タイの胃薬と日本の胃薬、成分は同じなのに効き方が違う理由

タイの胃薬と日本の胃薬:同じ成分なのに「用量と効き方」が全く違う理由

渡航中に胃もたれが起きたとき、タイのコンビニやドラッグストアで胃薬を買うと、日本で使い慣れた商品と「同じ成分なのに用量が違う」ことに驚く人が多い。

実は、これは品質の差ではなく、医薬品規制制度の違いが原因だ。

タイと日本の胃薬:成分表の見方が全然違う

項目 タイの薬局 日本の薬局
H2ブロッカー(ファモチジン) 20mg/錠が標準 10mg/錠が標準(OTC)
制酸成分(水酸化マグネシウム) 400mg以上/回 200~300mg/回
処方箋の必要性 低用量ならOTC自由 医師処方が主流
医薬品分類 OTC(一般用医薬品) 第2類・第1類

タイでよく見かけるのは:

  • ファモチジン20mg配合の胃薬
  • 一回用量が日本OTC品の2倍近い
  • しかし医師処方がなくても購入可能

日本の規制では:

  • OTC胃薬はファモチジン10mg以下(例:ガスター10)
  • 20mg以上は医師処方が必須
  • より強い効果は処方薬で担保

なぜこんな違いが生まれたのか?

タイは医薬品の自由度が日本より高い。OTC販売できる成分の上限用量が寛容で、薬剤師による販売判断に委ねられる部分が大きい。一方、日本は公的保険制度と医師処方の枠組みが強く、OTC化されても用量は厳密に制限される。

渡航者が知っておくべき実用ポイント

1. 同じ成分なら「タイの高用量」でも安全か?

まず、ファモチジン20mgは世界中の病院で処方される標準用量だ。タイのOTC販売が必ずしも「過剰」ではなく、制度の判断基準が異なるだけ。

ただし、個人差がある。特に:

  • 初めての人は低用量から: まずは1錠(20mg)で反応を見る
  • 連用は控える: 胃酸抑制が長期化すると、ビタミンB12吸収低下のリスク
  • 腎機能が低い高齢者: 蓄積のリスクがあるため、医師への相談が必須

2. タイ薬局で胃薬を買うときの会話例

I have stomach discomfort. Do you have antacid for occasional heartburn?(アイ ハヴ スタマック ディスコンフォート。ドゥ ユー ハヴ アンタシッド フォー オケージャナル ハートバーン?)

そうすると、薬剤師は用量や飲み方を説明してくれる。分量不安なら「Is this dose suitable for a first-time user?」(イズ ディス ドース スイテーブル フォー ア ファースト タイム ユーザー?)と聞くといい。

3. 日本の医薬品分類との組み合わせ注意

タイから日本に帰国する際、OTC胃薬を持ち込むのは問題ない(自分用、2~3箱程度)。だが「タイで買ったファモチジン20mg」を日本で常用するのは、医学的には医師の診察を受けるべき。

理由は、日本の保険診療では同じ成分の処方薬(用量20mg)が安く(または無料で)手に入るからだ。渡航から帰国後、胃の不調が続く場合は内科を受診し、処方箋を切ってもらう方が国の医療制度として適切。

持ち帰りのコツ

  • 元箱のまま、錠数が分かるパッケージで持ち込む
  • 日本税関は「自分の3ヶ月分」程度のOTC医薬品は問題視しない
  • 処方箋医薬品(処方箋が付いているもの)は事前に申告が安全

次に渡航するなら、事前に「タイでもOTC化されている成分」を調べておくと、現地でも日本でも薬選びがスムーズになる。

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