英国の「Buscopan」、日本の何と同じ成分?

問題

英国やアイルランドの薬局(Boots など)、さらにドイツ・スペイン・香港の薬局でも必ず棚にある黄色系の小箱。Buscopanブスコパン。

  • パッケージには「Cramps」「IBS Relief」などの表記
  • 小さな白い糖衣錠で、水なしでも飲めそうなサイズ
  • 店員に腹痛を訴えると、鎮痛薬ではなくこれを出されることが多い

さて、日本では何という薬になるでしょう?

ヒント

手がかり 内容
分類 抗コリン薬(鎮痙薬)
作用 消化管のムスカリン受容体を遮断し、過剰な収縮を抑える
典型的な副作用 口の渇き、目のかすみ、便が出にくくなる
注意すべき人 緑内障、前立腺肥大による排尿困難、重い心疾患

もうひとつのヒント。成分名はカタカナで書くと11文字、語尾は「臭化物」です。

答え

ブチルスコポラミン臭化物(hyoscineヒヨスチン butylbromide / scopolamineスコポラミン butylbromide)。

日本では、

  • ブスコパンA錠(OTC・指定第2類医薬品)
  • ブスコパン錠(医療用、医師の処方)
  • ブチルスコポラミン臭化物を配合した胃腸鎮痛鎮痙薬(製品により配合成分・規格は異なります)

として流通しています。つまりブランド名はほぼ世界共通。海外の薬局で「Buscopanブスコパン」と言えば通じるのは、日本人にとって珍しく有利なケースです。

現地で使うフレーズ

  • I have stomach cramps.(アイ ハヴ スタマック クランプス)
  • Is this an antispasmodic?(イズ ディス アン アンチスパズモディック?)

薬剤師メモ: ブチルスコポラミンは四級アンモニウム構造のため中枢神経に入りにくく、酔い止めに使われるスコポラミン(臭化水素酸塩)のような強い眠気・せん妄は起こしにくい設計です。一方で下痢そのものを止める薬ではありません。水様便が主症状ならロペラミドや経口補水の方が目的に合い、「ねじれるような波のある痛み」が主症状のときに出番となります。症状の切り分けが選薬の分かれ道です。

腹痛は、感染性腸炎・虫垂炎・胆石・婦人科疾患など鑑別が広い症状です。発熱、血便、激しい局所の痛み、持続する嘔吐があるときは市販薬で粘らず、現地医療機関の受診を優先してください。

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