ポルトガルに薬を持ち込む手順|INFARMED規制とシェンゲン医療証明書を薬剤師が解説

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ポルトガルへの薬の持ち込み基本ルール

ポルトガルはEU加盟国であり、医薬品の管理は欧州医薬品庁(EMA)の基準に準拠しています。個人使用目的であれば、一定量の医薬品持ち込みは許可されていますが、種類と数量に厳格なルールがあります。

EU・ポルトガルの医薬品規制体系

ポルトガル国内の医薬品規制は、国家医薬品・食品当局である INFARMED(Autoridade Nacional do Medicamento e Produtos de Saúde, I.P.) が担っています。INFARMEDはEMAの各国実施機関として機能し、EU域内で統一された承認基準(Centralised Procedure)に加え、ポルトガル独自の国内承認も管理しています。

日本からの入国者が医薬品を持ち込む場合、ポルトガル税関(Autoridade Tributária e Aduaneira)とINFARMEDの二重の規制が適用されます。また、ポルトガルはシェンゲン協定加盟国であるため、申告なし(グリーンチャンネル)で入国できる一般旅客でも、医薬品については「個人使用目的」の範囲内に限定されます。

シェンゲン圏と医薬品持ち込みの関係については、一般的にシェンゲン加盟国では統一された規制が適用されますが、精神作用物質・麻薬・向精神薬については各国法が優先されます。ポルトガルは1990年代より薬物政策を緩和した国として知られますが、それは国内での所持罰則に関する政策であり、外国人が医薬品を旅行者として持ち込む際には国際条約上の規制が引き続き適用される点を誤解しないことが重要です。

持ち込み可能な医薬品の基準

個人の海外渡航で持ち込める医薬品は、以下の条件を満たす必要があります:

  • 滞在期間分の医薬品量(通常30日分を目安とする)
  • 処方箋に記載された本人名義の医薬品のみ
  • 医学的に正当な理由がある
  • ポルトガルで禁止されていない成分を含まない

麻薬・向精神薬については、EU規則2015/57号に基づき、シェンゲン加盟国間を移動する際に「患者証明書(Patient Carrying Certificate)」の携帯が推奨されています。この証明書はシェンゲン協定加盟国の医療当局が発行するもので、日本人渡航者が処方を受けている場合は、厚生労働省麻薬取締部または都道府県の担当窓口に照会のうえ、英文証明書を取得する手順が現実的です。

薬剤師メモ ポルトガルはEU圏内のため、医薬品の規制が国によって異なります。日本で販売されている医薬品でも、EUで認可されていない成分を含む場合、持ち込みが認められません。特に総合風邪薬や胃腸薬は複数成分配合が多く、注意が必要です。EMAの承認を受けた医薬品かどうかは、EMAの公式データベース(European public assessment reports: EPARs)で成分名を検索することで確認できます。


処方薬持ち込み時の必要書類

日本で準備すべき書類

ポルトガルに処方薬を持ち込む場合、以下の書類を日本で取得してください:

書類 説明 取得先
英文処方箋(原本) 医師による署名・押印必須 処方した医療機関
英文診断書(推奨) 医学的必要性を証明 処方した医師
医薬品成分表(日本語→英訳) 含有成分リスト 薬局
シェンゲン患者証明書 麻薬・向精神薬所持に必要 都道府県麻薬取締部
パスポートのコピー 本人確認用 不要(携帯のみ)

「シェンゲン患者証明書(Schengen Certificate for Patients Carrying Medicinal Products Containing Narcotic Drugs and/or Psychotropic Substances)」は、向精神薬・麻薬成分を含む処方薬を携帯する場合に特に重要です。この証明書には、患者氏名・国籍・診断病名・薬品名・1回投与量・1日投与量・渡航期間・処方医の署名が記載されます。英文での発行を医師に依頼する際は、専用フォームをシェンゲン圏各国の大使館サイトからダウンロードして持参すると手続きがスムーズになります。

薬剤師メモ 英文処方箋には「This is to certify that [患者名] requires [医薬品名(INN)] [用量] for medical treatment during travel to Portugal from [出発日] to [帰国日]」という記載が目安です。処方医に「海外渡航用・英文」と明示して依頼してください。処方医が不慣れな場合、薬局薬剤師が書式のテンプレートを提供できる場合もあります。

書類作成の注意点

  • 翻訳は公式翻訳(公証翻訳)不要 ですが、薬局薬剤師による英訳が望ましい
  • 医薬品名は国際一般名(INN)で記載 例:アスピリン(商品名)→ Acetylsalicylic acid(INN)
  • 用法用量を明記 例:1回1錠、1日3回、食後(1 tablet, 3 times daily, after meals)
  • 処方医の連絡先(電話・メール)を記載 ポルトガル側から確認される場合あり
  • 薬剤師の署名も添付できると信頼性が増す(調剤薬局で依頼可能)

医薬品の国際一般名(INN: International Nonproprietary Name)はWHOが管理しており、日本語商品名との対応は「日本医薬品標準商品分類番号」または添付文書のINNで確認できます。英文書類にはINN表記を優先することで、ポルトガルの税関担当者・医療従事者との意思疎通が円滑になります。


日本の医薬品でポルトガル持ち込み不可の成分

禁止・制限成分リスト(薬学的解説付き)

ポルトガル(EU)で持ち込み禁止または厳しく制限される成分を以下にまとめました:

成分名(INN) 日本OTCへの含有例 ポルトガルでの扱い 規制の根拠
エフェドリン(Ephedrine) 一部の総合感冒薬・気管支拡張薬OTC 禁止(向精神薬前駆物質) EU規則273/2004
フェニルプロパノールアミン(PPA) 鼻炎薬・総合感冒薬(一部) 禁止(心血管リスク) 2000年EMA勧告
テオフィリン(Theophylline) 気管支拡張薬(医療用) 処方薬のみ許可(要処方箋) EMA承認条件
ジヒドロコデイン・コデイン含有製剤 咳止めOTC 医学的理由で許可(要処方箋) EU向精神薬規制
トリアゾラム(Triazolam) 睡眠薬(医療用) 禁止(EU非承認) EMA未承認
バルビツール酸系(Barbiturates) 睡眠薬・抗けいれん薬 厳格に制限(処方箋必須) 国連麻薬条約
プソイドエフェドリン(Pseudoephedrineシュードエフェドリン 鼻炎薬・総合感冒薬 少量かつ処方箋推奨 EU規則273/2004
ロペラミド大量(Loperamideロペラミド 下痢止めOTC 制限(用量に注意) EMA安全性勧告2016

各成分の薬学的解説

エフェドリン・プソイドエフェドリン これらはアドレナリン受容体(α1・β2作動性)に作用し、気管支拡張・鼻粘膜血管収縮作用を持つアルカロイドです。中枢神経刺激作用も有するため、覚醒剤(メタンフェタミン)の前駆物質として悪用リスクがあり、EU規則273/2004号(麻薬前駆物質規制)の対象となっています。日本では総合感冒薬の一部にプソイドエフェドリン塩酸塩が配合されているものがありますが、含有製品のEU域外への持ち込みは数量・目的によって判断されます。

コデイン・ジヒドロコデイン μオピオイド受容体に作用する鎮咳・鎮痛薬で、体内でモルヒネに代謝される(10%程度)薬物動態を持ちます。日本では一部の咳止めOTCに配合されていますが、EU加盟国では麻薬性鎮痛薬として厳格に管理されており、処方箋なしの所持は原則認められません。CYP2D6の遺伝的多型による代謝速度の個人差も大きく、超高速代謝者では急性中毒リスクがあるため、EMAは2013年に子ども・授乳婦への使用制限勧告を発出しています。

トリアゾラム ベンゾジアゼピン系睡眠薬の一つで、GABA-A受容体のベンゾジアゼピン結合部位に作用し、中枢抑制を示します。日本では「ハルシオン(triazolam)」として処方されますが、EU(含むポルトガル)では承認されていない成分です。ポルトガルへの持ち込みは法的に認められないため、渡航前に主治医と代替薬(例:ゾルピデム、ロルメタゼパムなど、EU承認のベンゾジアゼピン系)への変更を相談することを推奨します。

テオフィリン キサンチン誘導体であり、ホスホジエステラーゼ阻害を介して気管支拡張・抗炎症作用を発揮します。治療域が狭い(血中濃度10〜20μg/mL)ため、カフェイン・シプロフロキサシン・エリスロマイシン等との薬物相互作用に注意が必要です。ポルトガルでも喘息・COPDの処方薬として使用されており、処方箋があれば持ち込みは可能です。

薬剤師メモ 日本の総合感冒薬はエフェドリン・PPA・コデインを含むものが存在し、ポルトガルへの持ち込みは原則避けるべきです。風邪症状は現地でアセトアミノフェン(パラセタモール: Paracetamolパラセタモール)単独製剤を薬局(Farmácia)で購入するのが安全かつ確実です。

医薬品成分確認の方法

持ち込み予定の医薬品が安全かどうか確認するには:

  1. 調剤明細書・薬剤情報提供書を確認 → 有効成分・含有量を把握
  2. 添付文書をPMDAのデータベースで検索 → 全成分リストを確認
  3. 薬局薬剤師に「ポルトガル持ち込み可否」を相談(一部薬局は国別確認表あり)
  4. 渡航1ヶ月前に確認→ 必要に応じ医師に処方薬の変更を依頼
  5. INFARMEDの公式サイトで検索(英語対応あり)

市販薬持ち込みで安全な医薬品

ポルトガルでも推奨される市販薬

以下の医薬品は一般的にポルトガルでも持ち込みが認められています。なお、商品名は代表的な実在品を記載していますが、渡航前に最新の成分表を必ず確認してください。

医薬品カテゴリ 成分名(INN) 日本OTC製品例 ポルトガル現地品
解熱鎮痛薬 アセトアミノフェン タイレノールA 🛒 Paracetamolパラセタモール(各社)
解熱鎮痛薬 イブプロフェン バファリンプレミアム(注1) Ibuprofeno(各社)
抗ヒスタミン薬(第2世代) セチリジン塩酸塩 ジルテック(Rx→OTC) Cetirizina(各社)
抗ヒスタミン薬(第2世代) ロラタジン クラリチンEX 🛒 Loratadina(各社)
プロトンポンプ阻害薬(PPI) オメプラゾール オメプラゾール(Rx品) Omeprazol(各社)
整腸薬 ラクトバチルス属菌 ビオフェルミン 一部入手困難
ビタミン類 アスコルビン酸・チアミン等 ビタミンC・B群配合品各種 Vitaminas(各社)
点眼液(人工涙液) ヒアルロン酸Na・精製水等 人工涙液タイプ点眼液各種 Lágrimas artificiais

(注1)バファリンプレミアムはイブプロフェン・アセトアミノフェン・無水カフェイン配合。カフェインの含有量は少量ですが、成分として含まれる点に留意してください。

安全な市販薬の薬学的解説

アセトアミノフェン(Paracetamolパラセタモール COX阻害を介する解熱・鎮痛作用を持ちますが、抗炎症作用はほぼありません。肝臓でグルクロン酸抱合・硫酸抱合を受けて代謝されるため、通常用量では安全性が高く、EU・WHO問わず世界的に推奨される第一選択鎮痛薬です。ただし過量摂取では肝毒性代謝物(N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン: NAPQI)が生成されるため、1日最大用量(成人:通常4000mg/日、高齢者・肝機能低下者は2000mg/日以下が目安)を厳守することが重要です。

イブプロフェン 非選択的COX阻害薬(NSAIDs)であり、プロスタグランジン産生抑制を介して解熱・鎮痛・抗炎症作用を発揮します。胃粘膜保護作用を持つPGE2も抑制されるため、空腹時服用は避けるべきです。アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)の既往がある方は使用禁忌となります。CYP2C9で代謝されるため、同酵素で代謝される薬との相互作用(例:ワルファリンとの併用で出血リスク上昇)にも注意が必要です。

セチリジン・ロラタジン(第2世代抗ヒスタミン薬) H1受容体に選択的に拮抗し、ヒスタミンによるかゆみ・くしゃみ・鼻水を抑制します。第1世代抗ヒスタミン薬と異なり、血液脳関門を通過しにくいため眠気・口渇の副作用が少なく、渡航中の使用に適しています。ロラタジンはCYP3A4・CYP2D6で代謝されるため、グレープフルーツジュースや一部の抗真菌薬との相互作用に注意が必要です。

薬剤師メモ EU圏内では医薬品の有効成分(INN)は同じでも製品名が異なります。ポルトガルの薬局(Farmácia)では「I have a fever and a headache.(アイ ハヴ ア フィーヴァー アンド ア ヘッドエイク)」と伝えれば薬剤師が適切な製品を紹介してくれます。大都市(リスボン・ポルト等)では英語対応の薬剤師が多数います。


ポルトガル持ち込み時の実践的なチェックリスト

出発前30日以内にやること

処方医に相談→「ポルトガルに●日間滞在」と期間を明示
英文処方箋取得→ 医師署名・病院印あり
向精神薬・麻薬含有薬はシェンゲン患者証明書を取得
成分表を英訳→ 薬局で依頼(無料〜数百円程度が目安)
医薬品リストを作成→ 医薬品名(INN)・用量・用法を英語記載
処方医の連絡先をメモ→ 渡航先に通知(念のため)
元のパッケージ(箱)の保持を確認→ 持ち込み時の医薬品名確認用
EUで禁止成分を含む医薬品は代替薬に変更→ 医師と相談

出発3日前〜当日の確認事項

液体医薬品は100ml以下の容器に分割(機内持ち込みの場合)
処方箋・診断書はファイルに入れて機内持ち込みバッグへ
医薬品は1箇所にまとめてパッキング(元のパッケージ・ラベル保持)
英文医薬品リストのプリントアウト(スマートフォンのスクリーンショットでも可)
海外旅行保険の加入確認・保険証券のコピー

持ち込み時の梱包

  • 元のパッケージ(箱)に入れたまま持ち込む(原則)
  • 医薬品を1箇所に集めてパッキング
  • 処方箋・診断書は機内持ち込みバッグに(預け荷物と分離)
  • 英文書類をファイルして見やすく

薬剤師メモ ポルトガルの主要空港(リスボン・ウンベルト・デルガード国際空港、ポルト・フランシスコ・デ・サー・カルネイロ空港など)の税関では、処方箋・診断書等の書類を提示することで医薬品の持ち込みはほぼ問題なく通過できます。ただし書類が不十分な場合、医薬品が一時保留となるケースがあるため、事前準備が最重要です。


ポルトガル到着後の医療機関の利用

緊急医療と薬局利用

予想外に医薬品が必要になった場合:

状況 対応先 備考
急病・けが 病院(Hospital)救急部門 旅行保険証券を持参
軽度の症状 薬局(Farmácia) 薬剤師に英語で相談可
医師診察必要 プライベートクリニック 観光客向け・英語対応多
夜間・休日の急需 当番薬局(Farmácia de Serviço) 緑十字マーク点灯中
緊急連絡 在ポルトガル日本国大使館 重大事態・緊急事案のみ

ポルトガルの薬局(Farmácia)は緑十字マークが目印で、当番薬局制度(Farmácia de Serviço)により24時間対応が可能な薬局が市内に設置されています。EU加盟国の薬局では薬剤師が常駐することが義務付けられており、大都市では英語対応の薬剤師を配置している店舗も多いです。

ポルトガルの薬局での購入方法

  1. 薬局で症状を英語で伝える
    例: I have a headache and a mild fever.(アイ ハヴ ア ヘッドエイク アンド ア マイルド フィーヴァー)
  2. Do you have paracetamol?(ドゥ ユー ハヴ パラセタモール?)と成分名で確認
  3. 薬剤師が適切な医薬品を提案(処方箋不要のOTCが多い)
  4. 用法用量を確認して購入
    How should I take this?(ハウ シュッド アイ テイク ディス?)
  5. 領収書(レシート)を保管→ 帰国時の税関申告・保険請求用

ポルトガルのOTC医薬品は有効成分(INN)が記載されているため、日本から持参した成分表と照合しやすいです。アセトアミノフェン(Paracetamolパラセタモール)、イブプロフェン(Ibuprofeno)、セチリジン(Cetirizina)などEUで広く流通している成分であれば現地調達も容易です。


帰国時のポルトガル医薬品持ち込み

ポルトガルで購入した医薬品の帰国

ポルトガルで購入した医薬品を日本に持ち帰る場合、日本の薬事規制(医薬品医療機器等法)が適用されます:

医薬品の種類 日本への持ち込みルール 注意点
日本未承認成分含有品 原則持ち込み不可 PMDAに事前照会
日本承認済成分の製品 個人使用量(目安1ヶ月分)なら可 用途・用量の確認
向精神薬・麻薬成分含有 要事前申請(輸入確認証明書) 厚生労働省に照会
植物由来成分・サプリメント 成分によって要確認 検疫・植物検疫対象も
  • 処方医の指示がない医薬品は日本の薬事法上「医薬品」と認定される可能性があります
  • 個人使用量(通常1ヶ月分を目安)なら持ち込み可とされるケースが多いですが、成分次第で制限あり
  • 医薬品と判明した場合は医薬品医療機器等法に基づく審査が必要

薬剤師メモ ポルトガルで購入した医薬品の帰国持ち込みについては、事前に厚生労働省・医薬品医療機器総合機構(PMDA)の窓口に照会されることをお勧めします。成分によっては日本未承認のため持ち込み不可となる場合があります。特にハーブ系医薬品・EUで流通するビタミン高濃度製剤等は、日本では「医薬品」として取り扱われないケースもあるため注意が必要です。


よくある質問と薬剤師回答

Q1:日本の総合感冒薬は絶対に持ち込めませんか?

A:エフェドリン・PPA・コデインを含む製品はポルトガルで禁止または厳格に制限されている成分のため、税関で問題となる可能性があります。これらの成分が含まれている製品の持ち込みは避けることを推奨します。代わりに、アセトアミノフェン(paracetamolパラセタモール)単独製剤を携帯するか、現地薬局で購入することをお勧めします。総合感冒薬を使用したい場合は、渡航前に処方医・薬剤師に成分を確認し、EU承認成分のみの製品に切り替える相談をしてください。

Q2:処方箋がない市販薬はどうすればよいですか?

A:市販薬(OTC医薬品)の場合、EU承認成分のみを含む製品であれば、個人使用量の範囲内で医師の処方箋なしに持ち込める場合がほとんどです。ただし、英文の医薬品リスト(成分名・用法用量)を作成して携帯しておくと、税関での確認がスムーズになります。禁止成分を含まないことが確認できない場合は、現地調達を優先してください。

Q3:液体医薬品(シロップ・点眼液)の持ち込みは?

A:液体医薬品には以下のルールが適用されます:

  • 機内持ち込み:容器1個が100ml以下、かつジップ付きビニール袋(1L容量以内)に収めること(EUの液体物規制に準拠)
  • 医薬品は例外扱い:処方薬であれば、英文処方箋を提示することで100ml超の液体医薬品も機内持ち込みが認められるケースがあります(航空会社・空港によって対応異なる)
  • 預け荷物:量の制限は基本的にありませんが、処方箋の携帯を推奨します
  • 点眼液・点鼻液:処方箋があればセキュリティチェックで問題が生じにくいです

Q4:インスリン・注射製剤の持ち込みは?

A:インスリン等の注射製剤は医学的必要性が明確であるため、適切な書類(英文処方箋・英文診断書)と冷却保管用品(インスリン専用ポーチ等)を準備すれば持ち込みは認められます。注射針・シリンジも医療目的を証明する書類があれば携帯可能です。インスリン製剤は温度管理(2〜8℃保存品は機内持ち込みが望ましい)も重要なポイントです。航空会社に事前に申告することをお勧めします。

Q5:最新情報はどこで確認できますか?

A:最新情報は以下の公式情報源で確認してください:


まとめ

  • 処方薬持ち込みの必須書類:英文処方箋(医師署名・病院印)・英文診断書・成分表英訳、麻薬・向精神薬はシェンゲン患者証明書
  • 禁止・制限成分:エフェドリン、PPA、トリアゾラム、コデイン等→日本の総合感冒薬に含有するものがあり注意
  • 安全な市販薬:アセトアミノフェン、イブプロフェン、セチリジン、ロラタジン等EUでも承認済みの成分
  • 持ち込み量の目安30日分まで、元パッケージ保持、処方箋原本携帯
  • 薬学的注意点:トリアゾラムはEU非承認、コデインは向精神薬規制対象、エフェドリンは前駆物質規制対象
  • 現地調達も選択肢:ポルトガルの薬局(Farmácia)は薬剤師常駐で英語対応可・当番薬局制度あり
  • 帰国時は厳格:ポルトガル購入医薬品の日本持ち込みは、成分によって未承認品の制限あり→事前にPMDA照会
  • 渡航1ヶ月前に準備:医師相談→書類取得→成分確認の順序で進める

参考文献・情報源

  1. 厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/
  2. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「個人輸入に関する相談窓口」 https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-counter/0011.html
  3. 欧州医薬品庁(EMA)「European public assessment reports(EPAR)」 https://www.ema.europa.eu/en/medicines
  4. INFARMED(ポルトガル国家医薬品・食品当局)公式サイト https://www.infarmed.pt/web/infarmed-en
  5. 外務省「海外安全情報 ポルトガル」 https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_153.html
  6. WHO「International Nonproprietary Names(INN)」 https://www.who.int/teams/health-product-and-policy-standards/inn
  7. 欧州委員会「Regulation (EC) No 273/2004 on drug precursors」 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:32004R0273

監修:薬剤師(博士(薬学))

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