ご質問
ハワイやパラオへのビーチリゾート旅行を計画しています。日本で購入した日焼け止めをスーツケースに入れて持ち込みたいのですが、現地での規制があると聞きました。成分によって持ち込めない日焼け止めがあるのでしょうか?また、日本の「SPF50+」と現地で見かける表示の違いも気になります。
薬剤師からの回答
ハワイ(2021年以降)とパラオは、サンゴ礁および海洋生態系の保全を目的として、オキシベンゾンとオクチノキセートを含む日焼け止めの販売・所持・使用を禁止しています。これらは紫外線吸収剤の一種で、日本製の一般的なOTC日焼け止めにも配合されることが多いため、持ち込む前に成分表示を必ず確認する必要があります。SPF表示については、日本・米国・EU各地で測定基準が異なり、「SPF50+」と「SPF 100」では同じ高い防御力を示していますが、各地域の表示ルールに従った製品を選ぶと現地での購入・使用がスムーズです。
日本・米国・EU での日焼け止め成分規制の比較
| 地域 | 禁止成分 | 許可されている主な紫外線吸収剤 | 許可される物理的遮断剤 |
|---|---|---|---|
| 日本 | なし(両成分とも使用可) | オキシベンゾン、オクチノキセート、メトキシケイヒ酸オクチル他 | 酸化チタン、酸化亜鉛 |
| ハワイ・パラオ | オキシベンゾン、オクチノキセート | ホモサレート、アボベンゾン、オクチドノン等一部のみ | 酸化チタン、酸化亜鉛 |
| EU | なし(両成分とも使用可) | 広く許可(日本と同様) | 酸化チタン、酸化亜鉛 |
成分表示の読み方:日本製品の確認ポイント
日本の日焼け止めパッケージに記載される一般名(国際名)と、それが禁止対象かどうかを判定する簡易表:
- オキシベンゾン(benzophenone-3 / BP-3 / oxybenzone)→ ハワイ・パラオで禁止
- オクチノキセート(octyl methoxycinnamate / OMC / octinoxate)→ ハワイ・パラオで禁止
- メトキシケイヒ酸オクチル(オクチノキセートの別名)→ ハワイ・パラオで禁止
- 酸化チタン・酸化亜鉛(titanium dioxide / zinc oxide)→ 全地域で推奨・許可
SPF 表示の国際差異
- 日本:SPF は 1~50+(50以上はすべて「50+」表記に統一)
- 米国:SPF は 2~100+(米国食品医薬品局 FDA が 50+ 以上の広告を制限していた時期があるが、現在は 100 まで表記可)
- EU:SPF 6~50+(EU が高い数値の誇大広告を制限)
SPF 30 と SPF 50、SPF 100 は紫外線B波(UVB)防御率をそれぞれ 96.7% / 98% / 99% 程度まで高めており、実用上の防御効果の差は小さいことが多い一般論です。
実務的な補足
日本製品の持ち込み判定の流れ:
- パッケージの成分表示(裏面)を確認
- 「オキシベンゾン」「オクチノキセート」「メトキシケイヒ酸オクチル」のいずれかが「有効成分」に記載されていないか確認
- 記載がなければ持ち込みと使用は原則可能
- 不確実な場合は出発前に薬剤師に相談(PMDA または現地大使館の質問窓口でも確認可能)
現地での購入代替案:
ハワイ・パラオ到着後の日焼け止め購入が手っ取り早い場合、以下の表現で店員に伝えると スムーズです:
- "Do you have reef-safe sunscreen?"(ドゥ ユー ハヴ リーフセーフ サンスクリーン?)
- "I need sunscreen without oxybenzone and octinoxate."(アイ ニード サンスクリーン ウィザウト オキシベンゾン アンド オクチノキセート)
まとめ
ハワイとパラオへの持ち込み日焼け止めは、オキシベンゾンとオクチノキセートを含まない製品を選ぶことが必須です。日本製品の成分表示を丁寧に確認し、該当成分がなければ持ち込みは可能ですが、不安な場合は酸化チタン・酸化亜鉛配合の「ミネラル日焼け止め」を現地購入するか、出発前に薬剤師に相談してください。SPF表示は国ごとに基準が異なりますが、実用上は各地域ルールに従った製品を選べば問題ありません。
本回答は一般的な情報提供であり、個別の医学的判断は主治医または薬剤師にご相談ください。