ご質問
海外旅行中に風邪や頭痛で薬が必要になったとき、現地のドラッグストアで複数の薬を買うことがあります。しかし英語や現地語のパッケージには成分が小さく書かれており、日本で使っていた薬との違いや、同じ成分が別の薬に入っていないか判断しづらいです。特にアセトアミノフェン(アセトアミノフェン)やアスピリンは複数の市販薬に含まれていると聞いており、重複による過剰摂取のリスクが心配です。
薬剤師からの回答
OTC医薬品の成分重複による過剰摂取は、重篤な肝障害や消化管出血のリスクになるため、買う前に成分表記を読み分けることが重要です。多くの海外医薬品は英語またはその国の言語で「Active Ingredients」「Medicinal Ingredients」などのセクションに成分名が記載されています。同じ有効成分が違う商品名で売られていることが多く、特にアセトアミノフェン(Acetaminophen または Paracetamol)とアスピリン(Aspirin)、そしてイブプロフェン(Ibuprofen)といった解熱鎮痛成分は組み合わせで危険です。
英語圏での主な成分表記と対応表
| 日本での一般名 | 英語表記(北米) | 英語表記(EU/AU) | 含まれやすい薬のタイプ |
|---|---|---|---|
| アセトアミノフェン | Acetaminophen | Paracetamol | 風邪薬、頭痛薬、総合感冒薬 |
| アスピリン | Aspirin | Aspirin | 頭痛薬、風邪薬、解熱鎮痛薬 |
| イブプロフェン | Ibuprofen | Ibuprofen | 頭痛薬、生理痛薬、解熱鎮痛薬 |
| ジクロフェナク | Diclofenac | Diclofenac | 痛み止め(処方箋が必要な国も多い) |
重複を避けるための実務的な読み方
-
「Active Ingredients」の成分名をすべて確認する
パッケージの裏面に必ず記載されています。複合薬(複数の有効成分を含む製品)は成分がカンマやスラッシュで区切られています。 -
複数の薬を買う場合、現地薬局スタッフに確認する
「Do you have any products with acetaminophen or paracetamol already?(アセトアミノフェンやパラセタモルが既に入っている商品はありますか?)」(ドゥ ユー ハヴ エニー プロダクツ ウィズ アセトアミノフェン オア パラセタモル オルレディ?)と尋ねることが確実です。 -
各成分の1日上限量を頭に入れておく
- アセトアミノフェン:通常3,000〜4,000mg/日が上限(製品により異なる)
- アスピリン:通常2,400〜3,000mg/日が上限
- イブプロフェン:通常1,200〜2,400mg/日が上限
複合薬を複数組み合わせると容易に超過します。
アスピリン喘息のある人・アレルギー病歴がある人への特別注意
実務的な補足
海外でよく売られている風邪薬・頭痛薬ブランドの多くは複合薬です。例えば北米で一般的な風邪薬には、アセトアミノフェンと鼻詰まり成分(フェニレフリンなど)とコデイン系鎮咳薬が全て入っているケースがあります。一見別の薬に見えても、メイン成分が同じなら重複です。
不安な場合は、以下の方針で対応するのが無難です:
- 同一成分の重複を完全に避ける(例:Tylenol+風邪薬の両方を飲まない)
- 異なる成分系を選ぶ(アセトアミノフェンで効かなければ、医師の指示下でイブプロフェンに切り替える選択肢を検討)
- 1種類の薬で十分か判断する(風邪薬は通常1剤で十分対応できる)
まとめ
成分表記を正確に読み分けることは、海外でのセルフメディケーションの基本です。特にアセトアミノフェン(=パラセタモル)は北米と英連邦で呼び方が異なるため注意が必要です。複数の薬を購入する際は、必ずパッケージ裏面の「Active Ingredients」を確認し、薬局スタッフに成分重複を避けたいことを伝えましょう。喘息やNSAIDs不耐症がある場合は、事前に主治医の相談が安全です。
本回答は一般的な情報提供であり、個別の医学的判断は主治医または薬剤師にご相談ください。