ブラジルで胃もたれ・胸焼けになったら|現地で買える薬と買い方を薬剤師が解説

この症状でブラジル渡航中によくある原因

ブラジル滞在中に胃もたれ・胸焼けが発生する主な理由は以下の通りです。

  • 脂質と肉の過剰摂取: シュラスコ(ブラジルBBQ)、フェイジョアーダ(黒豆煮込み)など、高脂肪・高タンパク食が日常的
  • 香辛料の刺激: ペッパー類、ガーリック、ペッパーソース(ピメンタ)による胃粘膜刺激
  • 時間帯ずれ・ストレス: 時差ぼけと心理的ストレスによる胃酸分泌亢進
  • 飲酒習慣: カシャッサ(蒸留酒)、ビールの頻繁な摂取
  • 一度の食事量の多さ: ブラジル式ランチ(ロデーズィオ含む)の大量摂食

多くの場合、一時的な胃酸過多が原因で、適切な制酸薬やプロトンポンプ阻害薬(PPI)で軽快します。


現地薬局で買える薬(ブランド名・成分・用量)

1. H2ブロッカー系(ファモチジン含有)

製品名: Stomaquat(ストマクワット)/ Gastrium(ガストリウム)
有効成分: ファモチジン 20mg
用法: 1日1~2回、就寝前30分前に服用
購入形態: 30錠/パック、薬局で処方箋不要

製品名: Axid / Fam
有効成分: ファモチジン 20mg
用法: 1日2回、症状に応じて調整
特徴: 市中薬局で容易に入手可能

2. プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール含有)

製品名: Omeprazol Genérico / Losec(ロセック・オリジナル)
有効成分: オメプラゾール 20mg
用法: 1日1回、朝食30分前に空腹時服用
購入形態: 30カプセル/箱、薬局で処方箋不要(OTC扱い)

製品名: Peprazol / Gastrozol
有効成分: オメプラゾール 20mg、40mg
用法: 20mg:1日1回 / 40mg:重症例のみ
特徴: ジェネリックで価格安価

3. 制酸薬・消化酵素複合剤

製品名: Tums / Genoprazol
有効成分: 炭酸カルシウム 500mg ± マグネシウム水酸化物
用法: 食後1~2時間、1日2~3回、咀嚼して服用
特徴: 即効性(15~30分)、携帯性良好

製品名: Biodgestiv / Digezyme
有効成分: アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ(酵素複合体)
用法: 食後1時間、1日2回
特徴: 脂肪分解促進、シュラスコ後に効果的


現地語での症状の伝え方

ポルトガル語(ブラジル)表現

基本表現:

  • 「胃もたれです」= "Tenho azia" / "Tenho má digestão"
  • 「胸焼けがします」= "Tenho queimação no peito" / "Tenho refluxo"
  • 「脂っこい食事の後です」= "É depois de uma refeição gordurosa"

薬局での会話例:

患者: "Bom dia. Tenho queimação no peito e azia. O que você recomenda?"(おはよう。胸焼けと胃もたれがあります。何をお勧めですか?)

薬剤師: "Você quer um anti-ácido rápido ou um bloqueador de ácido?"(即効性の制酸薬、それとも酸分泌抑制薬のどちらですか?)

患者: "Algo para agora, por favor."(今すぐ効くものをお願いします。)

→ この場合、Tums または Biomag(マグネシウム制酸薬)を勧められます。

英語による代替表現

  • "I have heartburn and indigestion."(胸焼けと胃もたれがあります)
  • "After greasy food, I have acid reflux."(脂っこい食事の後、酸逆流があります)

ブラジルの薬局員は英語を理解することが多いですが、ポルトガル語がより確実です。


日本の同成分OTC(持参する場合)

ブラジル現地での確実な入手が懸念される場合、以下を日本から持参することを推奨します。

H2ブロッカー系

  • ガスター10 (ファモチジン 10mg): 大正製薬
    ブラジル版は20mgが標準のため、効きが緩和される可能性

  • タガメット200 (シメチジン 200mg): 市販では少ないが一部薬局に有

プロトンポンプ阻害薬

  • ガスター20 (ファモチジン 20mg)
    日本の一般用医薬品ではオメプラゾール類は医療用が多い

制酸薬

  • スクラート / スクラートS (水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム)
    ブラジルのTumsと同等成分、携帯に最適

  • ロートエキストラ (複合消化酵素 + 制酸成分)

推奨: ファモチジン20mg製剤(日本では医療用のため処方箋必須)、スクラート系の持参が最も実用的です。


避けるべき成分・買ってはいけない薬

危険な成分・医薬品

  1. アスピリン高用量製剤: ブラジルで販売される Aspirina C(アスピリン 500mg + ビタミンC)は、胃粘膜を傷つけるため、すでに胸焼けがある場合は避けるべき

  2. 水酸化アルミニウム単独製剤: マグネシウムとのバランスが重要。単独では便秘を招く

  3. ジェネリック医薬品の偽造品: ブラジルでは一部不正薬局で偽造医薬品が流通

    • 公認薬局(Drogaria, Farmácia de Rede)で購入すること
    • パッケージの色褪せ、表記の誤りがないか確認
    • QRコード付きパッケージが真正品の目安
  4. 医療用処方薬の無許可販売品: オメプラゾール 40mg以上は本来医療用。無許可で販売する薬局から購入しない

  5. キノロン系抗菌薬を含む複合製剤: 稀だが、一部の古い胃腸薬に含まれる。胃もたれの段階では不要

信頼できる薬局チェーン

  • Drogaria São Paulo(ドログアリア・サンパウロ)
  • Farmácia Pague Menos(ファルマシア・パゲ・メノス)
  • Ultra Farma(ウルトラ・ファルマ)

これらは全国展開の大手チェーンで、真正医薬品の供給が確実です。


即座に受診すべき危険サイン

以下の症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。OTC薬での自己対処は禁止です。

緊急受診対象症状

症状 可能性のある疾患
吐血(鮮血または珈琲色) 消化性潰瘍の穿孔、出血性胃炎
黒色便(タール状) 上部消化管出血
激しい胸痛(呼吸困難伴う) 心筋梗塞、食道裂肛ヘルニア嵌頓
嚥下困難(飲み込み時に強い痛み) 食道裂肛ヘルニア、食道炎
5日以上続く胸焼け(薬無効) 消化性潰瘍、GERD、悪性腫瘍
発熱 + 腹痛 + 嘔吐 急性胃腸炎、膵炎
体重急減 悪性疾患の可能性

ブラジルでの医療機関アクセス

  • SUS(ブラジル統一医療制度): 無料だが待機時間が長い
  • 私立病院・クリニック: 有料だが迅速(国立系より推奨)
  • 主要都市の夜間クリニック: リオデジャネイロ、サンパウロに常設
  • ホテルのフロント: 医師紹介サービスあり(ツーリスト向け)

まとめ

ブラジル滞在中の胃もたれ・胸焼けは、脂肪食とストレスが主因です。軽症なら現地薬局で容易にOTC医薬品が入手できます。

最優先の対処

  1. 即効性が必要: Tums または Biomag(制酸薬)を選択
  2. 根本的に抑制したい: オメプラゾール 20mg(1日1回朝食前)を3~5日間
  3. 症状が軽い: Biodgestiv(酵素製剤)で脂肪消化を支援

持参推奨医薬品

  • ファモチジン 20mg(日本から処方箋で取得)
  • 制酸薬スクラート(パッキング効率良好)

購入時の鉄則

公認薬局チェーンのみで購入
成分表示、有効期限を必ず確認
不安な場合は英語で薬剤師に相談
吐血・黒色便・激しい胸痛は即受診

適切な薬剤選択と予防的な食生活改善(辛すぎるもの・脂肪分の制限、アルコール減量)により、ブラジアン・グルメの楽しさを損なわずに健康的な滞在が実現できます。

その他の症状も確認

→ すべての症状一覧 / ブラジルの渡航医薬品情報

免責事項: 本ガイドは一般的な軽症対応の参考情報であり、 医学的診断の代替ではありません。 妊婦・小児・慢性疾患の方、および上記の危険サインが見られる場合は 必ず医師・薬剤師に直接ご相談ください。

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