オーストリアで胃もたれ・胸焼けになったら|現地で買える薬と買い方を薬剤師が解説

この症状でオーストリア渡航中によくある原因

オーストリアの食文化は脂質が豊富です。特に以下の食べ物が胃もたれ・胸焼けを引き起こしやすいです。

  • Wiener Schnitzel(仔牛肉のカツレツ):バターで揚げた高脂肪食
  • Sachertorte(ザッハトルテ):濃厚なチョコレートケーキ
  • Strudel(シュトルーデル):脂肪分の多いデザート
  • Kasnocken(チーズ団子):濃厚なチーズを使用
  • Gulasch(グヤーシュ):赤ワイン煮込みで香辛料が多い

加えて、時差ボケ、気圧変化、精神的ストレスも胃腸トラブルの原因になります。


現地薬局で買える薬(ブランド名・成分・用量)

1. Rennie(制酸剤:最も一般的)

成分:炭酸カルシウム 680mg + 炭酸マグネシウム 80mg(1錠あたり)

用量:1~2錠を水なしで噛んで摂取。4時間ごと、1日最大8錠まで

特徴

  • オーストリアの薬局(Apotheke)で最も入手しやすい
  • 即効性が高く、5~10分で効果が現れる
  • 妊婦でも安全とされている
  • 価格:€3~4.50程度

買い方:レジで「Rennie, bitte」と言うだけでOK。処方箋不要。


2. Talcid(制酸剤・消泡剤:即効性重視)

成分:ヒドロタルサイト 500mg + ジメチコン 20mg(1錠)

用量:1~2錠を1日3~4回、症状時に摂取

特徴

  • ガスを減らす消泡剤ジメチコンを含有
  • 胃もたれを伴う膨満感に特に有効
  • Rennieより吸収が遅いが持続時間が長い(約2時間)

価格:€4~5


3. Gaviscon(アルギン酸塩配合・局所保護型)

成分:アルギン酸ナトリウム 500mg + 水酸化アルミニウム 100mg + 酸化マグネシウム 150mg(懸濁液1小袋)

用量:1小袋を水に溶かして1日3~4回、食後30分に摂取

特徴

  • 胃酸を中和しつつ、食道を保護する膜を形成
  • 逆流性食道炎(GERD)が疑われる場合に推奨
  • ドラッグストア(DM、Müller)でも販売

価格:€6~8


4. Omeprazol(プロトンポンプ阻害薬:長期用)

有効成分:オメプラゾール 10mg または 20mg(カプセル)

用量:1日1回20mgを朝食前に、1~2週間継続

特徴

  • 胃酸分泌を根本的に抑制
  • 症状が3日以上続く場合に推奨
  • 薬剤師による助言が必要(Beratung erforderlich)な場合もある
  • ブランド:Omeprazol STADA、Omeprazol Ratiopharm など複数あり

価格:€8~12(14カプセル入)

注意:2週間以上の連続使用は避け、薬剤師に相談してください。


5. Famotidin(H2ブロッカー:中程度症状向け)

有効成分:ファモチジン 20mg(錠剤)

用量:1日1~2回、1回20mg を就寝前と朝食前に

特徴

  • オメプラゾールより効果は穏やかだが安全性が高い
  • 2週間まで連続使用可能
  • 初めての方や軽症例に適切

価格:€6~10


現地語での症状の伝え方

英語(ほぼ全薬局で通じます)

「I have heartburn and indigestion after eating.」
(食後に胸焼けと消化不良があります)

「I feel bloated and have acid reflux.」
(膨満感と逆流がします)

ドイツ語(オーストリア公式語)

「Ich habe Sodbrennen und Magenverstimmung.」
(胸焼けと胃の不調があります)

「Mir ist übel und ich habe Magenkrämpfe.」
(吐き気と胃けいれんがあります)

薬剤師への質問

英語:"Which antacid do you recommend for mild heartburn?"

ドイツ語:"Welches Mittel empfehlen Sie gegen leichtes Sodbrennen?"

ヒント:オーストリアの薬局スタッフは多くが英語を話します。ドイツ語に自信がなければ、英語で対応を求めても問題ありません。


日本の同成分OTC(持参する場合)

成分 日本ブランド 含有量 備考
炭酸カルシウム+炭酸マグネシウム ガストール 各400mg Rennnieの日本版に相当
水酸化アルミニウム+水酸化マグネシウム アルマコール 各350mg 懸濁液タイプ
ジメチコン配合 スクラート 消泡剤40mg 膨満感重視
オメプラゾール オーグメンチン 20mg 医師処方が必要(日本)
ファモチジン ガスター10 10mg 市販版はドラッグストア販売

持参時の注意

  • 処方箋医薬品は個人使用目的でも持ち込み可能ですが、3ヶ月分までが目安
  • 英文の説明書を用意するとオーストリアの医師に説明しやすい

避けるべき成分・買ってはいけない薬

1. アスピリン単独製剤

  • オーストリアではAspirin Plusなど複合剤が多い
  • 単独アスピリンは胃を傷つけ、むしろ症状を悪化させます
  • 購入前に成分表を必ず確認

2. 高用量の鉄分やビタミンC配合薬

  • 酸性が強く、胃を刺激します
  • 胃もたれ中の摂取は避けてください

3. 香辛料・生ジンジャー入りの民間療法

  • オーストリアの健康食品店で見かけますが、急性胃炎時には避けるべき
  • 慢性的な問題でない場合は特に不要

4. 偽造品や来歴不明なネット販売品

  • 主に東欧からの闇流通品が存在
  • 必ずApotheke(認可薬局)で購入してください
  • ドラッグストア(DM、Müller)での購入も安全です

5. 処方箋医薬品の無許可販売

  • Omeprazol 20mg以上やRabeprazolは処方箋が必要な場合があります
  • 薬剤師に「OTC版ですか?」と確認してから購入

即座に受診すべき危険サイン

以下の症状が見られた場合は、OTC薬での自己管理を中止し、直ちに医療機関を受診してください。

緊急受診が必要

  • 吐血(赤い血を吐く)
  • 黒色便(タール状の便)→ 上部消化管出血の可能性
  • 激しい胸痛(特に左肩から腕にかけて)→ 心筋梗塞の可能性を除外
  • 飲み込めない(嚥下困難)が急激に悪化
  • 38℃以上の発熱+腹部激痛
  • 嘔吐が止まらない(6時間以上継続)

24時間以内に受診すべき

  • 症状が1週間以上改善しない
  • 新たに血便が出現
  • 急激な体重減少(1週間で3kg以上)
  • 吐き気と食欲不振が同時進行
  • 薬を飲んでも効果がない

オーストリアの医療機関への連絡方法

  • 救急車:144(ウィーン)または112(EU共通)
  • 夜間診療:Bereitschaftsdienst(ウィーン・イエローページで検索)
  • 観光客向け対応:多くの診療所で英語対応が可能

まとめ

オーストリア滞在中の胃もたれ・胸焼けは、脂質豊富な現地食が主原因です。以下の対応フローで対処しましょう。

軽症(1~2時間で治る)Rennieまたはtalcid(制酸剤)を即座に使用

中程度(数時間続く)Gaviscon(食後すぐに)+ Famotidin(夜間に1回)

3日以上改善しないOmeprazol 20mgを朝1回、1~2週間継続+薬剤師に相談

重要ポイント

  1. Apotheke(公式薬局)でのみ購入→ 偽造品を避ける
  2. ドイツ語が不安なら英語で対応を求める→ スタッフの大半は英語対応可能
  3. 危険サイン(吐血・黒色便)は絶対に自己判断しない → 直ちに医療機関へ
  4. 予防が最優先 → 脂っこい食べ物の量を減らし、水をこまめに摂取
  5. 日本から同成分OTCを持参すれば、言語障壁なく対応可能

数日で改善しない場合は、ヘリコバクター・ピロリ菌感染やIBDなど基礎疾患がないか、医師に検査を依頼してください。オーストリアの医療水準は世界トップクラスなので、安心して受診できます。

その他の症状も確認

→ すべての症状一覧 / オーストリアの渡航医薬品情報

免責事項: 本ガイドは一般的な軽症対応の参考情報であり、 医学的診断の代替ではありません。 妊婦・小児・慢性疾患の方、および上記の危険サインが見られる場合は 必ず医師・薬剤師に直接ご相談ください。

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