ロキソプロフェンはギリシャに持って行ける?
ロキソプロフェンはこの国で承認されていないため、現地の薬局・薬店では購入できません。同じ用途ならibuprofen(Nurofen等)またはnaproxenが標準です。
実務注意
- 「禁止」ではなく「未承認」です。個人使用量を携帯すること自体が問題になる国は多くありません
- 現地で買い足せないため、滞在日数分を日本から持参する計画にしてください
なぜロキソプロフェンは国によって扱いが変わるのか
規制が厳しいのではなく「承認されていない」ことが問題になる成分。日本・韓国・中国・タイなどでは承認されているが、米国・カナダ・EU・豪州・NZでは承認申請自体が行われていないため現地で買えない。個人使用量の持参は多くの国で問題にならないが、現地で買い足すことはできない。
条約の附表に載っている成分は、治療目的の携帯であっても入国時に「規制物質を持ち込む行為」として 扱われます。自国での販売区分(OTCか処方薬か)は、渡航先での判断とは別物だと考えてください。
ロキソプロフェンについて
成分(INN): loxoprofen
日本ブランド: ロキソニンS・ロキソプロフェン錠
海外ブランド: Loxonin(韓国・台湾の一部)
日本・韓国・中国・タイ等で承認されているが、米国・EU・豪州では未承認。海外で同等品はibuprofen・naproxen。持ち込みは個人使用量なら多くの国で可。
作用機序
プロドラッグ型の非選択的COX阻害薬。吸収後に活性代謝物(trans-OH体)へ変換されてからCOX-1/COX-2を阻害するため、胃粘膜での直接的なCOX阻害が起きにくく、同等の鎮痛効果に対して胃への負担が小さいとされる。
薬物動態(渡航中の服用間隔を考えるうえで)
半減期は約1.2時間と短い。活性代謝物は腎から排泄されるため、腎機能低下時は蓄積しやすい。
渡航中に問題になりやすい相互作用
- 他のNSAIDs・低用量アスピリン: 消化管障害の相加
- ワルファリン: 抗凝固作用の増強
- ACE阻害薬/ARB+利尿薬: 腎血流低下による急性腎障害(旅行中の脱水で顕在化しやすい)
- ニューキノロン系抗菌薬: 痙攣の報告
旅行中は普段飲まない薬(時差対策の睡眠薬、乗り物酔い止め、現地で買った鎮痛薬)が加わりやすく、 相互作用は自宅にいるときより起きやすくなります。お薬手帳の英訳またはスマートフォンの写真を 持っておくと、現地の薬剤師・医師に確認してもらえます。
副作用・使用上の注意
- 胃痛・消化管潰瘍。空腹時服用は避ける
- 脱水下での腎機能低下。高温地域・長時間フライトで注意
- アスピリン喘息(NSAIDs過敏)の既往があれば使用しない
ギリシャで入手しやすい代替成分
- イブプロフェン(Advil/Nurofen): 世界中で入手可。ロキソプロフェンの最も現実的な代替
- ナプロキセン(Aleve): 作用時間が長く服用回数を減らせる
- アセトアミノフェン(Tylenol/Panadol): 胃・腎への負担を避けたい場合
海外の薬局では商品名ではなく成分名(loxoprofen)で伝えるのが確実です。 同じ成分でも国によって商品名が変わるため、商品名だけを頼りにすると別の成分を渡されることがあります。
ギリシャの規制を確認する窓口
医薬品規制当局: 国立医薬品機構
正式名称: National Organization for Medicines(EOF)
当サイトの判定は薬剤師が整理した参考情報です。次のいずれかで最新の一次情報を確認してください。
- 国立医薬品機構(EOF)の公表情報
- ギリシャの在日大使館・総領事館(日本語で問い合わせられる場合があります)
- ギリシャの税関当局が公表する旅行者向けの持ち込みルール
- 長期滞在・処方薬の大量携帯であれば、渡航前に主治医と薬剤師に相談
英文の処方箋・診断書に入れておく項目
ロキソプロフェンのように書類を求められる可能性がある成分では、内容が不足していると空港で止まります。次の項目が入っているか出発前に確認してください。
- 患者本人の氏名(パスポートの綴りと一致させる)と生年月日
- 診断名または治療目的
- 一般名(loxoprofen)での成分名。商品名だけでは各国の担当者が判断できません
- 1日量・1回量・用法と、携帯する総量(滞在日数に見合う量であること)
- 処方医の署名・連絡先・医療機関名
- 処方ラベルの付いた元の容器のまま携帯すること(詰め替えない)
ギリシャでロキソプロフェンを飲むときの水
水道水の飲用: 地域・季節によって注意が必要
硬度: 150 mg/L(硬水/120-180 mg/L)
カルシウム: 42 mg/L / マグネシウム: 12 mg/L
アテネの水道水は飲用可だが、離島や地方ではボトル水推奨。Zagori・Vikosが軟水の代表。
ギリシャでは水道水をそのまま飲まない前提で、服薬にもボトル水を使ってください。薬は正しく飲めていても、飲み水由来の感染で下痢・脱水になれば吸収も体調も崩れます。
現地でよく見るボトル水: Zagori(60 mg/L・軟水)、Vikos(100 mg/L・軟水)、Avra(80 mg/L・軟水)
硬水のカルシウム・マグネシウムは、テトラサイクリン系やニューキノロン系の抗菌薬、 ビスホスホネート、レボチロキシンなど一部の薬とキレートを作って吸収を落とします。ロキソプロフェン自体はその影響を受ける成分ではありませんが、これらを併用しているなら軟水のボトル水で服用してください。
ギリシャで症状が出たときに現地で買えるもの
ロキソプロフェンを持ち込めるかどうかとは別に、現地で症状が出たときに何を買えるかを知っておくと 計画が崩れにくくなります。ギリシャの症状別ガイドに、現地で入手できる成分と商品名をまとめています。
ギリシャの他の渡航準備情報
ロキソプロフェンの扱いが特に分かれる国
※ 規制は予告なく変更されます。最終確認はギリシャの大使館・税関・公的医薬品規制機関の最新情報を必ずご確認ください。 本判定は薬剤師監修の参考情報であり、法的助言ではありません。診断・治療方針の決定は医師の領域です。