Q. ハワイやパラオに持ち込む日焼け止めについて、紫外線吸収剤の成分制限があると聞きました。日本で買った日焼け止めは使えないのでしょうか?

ご質問

ハワイやパラオへ渡航予定ですが、日本で購入した日焼け止めをそのまま現地で使用できるのか不安です。インターネットで「特定の紫外線吸収剤が禁止」という情報を見かけたのですが、詳しくはわかりません。具体的にどの成分が問題で、代替品をどう選べばよいのか教えてください。

薬剤師からの回答

ハワイ(2021年1月1日施行)とパラオ(2020年1月1日施行)は、サンゴ礁保護を目的とした日焼け止め成分規制を導入しており、日本製品の中にはこれらの地域への持ち込みや使用が禁止されている製品が存在します。特に注意が必要なのは紫外線吸収剤の一部で、医薬部外品として日本で一般販売されている成分も対象に含まれています。事前に成分表示を確認し、規制対象品であれば現地購入またはホテル配備の製品に切り替えることをお勧めします。

規制対象成分と規制国

規制対象成分(紫外線吸収剤) ハワイ パラオ モルディブ(参考)
オキシベンゾン(BP-3) ✓ 禁止 ✓ 禁止 ✓ 禁止
オクチノキサート(OMC) ✓ 禁止 ✓ 禁止 ✓ 禁止
4-MBC ✓ 禁止 規制検討中
アボベンゾン(パルソール1789) 規制対象外 規制対象外
ジオキシベンゾン ✓ 禁止

日本で一般販売されている規制対象成分の例

日本の医薬部外品には以下の紫外線吸収剤が含まれていることが多いため、渡航前の成分確認が重要です:

  • オキシベンゾン(酸化ベンゾフェノン)

    • 多くの日本製UVクリーム・乳液に配合
    • 成分表示では「ベンゾフェノン-3」と記載されることも
  • オクチノキサート(2-エチルヘキシル 4-メトキシシンナメート)

    • SPF値の高い製品(SPF50+等)に頻出
    • 「t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン」と併用されることが多い

安全な代替成分(規制対象外)

成分分類 成分名 特徴
紫外線散乱剤 酸化亜鉛(ZnO) ハワイ・パラオで安全。白浮きしやすい
紫外線散乱剤 酸化チタン(TiO₂) ハワイ・パラオで安全。酸化亜鉛より白さが目立たない
紫外線吸収剤 アボベンゾン(パルソール1789) 広スペクトラム。ハワイ・パラオで許可
紫外線吸収剤 ジオキシベンゾン パラオでは許可だが、ハワイではNG

日本製品の成分表示の読み方

日本の日焼け止めは「医薬部外品」として全成分表示が義務付けられています。容器の裏面または箱に「有効成分」と記載された欄を確認し、以下のキーワードがないか目視チェックしてください:

  • 「ベンゾフェノン-3」または「オキシベンゾン」
  • 「2-エチルヘキシル 4-メトキシシンナメート」または「オクチノキサート」
  • 「4-MBC」
  • 「ジオキシベンゾン」

対象成分がない場合は、一般に安全と判断できます。ただし、不明な場合は購入時に薬局の薬剤師に「ハワイ/パラオで使用予定」と相談するのが確実です。

現地での購入オプション

ハワイやパラオの薬局(Walgreens、CVS、長沙ローカルチェーン等)では、規制対応済みの日焼け止めが販売されています。英語では以下の表現で探すことができます:

  • mineral sunscreen(ミネラル サンスクリーン)= 散乱剤主体
  • reef-safe sunscreen(リーフセーフ サンスクリーン)= サンゴに優しい
  • does this contain oxybenzone or octinoxate?(ディス コンテイン オキシベンゾン オア オクチノキサート?)= これらの成分は含まれていますか?

SPF表示の国際差(参考)

SPF値は国によって表示上限が異なり、これが成分配合の多さに影響します:

国・地域 SPF上限表示
日本(医薬部外品) SPF50+ 上限を超える場合は「50+」に統一
米国(FDA) 数値制限なし SPF100+まで表示可
EU 数値制限なし SPF50+以上は「50+」で統一推奨
オーストラリア 数値制限なし SPF30、50+等

SPF値が高い製品ほど紫外線吸収剤の配合量が多い傾向があり、規制対象成分を含む可能性も高まります。ハワイ・パラオ渡航時は、SPF30〜50程度の散乱剤主体製品の方が規制対象外の可能性が高いといえます。

まとめ

ハワイとパラオは環境保全を目的として特定の紫外線吸収剤を禁止しており、日本の医薬部外品にもこれらが含まれていることが一般的です。渡航前に成分表示を確認し、オキシベンゾンやオクチノキサートを含まない製品に切り替えるか、現地で「reef-safe」製品を購入することをお勧めします。紫外線散乱剤(酸化亜鉛・酸化チタン)主体の製品は規制対象外であり、比較的安全に使用できます。

本回答は一般的な情報提供であり、個別の医学的判断は主治医または薬剤師にご相談ください。

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