WHO初の「投資ラウンド」に14カ国が参加
WHO(世界保健機関)は2024年8月27日、アフリカ地域委員会の場で、アフリカ14カ国と複数のパートナーがWHOの「投資ラウンド(Investment Round)」に総額4500万米ドル超の拠出を表明したと発表しました。投資ラウンドは2024年5月の世界保健総会で立ち上げられた取り組みで、今後4年間の中核業務に対して、柔軟で予測可能な資金を、より多様な拠出者から確保することを目的としています。
表明したのはボツワナ、カーボベルデ、チャド、コンゴ、エチオピア、ガンビア、モーリシャス、ナミビア、ニジェール、ルワンダ、セネガル、セーシェル、南アフリカ、タンザニアの14カ国。加えてヘルムズリー慈善信託、世界糖尿病財団、ロシュ、クウェート・アラブ経済開発基金、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、アフリカ開発銀行、WHO財団などが支援や年内の拠出表明を約束しました。
テドロス事務局長は「完全かつ持続的な資金があれば、WHOは各国をより良く支援できる」と述べ、アフリカ地域事務局長のモエティ博士は「予測可能で持続的に資金が確保されたWHOは、地域と世界が直面する複数の健康脅威に対応するために不可欠」とコメントしています。
渡航者にとっての意味
この発表は、特定の感染症の流行や渡航制限を伝えるものではなく、今すぐ行動を要する健康警報ではありません。ただし、WHOの資金基盤は、各国の予防接種プログラム、サーベイランス(監視体制)、アウトブレイク対応、医薬品の品質確保といった業務を支える土台です。渡航先の医療・感染症対応力に間接的に関わるニュースとして把握しておくとよいでしょう。
アフリカ地域への渡航を予定している方は、国ごとに必要なワクチンや予防内服の考え方が大きく異なります。黄熱の証明書要求、マラリアのリスク地域、流行状況は年単位で変わるため、出発の4〜8週間前を目安に、渡航外来(トラベルクリニック)で最新情報を確認してください。
薬剤師メモ 持病のある方は、現地での入手が難しい薬もあるため、滞在日数+予備分の処方を主治医に相談しておくと安心です。英文の薬剤情報(一般名・用量)や診断書の携行は、現地受診や空港での確認時に役立ちます。なお、予防内服や予防接種の必要性・適否は個人の健康状態や渡航先で判断が変わるため、自己判断や個人輸入に頼らず、必ず医師・薬剤師にご相談ください。海外旅行保険の医療搬送補償の範囲も、出発前に確認をおすすめします。
出典: WHO「Fourteen African countries, key partners unite to provide critical resources for health in WHO's first-ever Investment Round」(2024年8月27日)