韓国旅行の薬の持ち込みルール|薬剤師が詳しく解説

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韓国への薬の持ち込みルール完全ガイド|薬剤師が解説する最新情報

海外渡航時の悩みの一つが「普段服用している薬を持ち込めるか」という問題です。韓国への旅行や出張で、風邪薬から処方薬まで医薬品を持ち込む際のルールは複雑で、誤解も多くあります。本記事では薬剤師の視点から、韓国の薬事法に基づいた持ち込みルール、禁止成分、必要書類をわかりやすく解説します。


韓国への薬の持ち込み基本ルール

持ち込み可能な数量と日数

韓国への医薬品持ち込みで最初に押さえるべき基準は「個人使用に限定される分量」です。

薬のカテゴリ 持ち込み可否 数量の目安 備考
処方薬(医者から処方) ◎ 可能 30日分程度 英文処方箋があると望ましい
市販薬(風邪薬など) ◎ 可能 1ヶ月分 家庭用常備薬は1種類1個程度
医療用医薬品 △ 要確認 制限あり 事前に韓国大使館に相談
医薬部外品(サプリなど) ◎ 可能 2ヶ月分程度 配合成分に注意が必要

重要ポイント: 韓国税関は「個人が通常使用する範囲」を厳格に判定します。複数種類を大量に持ち込むことは販売目的と判断される恐れがあり、没収や入国拒否の可能性があります。

薬剤師メモ

韓国の食品医薬品安全処(MFDS)によると、個人使用量の基準は滞在日数が目安です。例えば1週間の滞在なら7日分が合理的範囲。10日以上持ち込む場合は医師の診断証明書があるとスムーズです。


韓国で禁止・規制されている医薬品成分

処方箋医薬品と禁止成分

韓国では日本で一般的に使われている成分でも禁止・規制されているものが複数あります。以下は持ち込みが問題になりやすい成分です。

成分名 含まれる一般的な薬 韓国での状況 対応
フェネチルペニシリン系 アモキシシリン含有製剤 許可医薬品のみOK 処方箋の英文コピーが必要
スマトリプタン イミグラン(偏頭痛薬) 医療用医薬品(処方限定) 医師診断証明書必須
トラマドール トラムセット(鎮痛薬) 向精神薬リスト対象 持ち込み禁止
フェノバルビタール 睡眠薬・抗けいれん薬 規制物質 持ち込み禁止
リスペリドン 抗精神病薬 処方限定 医師診断証明書+量制限
フルニトラゼパム ロヒプノール(睡眠薬) 違法薬物扱い 絶対に持ち込み禁止
エフェドリン 総合感冒薬・気管支喘息薬の一部 制限物質 医師証明書があれば可(15日分程度)

要注意:一般用医薬品の中の危険な成分

以下の成分は市販薬に含まれていることがあり、気づかずに持ち込むと問題になるケースが多いです:

  • 麻黄(マオウ):含有する風邪薬・ダイエットサプリ → 規制対象
  • ジフェンヒドラミン高用量製剤:某ブランドの睡眠補助食品 → 持ち込み制限
  • ジゾピラミド:不整脈治療薬 → 医療用医薬品扱い

薬剤師メモ

特に注意したいのが「漢方成分」です。麻黄・防風通聖散などの漢方薬は、見た目は安全そうでも韓国ではダイエット薬として違法扱いされることがあります。中医学系のサプリメントも一度確認しましょう。


韓国に持ち込む際に必要な書類

英文処方箋・医師診断証明書の準備

処方薬を持ち込む場合、以下の書類があると税関検査がスムーズです。渡航の1〜2週間前に医師に相談してください。

書類種類 必要性 入手方法 有効期間
英文処方箋 △ 推奨 かかりつけ医に依頼(1,000〜2,000円程度) 発行から3ヶ月
英文診断証明書 ○ 強く推奨 医師に依頼(2,000〜3,000円) 発行から6ヶ月
お薬手帳(英訳版) △ 補助的 薬局で翻訳依頼可 常に最新版
医薬品の成分表示(英文) ◎ ほぼ必須 薬局から入手 常に有効

英文処方箋の具体例

医師から以下の情報を含む英文書類をもらいます:

Prescription
Patient Name: ___________
Diagnosis: Hypertension
Medication: Amlodipine 5mg
Dosage: Once daily
Duration: 30 days
Indication for travel to Korea: ___________
Issued by: [Dr. Name], License No. [###]
Date: ___/___/20__

持ち込み前のチェックリスト

渡航1週間前に以下を確認してください:

  • 持ち込む全医薬品を紙にリストアップ
  • 各薬の成分名を英文で把握(薬局で確認)
  • 禁止成分リストとの照合(後述の外務省リンク参照)
  • 30日分以内に数量を調整
  • 処方薬は英文処方箋を取得
  • 医薬品を必ず原容器・原箱に入れたまま持参
  • パッケージ(外箱)は捨てない

薬剤師メモ

最大の落とし穴は「原容器から出して持ち込む」ことです。ジップロック袋に入れ替えたり、ピルケースに移す行為は密輸と疑われます。必ず薬局から受け取った状態のまま税関申告に臨んでください。


税関での申告手続きと実際の流れ

仁川空港での医薬品申告方法

韓国への入国時、以下の流れで医薬品を申告します:

  1. 入国審査カード記入時

    • 持ち込み医薬品がある場合、「医薬品所持」欄にチェック
    • 英文で簡潔に記入
  2. 税関検査

    • 医薬品専門の検査官に医薬品を提示
    • 英文処方箋があれば一緒に提出
    • 成分確認(場合によっては開封検査)
  3. 判定

    • 許可:スタンプを押され、そのまま持ち込み可
    • 保留:税関に預けて帰国時に返却
    • 没収:違法成分判定された場合は没収(返却なし)

よくある質問と回答

Q A
申告しなかったらバレますか? バレます。X線検査で医薬品が検出されます。申告しないと罰金・没収に。
医薬品を預ける手数料は? 検査のみの場合は無料。保管の場合は1日数千ウォン程度。
帰国時は? 日本への帰国時も申告が必要。日本も医薬品持ち込みルールがあります。
オンライン事前申告できる? 現在、韓国側はオンライン申告に未対応です。到着時に現場申告。

韓国で医薬品が必要な場合の対応

現地での医薬品入手方法

万が一、持ち込んだ薬が没収されたり、不足した場合の対応:

施設 入手可能な医薬品 言語対応 価格目安
薬局(약국) 一般用医薬品・処方薬(処方箋で) 英語表記あり 日本の1.5〜2倍
病院(병원) 診察+処方薬 大病院は英語可 診察料+薬代
ドラッグストア 栄養剤・ビタミン剤など 限定的 比較的安い

薬剤師メモ

韓国の薬局は「의약분업」(医薬分業制度)により、処方箋なしに一部医薬品を販売します。ただし効能・用法は薬剤師に相談してください。英語が通じやすい大型薬局は明洞・江南地区に集中しています。

観光客向けサポート情報

  • GLOBAL HOTLINE: 1330番(韓国観光公社)→ 医療施設案内
  • 大使館医官: 在韓日本大使館には医療担当官がいます
  • 医療通訳サービス: 大病院は通訳派遣可

最新情報の確認先

ルールは変更される可能性があるため、渡航前に以下で最新情報を確認してください:

機関 確認内容 URL/連絡先
韓国MFDS 禁止成分・医薬品規定 www.mfds.go.kr (英語版あり)
外務省ホームページ 韓国の法令・注意事項 www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_001394.html
在韓日本大使館 医療・生活情報 embjapan.go.kr
厚生労働省 日本の持ち出しルール www.mhlw.go.jp

まとめ

韓国への医薬品持ち込みで押さえるべき要点:

持ち込み可能数量

  • 個人使用分として「30日分程度」が上限
  • 複数種類・大量持ち込みは販売目的と判定されるリスク

禁止・規制成分に注意

  • トラマドール、フェノバルビタール、フルニトラゼパムは絶対NG
  • 麻黄・エフェドリン含有製品も要確認
  • 市販薬・サプリメントにも危険成分が潜んでいる

必須書類

  • 処方薬は英文処方箋または医師診断証明書を用意
  • 医薬品成分表(英文)を薬局で入手
  • 絶対に原容器から出さない

税関での申告

  • 隠さず必ず申告
  • 医薬品専門検査官に医薬品を提示
  • 英文書類があれば審査がスムーズ

渡航前の最終チェック

  • 外務省・韓国MFDS公式サイトで最新情報を確認
  • 不安な成分は大使館に事前相談
  • 可能であれば医師に相談書を作成してもらう

韓国は医薬品に関して税関検査が厳格な国です。 一方で、医療水準は高く、現地での医薬品入手も可能です。事前準備を万全にして、安心して渡航をお楽しみください。

免責事項:本記事は渡航者向けの医薬品情報提供を目的とした薬剤師監修コンテンツです。 診断・治療に関する判断は医師の診察を受けた上で行ってください。 最新の規制・感染症情報は外務省・厚生労働省・現地大使館の公式情報を必ずご確認ください。

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