Q. 食物アレルギーがあり海外旅行に行きます。エピペンを持ち込みたいのですが、持ち込める国と英語でアレルギー情報を伝える方法を教えてください。

ご質問

食物アレルギーがあり、海外旅行にエピペン(自己注射用エピネフリン)を持参したいと考えています。持ち込めるかどうか、また、現地で万が一の際にアレルギー情報をどう伝えればよいか不安です。英文アレルギーカードの作成方法も含めて教えてください。

薬剤師からの回答

エピペンなどの自己注射用エピネフリンは、日本を含む多くの国で処方医薬品ですが、海外持ち込みの可否は国・地域により大きく異なります。アメリカ・オーストラリア・シンガポール・タイなど主要な渡航先の多くは医学的必要性がある場合の携行を認めていますが、事前確認が必須です。同時に、英文での医学情報の整備と現地医療機関への正確な伝達が緊急時の適切な対応につながります。

エピペン持ち込み規制の国別概要

地域 規制内容 必要書類
米国 医学的必要性があれば一般に許可 処方箋コピー、診断書英文版
オーストラリア 処方箋原本(または公証済みコピー)と医師診断書 「Personal Importation Approval」申請が推奨
シンガポール 医師処方箋と診断書の英文が必要 税関・医薬品管理局へ事前申請が吉
タイ 医師処方箋と診断書の英文 比較的緩い傾向(事前確認推奨)
欧州(英国・フランス他) 国によりばらつき大 各大使館・領事館に事前確認必須

英文アレルギーカード作成のポイント

1. 医師から英文診断書を取得する

  • 主治医またはアレルギー科医に「海外渡航用の英文アレルギー診断書」を依頼してください
  • 一般的な内容:
    • 患者氏名・生年月日・パスポート番号
    • アレルギー物質の具体名(例: "Peanut, Tree nuts, Shellfish" など)
    • 症状の重症度(アナフィラキシスの既往の有無)
    • 処方医薬品名(エピペン0.3mg等の規格)
    • 医師のサイン・日付・医療機関連絡先

2. 自分でアレルギーカードを作成する

  • A6サイズ(クレジットカード大)の硬質カードに以下を英語で記載
    • "ALLERGY ALERT"
    • "I am allergic to: [具体物質リスト]"
    • "Symptoms: [反応の内容]"
    • "Emergency medication: Epinephrine auto-injector"
    • 日本の緊急連絡先・保険会社連絡先

3. デジタル版も用意

  • スマートフォンの待ち受け画面に英文アレルギー情報を表示できるよう、写真やアプリ(例: MedicAlert)に登録

現地薬局・医療機関での英語表現

「I have a severe food allergy.」
(アイ ハヴ ア シヴィア フード アレルギー)
→ 重度の食物アレルギーがあります

「I carry an epinephrine auto-injector.」
(アイ キャリー アン エピネフリン オートインジェクター)
→ 私はエピペンを持ち歩いています

「Where is the nearest emergency room?」
(ホエア イズ ザ ニアレスト イマージェンシー ルーム?)
→ 最も近い救急外来はどこですか?

「Do you have an EpiPen or epinephrine auto-injector here?」
(ドゥ ユー ハヴ ウン イーピーペン オア エピネフリン オートインジェクター ヒア?)
→ ここにエピペンまたはエピネフリン自動注射器はありますか?

実務的な補足

渡航前のチェックリスト

  • 渡航先国の医薬品持ち込み規制をWebで確認(大使館サイト・PMDA渡航者向けFAQ)
  • 主治医に英文診断書・処方箋の発行を依頼(2〜3週間前が目安)
  • エピペンの使用期限が渡航期間中に有効か確認
  • 国際旅行保険に加入し、アレルギー対応可能な医療機関情報を確認
  • 英文アレルギーカードを複数枚用意(鞄・荷物・パスポートポーチ等に分散)
  • 現地到着時に、ホテルのフロントスタッフに「I have a severe allergy」と伝え、近隣の医療機関位置を確認

まとめ

エピペンの海外持ち込みは、日本国内での規制は緩いものの、渡航先国による規制が極めて重要です。事前に大使館で規制確認し、医師の英文診断書・処方箋を入手したうえで、英文アレルギーカードを携帯することで、万が一の際の対応スピードと正確性が大きく向上します。現地での英語表現も予習しておくと、医療機関での信頼構築につながります。

本回答は一般的な情報提供であり、個別の医学的判断は主治医または薬剤師にご相談ください。

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