イタリア旅行の予防接種|薬剤師が詳しく解説

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イタリア渡航前に必要な予防接種ガイド|薬剤師が解説する接種スケジュールと費用

イタリアは欧州連合に加盟する先進国で、衛生環境は日本と同等です。しかし海外渡航にあたり、感染症リスクは存在します。本記事では、渡航前に押さえるべき予防接種について、薬剤師の視点から実践的な情報をお届けします。


イタリア渡航時に必要な予防接種の全体像

イタリア渡航者の予防接種は、以下の3段階で考えます:

  1. 定期予防接種 → 日本の定期接種の履歴確認・補完
  2. 推奨ワクチン → 滞在期間や活動内容で検討
  3. 状況別予防接種 → 時期や地域による特殊対応

薬剤師メモ イタリアは肺炎球菌やインフルエンザなどの定期予防接種が充実した国です。ただし予防接種手帳(予防接種歴)を紙で保有していない方が多いため、出発前に医療機関で確認することをお勧めします。


日本で事前に確認すべき定期予防接種

母子健康手帳で確認する基本ワクチン

渡航前30日以内に、以下のワクチン接種歴を確認してください。不足分があれば、イタリア渡航前に接種を完了させるのが最善です。

ワクチン名 対象年代 接種回数 重要度
MMR(麻しん・おたふく・風しん) 全年代 2回 ★★★
二種混合(DT) 全年代 1回以上 ★★★
ポリオ 全年代 4回 ★★★
B型肝炎 全年代 3回 ★★☆
水痘 全年代 2回 ★★☆
日本脳炎 全年代 3回 ★★☆

薬剤師メモ 麻しんとポリオは国際的な移動で重視される感染症です。母子健康手帳に記載がない場合、血液検査(抗体検査)で免疫の有無を確認するか、未接種なら早急に接種を検討してください。イタリアでは2026年時点ではしか(麻しん)の小規模な流行が報告されている地域もあります。

成人向けジフテリア・百日咳ワクチンの再接種

日本では二種混合(DT:ジフテリア・破傷風)が推奨されていますが、欧州ではジフテリア・百日咳・破傷風の3種混合(Tdap)が標準的です。

  • 日本の予防接種歴が10年以上前の場合:破傷風トキソイド(Td)またはTdapの再接種を検討
  • イタリアで破傷風リスク(古い建物での作業、農場訪問など):出発2週間前の接種を推奨

イタリア渡航者に推奨される追加ワクチン

インフルエンザワクチン

接種時期: 渡航予定の10月〜翌年3月の場合、出発前4週間以内

イタリアの冬季(11月〜3月)はインフルエンザの流行時期です。

接種方法 予防効果 特記事項
不活化ワクチン(ショット) 約60〜70% 最も一般的。1回接種
鼻腔噴霧ワクチン 約70〜80%* 日本では一部医療機関のみ

*小児用のみ

費用: 3,000〜5,000円(自費)

新型コロナウイルスワクチン

イタリアでは2026年時点で定期接種は廃止されていますが、以下の場合は出発前の確認が重要です:

  • 60歳以上、または免疫不全がある場合 → 最新ワクチン接種を検討
  • 医療従事者など職業上のリスク → 最新情報を確認

薬剤師メモ イタリアは欧州での新型コロナワクチン接種記録の確認が比較的厳格な国です。医療機関受診時に予防接種歴の提示を求められる可能性があるため、証明書(イエローカード等)を持参することをお勧めします。

A型肝炎ワクチン

推奨対象:

  • 2週間以上の滞在予定者
  • 衛生管理が不確実な飲食店への出入りを予定する者

イタリアは先進国ですが、食事面でのリスクは稀です。ただし農村部への長期滞在者には推奨されます。

ワクチン種別 接種回数 接種間隔 有効期限
組み換えA型肝炎ワクチン(エイムゲン) 2回 6ヶ月 約15年以上
不活化A型肝炎ワクチン 2〜3回 個別設定 個体差あり

費用: 1回 7,000〜10,000円

接種スケジュール例:

  • 1回目:出発60日前
  • 2回目:出発30日前

B型肝炎ワクチン

推奨対象:

  • 医療従事者
  • 1ヶ月以上の滞在予定で医療リスク職業従事者
  • 既往歴不明の場合

組み換えB型肝炎ワクチン(ヘプタバックスHB など)が標準。

基本スケジュール(0, 1, 6ヶ月法): 出発予定が3ヶ月以内の場合は、緊急スケジュール(0, 7日, 21日)を検討し、医師に相談してください。

費用: 1回 5,000〜8,000円 × 3回


状況別・地域別の予防接種判断

田舎・農村地域への長期滞在の場合

追加検討ワクチン:

  • 狂犬病 → 野犬・野生動物接触リスク高
  • ダニ媒介脳炎(FSME) → イタリア北部アルプス地帯で流行
  • ロタウイルス → 乳幼児連携

ダニ媒介脳炎ワクチン接種例:

  • 対象: イタリア北東部(トレンティーノ・アルト・アディジェ州など)への進行
  • ワクチン名: FSME-Immun など(ヨーロッパ製)
  • 日本での接種: 困難(欧州で接種が多い)→ 現地医療機関で相談

渡航期間が短い(1週間以内)の場合

優先度 ワクチン 理由
必須 MMR補完、DT確認 定期接種の基本
強く推奨 インフルエンザ(冬季) 流行時期の旅行
相談推奨 A型肝炎 食事リスク低い
不要 狂犬病 接触機会がない

予防接種の具体的なスケジュール立案

理想的な渡航準備タイムライン

【渡航予定日の60日以上前】
 ↓
1. 母子健康手帳で接種歴確認
2. 医師に相談、不足ワクチン判定
3. 必要ワクチンの初回接種予約
 ↓
【渡航予定日の30日前】
 ↓
4. 2回接種が必要なワクチンの2回目接種
5. イエローカード(国際予防接種証明書)取得手続き
 ↓
【渡航予定日の14日前】
 ↓
6. 免疫形成確認(生ワクチンは接種後2週間必要)
7. 渡航前最終チェック

実例:3ヶ月後にイタリア渡航予定の場合

初回相談時点(渡航90日前)

  • MMR未接種 → 第1回接種決定
  • インフルエンザ未接種 → 時期により判定
  • A型肝炎検討 → 2回接種コース開始

1ヶ月後(渡航60日前)

  • MMR第1回接種完了
  • A型肝炎第1回接種完了

2ヶ月後(渡航30日前)

  • A型肝炎第2回接種実施
  • インフルエンザ接種(秋口の場合)
  • B型肝炎要検討者は初回接種

3ヶ月後(渡航直前)

  • イエローカード最終確認
  • 医師による渡航前チェック
  • 渡航者向けヘルスチェックシート作成

薬剤師メモ 生ワクチン(MMRなど)と不活化ワクチン(インフルエンザなど)は同日接種可能ですが、異なる日に接種する場合は最低4週間の間隔が必要な場合があります。スケジュール立案時には医師・薬剤師に相談してください。


予防接種の費用と入手方法

日本での接種費用の目安

ワクチン 推奨接種回数 1回あたりの費用 合計費用
MMR(自費) 補完分1回 9,000円 9,000円
インフルエンザ(自費) 1回 3,500〜5,000円 3,500〜5,000円
A型肝炎 2回 8,000円 16,000円
B型肝炎 3回(緊急時) 6,500円 19,500円
破傷風トキソイド(Td) 1回 3,000円 3,000円
狂犬病*(曝露前予防) 3回 15,000円 45,000円

*イタリア渡航で通常不要

合計(標準的な渡航者): 約30,000〜50,000円

接種費用の負担

  • 定期予防接種(日本の公費対象分) → 無料(成人は一部自費)
  • 推奨ワクチン → 全額自費(保険適用なし)
  • イエローカード(国際予防接種証明書) → 発行手数料なし

薬剤師メモ 一部の企業や団体では、海外渡航者向けの予防接種補助制度を設けています。勤務先の健康保険組合や旅行会社に確認してください。

接種できる医療機関

国内での接種場所:

  1. かかりつけ医・内科診療所 → 個別相談に対応
  2. 予防接種専門外来 → 渡航医学に特化した医師在籍
  3. 各都道府県の保健所 → 一部ワクチンを低価格で提供

渡航医学専門の医療機関例:

  • 国立国際医療研究センター・渡航医学センター
  • 旅行医学のクリニック(東京・大阪など主要都市)
  • 港湾検疫所併設医療機関

予約方法: 事前に電話・WEB予約が必須(在庫確保のため)


イタリア到着後の対応

現地での予防接種情報

イタリアの主要都市(ローマ、ミラノ、フィレンツェ)には、ワクチン接種を提供する医療機関があります。

ただし注意点:

  • イタリアのワクチンは欧州基準で、日本の予防接種歴との互換性確認に時間を要する
  • 言語の問題:英語が通じない場合があり、翻訳が必要
  • 予防接種記録(英文)の携行が強く推奨される

緊急時の対応

渡航中に接触感染の疑い(麻しん、風しん、百日咳など)がある場合:

  1. 滞在地の医療機関に連絡
  2. 日本大使館・領事部に連絡(必要に応じて)
  3. 帰国後は検疫所に報告

よくある質問と回答

Q1: 出発まで1ヶ月しかない場合は?

A: 緊急スケジュール対応が可能です。医師に「緊急渡航」を伝え、以下を優先します:

  • インフルエンザ(冬季の場合)
  • DT・Tdap

免責事項:本記事は渡航者向けの医薬品情報提供を目的とした薬剤師監修コンテンツです。 診断・治療に関する判断は医師の診察を受けた上で行ってください。 最新の規制・感染症情報は外務省・厚生労働省・現地大使館の公式情報を必ずご確認ください。

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