問題:米国の「ピンク液体」Pepto-Bismol、日本で何に当たる?
米国の薬局やコンビニで見かけるPepto-Bismol(ペプト・ビスモール)。特徴的なピンク色の液体で、瓶やチューの形態で売られています。胸焼け・下痢・吐き気の治療薬として、旅行者下痢症(Traveler's diarrhea)の第一選択肢とされています。
問い:このPepto-Bismolの主有効成分は何か、そして日本で同じ成分を含むOTC薬は?
ヒント
- 有効成分はビスマス化合物(bismuth subsalicylate = 次硫酸ビスマス)
- 抗菌・制酸・鎮痙作用があり、腸内細菌の増殖抑制も期待される
- 舌や便が黒くなる副作用が特徴的
- 日本でも昭和時代から存在する、懐かしい胃腸薬の一種
- 液体・粉末・ジェルなど複数の剤形がある
答え:次硫酸ビスマス配合薬 = 日本では正露丸の液体版「正露丸液」他
日本での対応薬
| 医薬品名 | 剤形 | 主成分 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 正露丸 | 丸剤 | 木クレオソート他 | 下痢・腹痛 |
| 正露丸液 | 液体 | 次硫酸ビスマス | 下痢・腹痛・胸焼け |
| 新ビオフェルミンS | 錠剤 | 乳酸菌 + ビスマス類* | 整腸・下痢 |
| 胃腸薬A | 液体・粉末 | ビスマス他 | 下痢・消化不良 |
*注:ビスマス成分の有無は製品によって異なるため、パッケージ確認推奨
米国Pepto-Bismolと日本の正露丸液の違い
Pepto-Bismol(米国)
- 主成分:次硫酸ビスマス 262mg/15mL
- 酸化マグネシウムは含まない
- ピンク色・甘めの風味
- OTC医薬品として広く流通
- 1回15〜30mLを4〜8時間ごと(用量に従う)
正露丸液(日本)
- 主成分:次硫酸ビスマス 150mg/10mL(製品により異なる)
- 用量は1回5〜10mL、1日3〜4回
- 独特の黒色・独特の香りと味
- 指定医薬部外品または一般医薬品に分類される場合が多い
薬剤師の補足
なぜ米国ではPepto-Bismolが人気か
米国では旅行者下痢症(Montezuma's revenge)の予防・治療薬として、Pepto-Bismolが予防的に使われることもあります。一部ガイドラインでは、メキシコやカリブ海への旅行前に予防投与を検討する医師もいます。ただし日本の医学では、根拠に基づく予防的使用は限定的です。
旅行下痢症の最新ガイドラインでは、抗菌薬(キノロン系など)や確実な水分補給が第一選択とされており、ビスマスは補助的役割とする見方が増えています。
まとめ
Pepto-Bismolは米国の家庭薬として定着していますが、有効成分である次硫酸ビスマスは日本の正露丸液と本質的に同じです。渡航時に現地で購入する際は、ビスマスアレルギー・妊娠状況・他の医薬品との相互作用を確認し、必要に応じて現地薬剤師や医師に相談してください。