何が起きているか
CDCは2026年10月19日、ケニア保健省がナイロビでブンディブジョウイルス(Bundibugyo virus)によるエボラウイルス病の輸入例1例および関連例を確認したと発表したことを受け、旅行健康情報レベル1(通常の予防策を実施) を公表しました。レベル1は渡航の中止や延期を求めるものではなく、基本的な感染対策の徹底を促す段階です。
渡航者が押さえるべきポイント
エボラウイルス病は、発症した人の血液・体液(吐物、便、尿、汗、唾液、精液など)や、それらで汚染された物(寝具、注射器など)との直接接触で感染するとされています。空気感染は主要な経路ではなく、観光目的の一般的な滞在における一般旅行者のリスクは通常低いと考えられます。CDCおよび各国公衆衛生機関が示す基本的な注意点は次のとおりです。
- 発症者・遺体・葬儀儀礼との接触を避ける
- コウモリや野生動物(霊長類など)との接触、ブッシュミートの摂取を避ける
- 医療機関や診療所での不必要な受診・接触を避ける
- 石けんと流水または手指消毒薬による手指衛生を徹底する
- 現地の渡航者保険・医療アクセス手段を事前に確認する
潜伏期間は一般に2〜21日とされ、発熱、強い疲労感、筋肉痛、頭痛、咽頭痛に続き、嘔吐・下痢・出血症状などが現れることがあります。
帰国後・滞在中に体調を崩したら
流行地域の滞在歴がある方が21日以内に発熱などを自覚した場合は、自己判断で市販薬のみで経過を見ず、受診前に電話で渡航歴を伝えてから 医療機関や保健所に相談してください。到着時の検疫でも渡航歴の申告が重要です。
薬剤師メモ 現在国内外で承認されているエボラワクチン(ERVEBO、Zabdeno/Mvabeaなど)および抗体医薬は、いずれもザイール型エボラウイルスを対象として開発・承認されたもので、今回のブンディブジョ型に対する有効性は確立していません。「エボラのワクチンを打てば安心」という情報には注意が必要です。また、解熱鎮痛薬の自己選択についても、出血傾向を伴う疾患の可能性がある状況では自己判断を避け、必ず医師の評価を受けてください。常用薬がある方は、渡航中に受診した場合に提示できるよう、英文の薬剤情報やお薬手帳の写しを携帯しておくと安全です。最新の状況はCDCおよび厚生労働省検疫所(FORTH)の発表をご確認ください。