医薬品成分の国別規制マトリクス
プソイドエフェドリン・コデイン・メチルフェニデート等、国際的に規制が分かれる主要成分について、 53カ国の規制ステータス(OTC / 処方箋 / 禁止 / 量制限)を薬剤師が解説します。 渡航前に持参薬の合法性を確認するためのリファレンスとしてご利用ください。
風邪・咳・鼻炎
プソイドエフェドリン
INN: pseudoephedrine
覚醒剤メタンフェタミン原料となるため各国で管理レベルが異なる。日本では含有量制限があり、メキシコは輸入禁止、米国はID提示・量制限のbehind-the-counter。
要注意国: 日本 / メキシコ / 韓国 / 米国(behind-the-counter)
デキストロメトルファン
INN: dextromethorphan
咳止めの代表的非麻薬成分。UAEでは規制対象、米国の一部州では18歳未満購入制限。多くの国でOTC。
要注意国: UAE / スウェーデン / 米国一部州(年齢制限)
エフェドリン
INN: ephedrine
日本の一部総合感冒薬・漢方麻黄湯に含有。米国・豪州・タイは厳しく管理。日本のパブロンゴールドは複数国で持ち込み制限あり。
要注意国: 米国(量制限) / 豪州(処方) / タイ(量制限)
オピオイド
中枢刺激
解熱鎮痛
ロキソプロフェン
INN: loxoprofen
日本・韓国・中国・タイ等で承認されているが、米国・EU・豪州では未承認。海外で同等品はibuprofen・naproxen。持ち込みは個人使用量なら多くの国で可。
要注意国: 米国 / カナダ / 豪州 / EU諸国
イブプロフェン
INN: ibuprofen
世界中で最も普及しているOTC NSAID。多くの国でOTCだが、ドイツの高用量(800mg)は処方薬、フランスは2020年以降表示規制。
要注意国: ドイツ(高用量は処方) / フランス(一部規制)
アセトアミノフェン(パラセタモール)
INN: acetaminophen / paracetamol
世界中で最も普及している解熱鎮痛薬。多くの国でOTCだが、英国・アイルランドは自殺予防のため1回購入数を制限。
要注意国: 英国(量制限) / アイルランド(量制限)
胃腸
次サリチル酸ビスマス
INN: bismuth subsalicylate
米国では旅行者下痢の予防・対症で広く使われるが、日本では未承認に近い。EU諸国でも入手しにくい。
要注意国: 日本 / 韓国 / ポルトガル / スペイン
ロペラミド
INN: loperamide
止瀉薬。多くの国でOTCだが、米国・カナダは乱用防止のため2018年以降パッケージ量を制限。
要注意国: 米国(量制限) / カナダ(量制限)
ファモチジン
INN: famotidine
H2ブロッカー。多くの国でOTC。胸焼け・胃酸過多に。米国はZantacブランドが2020年にラニチジン→ファモチジンに置き換わった経緯あり。
ラニチジン
INN: ranitidine
2019年にNDMA混入が発覚し、米国FDA・EMA・厚労省が市場撤去。現在は購入不可。Zantacブランドはファモチジンに置き換わっている。
要注意国: 全世界
メトクロプラミド
INN: metoclopramide
制吐薬。多くの国で処方薬。EUは2014年以降使用期間・適応制限を強化。
要注意国: EU(処方制限) / 米国(処方)
睡眠
アレルギー
精神科系
その他
サルブタモール(喘息吸入)
INN: salbutamol / albuterol
喘息発作の標準治療。多くの国で処方薬。携帯時は処方箋・英文診断書を必携。
要注意国: UAE(処方) / 英国(処方) / 米国(処方)
アモキシシリン(経口抗菌薬)
INN: amoxicillin
世界の多くで処方薬だが、ポルトガル・スペイン・東南アジア等では薬剤師判断のOTC販売の慣行が残る国も。耐性菌対策で規制強化中。
要注意国: 日本(処方) / 米国(処方) / 英国(処方) / インド(OTC化進行中) / ポルトガル(OTC一部)
CBD(カンナビジオール)
INN: cannabidiol
CBDは合法でもTHC痕跡で禁止国の税関で止まる事例多数。シンガポール・UAE・日本は厳格。EU・米国・カナダは比較的寛容。
要注意国: シンガポール(禁止) / UAE(禁止) / 日本(THC含有禁止) / 米国(州別差)