用
  • 食中毒の軽症時に補助的に使用
  • 用法用量:1回1~2錠、食事1時間後

現地語での症状の伝え方(英語+現地語の例)

薬局での基本フレーズ

英語(ホーチミン・ハノイなら通じやすい)

"I have nausea and vomiting. Can you recommend an OTC medicine?"
(吐き気と嘔吐があります。OTCの薬を勧めてもらえますか?)

"It's from food poisoning / motion sickness / jet lag."
(食中毒 / 乗り物酔い / 時差ぼけが原因です。)

ベトナム語(薬局店員に直接示すと親切)

Tôi bị buồn nôn và nôn.
(トイ ビ ブオン ノン ヴァ ノン。)
→「吐き気と嘔吐があります」

Có phải là thuốc OTC không?
(コー ファイ ラ トゥオック オーティーシー コン?)
→「OTCの薬ですか?」

Giúp mình chống say tàu / say xe
(ジュップ ミン チョン サイ タウ / サイ セ)
→「船酔い / 乗り物酔いに効く薬をください」

緊急時(医師受診が必要な場合)

Có máu trong nôn. Tôi cần gặp bác sĩ.
(コー マウ トロン ノン。 トイ カン ガップ バク シ。)
→「嘔吐物に血が混じっています。医者にかかる必要があります」

薬局スタッフへの質問

  • 「1日何回、何錠ですか?」→ "How many times per day? How many tablets per dose?"
  • 「食後に飲みますか?」→ "Should I take it with or after meals?"
  • 「副作用はありますか?」→ "Are there any side effects? Will it make me drowsy?"

日本の同成分OTC(持参する場合)

ジメンヒドリナート同成分

  • 商品名:トラベルミン (第一三共ヘルスケア)50mg/錠
  • 購入方法:ドラッグストア(薬剤師のいるカウンター)で購入可
  • 価格:10錠入り 約800円
  • 推奨: ベトナム現地品の品質が不安な場合、日本から持参すると確実

メクリジン同成分

  • 商品名:酔い止め薬 メクリジン (各社汎用品)25mg/錠
  • 価格:10錠入り 約600円~

メトクロプラミド同成分

  • 日本では医療用医薬品(処方箋必須)のため、OTC持参不可
  • ベトナムで必要な場合は現地薬局で購入

プロバイオティクス/整腸薬

  • 商品名:新ビオフェルミンSラックビー など
  • 購入方法:ドラッグストア(第3類医薬品)
  • 推奨度:★★★ 長期滞在時は数パックの持参を推奨

避けるべき成分・買ってはいけない薬

⚠️ 避けるべき医薬品成分

  1. スコポラミン(Scopolamine)

    • ベトナムで処方箋なしで販売される場合がある
    • 医療用の制吐薬だが、過剰摂取で幻覚・譫妄を引き起こす
    • 信頼できる薬局以外では購入しない
  2. ドンペリドン(Domperidone)高用量

    • 心不整脈リスクが報告されている
    • 1回1錠、1日3回まで
  3. 生姜エキス単独(民間薬との混同)

    • 品質管理されない粗悪品が存在
    • 公式な Ginger supplement 製品のみ購入

⚠️ 偽造品・低品質品への注意

  • 路上の露店・非公式な薬販売者から購入しない
  • ベトナムではDramamine、Bonine の偽造品が多く流通
  • 購入先: Nhà Thuốc An Khang、Pharmart、Alpha Pharmacy など公式チェーン薬局のみ
  • レシート・包装を確認し、ベトナム医薬品局(Cục Quản lý Dược)のロゴがあるか確認

⚠️ 医師の診察をスキップすべきでない場合

  • 初めて使用する制吐薬を使用する
  • 腎臓疾患・肝臓疾患がある
  • 妊娠中・授乳中
  • 他の医療用医薬品を服用中

即座に受診すべき危険サイン

🚨 直ちに医療機関を受診すべき症状

  1. 血を伴う嘔吐(Coffee-ground appearance)

    • 消化管出血の可能性
    • 食中毒とは異なる重篤な疾患
  2. 24時間以上止まらない嘔吐

    • 脱水症状進行のリスク
    • 尿量が減少する、口が極度に乾いている
  3. 強い腹痛を伴う嘔吐

    • 虫垂炎・腸閉塞・膵炎など外科的疾患の可能性
    • 特に右下腹部痛は危険
  4. 高熱(38.5°C以上)+嘔吐

    • ウイルス性腸炎、細菌性食中毒の重症化
    • 特に下痢を伴う場合
  5. 意識障害・けいれん

    • 脱水による電解質異常
    • 重篤な中毒の可能性
  6. 嘔吐物が緑色(bile-stained)

    • 腸閉塞の可能性

📞 ベトナムの医療機関連絡先

ハノイ

  • Hoan My Saigon Hospital(ホアンミー・サイゴン病院)
  • 電話:024-3622-7777

ホーチミンシティ

  • FV Hospital(フランス・ベトナム病院)
  • 電話:028-5411-3333
  • 英語対応、国際患者向けの案内あり

ダナン

  • Danang Family Medical Practice
  • 電話:023-622-8899

対症療法のコツ(薬購入後)

  • 水分補給: 少量ずつ、こまめに(一度に大量に飲むと再発症)
  • 電解質飲料: ポカリスエット類(ベトナム薬局でも販売)を活用
  • 食事再開: 嘔吐が止まってから6~12時間後に、消化しやすい炭水化物から
  • ジンジャーティー: ホテルのルームサービスで「Tea with ginger」と依頼(自然な制吐効果)
  • 横向き寝: 嘔吐のリスク低減

まとめ

ベトナム滞在中の吐き気・嘔吐は、多くの場合ジメンヒドリナート(Dramamine) または メトクロプラミン(Primpéran) で対応可能です。

購入時のチェックリスト:

  • ✅ 公式チェーン薬局(Nhà Thuốc An Khang など)で購入
  • ✅ 有効成分・用量を確認(Dimenhydrinate 50mg など)
  • ✅ 用法用量を英語またはベトナム語で確認
  • ✅ 偽造品でないことを確認(パッケージ・ロゴチェック)

品質が不安な場合、あるいは長期滞在の場合は、日本からトラベルミン(ジメンヒドリナート50mg)やビオフェルミン(整腸薬)を持参することを強く推奨します。

24時間以上の嘔吐、血を伴う嘔吐、強い腹痛などは食中毒ではなく、より重篤な疾患の可能性があります。躊躇なくホーチミンのFV Hospital など英語対応の医療機関を受診してください。

その他の症状も確認

→ すべての症状一覧 / ベトナムの渡航医薬品情報

免責事項: 本ガイドは一般的な軽症対応の参考情報であり、 医学的診断の代替ではありません。 妊婦・小児・慢性疾患の方、および上記の危険サインが見られる場合は 必ず医師・薬剤師に直接ご相談ください。

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