メトクロプラミドはバングラデシュに持って行ける?
メトクロプラミドは錐体外路症状のリスクから多くの国で処方薬とされ、EUでは最大使用期間を5日以内に制限しています。バングラデシュについても同じ前提で準備してください。
必要書類・推奨書類
- 英文処方箋(現地で買い足す場合は現地医師の処方)
なぜメトクロプラミドは国によって扱いが変わるのか
危険性ではなく「使用期間の上限」を各国が規制している点が特徴。EUのように最大投与期間と用量を明示的に絞った地域があり、同じ成分でも入手できる包装単位が国によって違う。
条約の附表に載っている成分は、治療目的の携帯であっても入国時に「規制物質を持ち込む行為」として 扱われます。自国での販売区分(OTCか処方薬か)は、渡航先での判断とは別物だと考えてください。
メトクロプラミドについて
成分(INN): metoclopramide
日本ブランド: プリンペラン
海外ブランド: Reglan・Maxolon
制吐薬。多くの国で処方薬。EUは2014年以降使用期間・適応制限を強化。
作用機序
ドパミンD2受容体拮抗により中枢の嘔吐中枢を抑え、同時に5-HT4受容体作動により上部消化管の運動を促進する。制吐と消化管運動改善を兼ねる。
薬物動態(渡航中の服用間隔を考えるうえで)
主にCYP2D6で代謝され、半減期は約5〜6時間。腎排泄もあるため腎機能低下時は減量。
渡航中に問題になりやすい相互作用
- 抗精神病薬: 錐体外路症状の増強
- レボドパ: 相互に作用を打ち消す
- ジゴキシン・シクロスポリン: 胃排出促進により吸収速度が変化
- アルコール: 中枢抑制の増強
旅行中は普段飲まない薬(時差対策の睡眠薬、乗り物酔い止め、現地で買った鎮痛薬)が加わりやすく、 相互作用は自宅にいるときより起きやすくなります。お薬手帳の英訳またはスマートフォンの写真を 持っておくと、現地の薬剤師・医師に確認してもらえます。
副作用・使用上の注意
- 急性ジストニア(首や眼の不随意運動)。若年女性と小児で頻度が高く、旅行中に発生すると現地受診が必要になる
- 長期使用で遅発性ジスキネジア。EUは2013年に使用を原則5日以内へ制限した
- 傾眠・めまい
バングラデシュで入手しやすい代替成分
- ジメンヒドリナート・メクリジン(Dramamine/Bonine): 乗り物酔いならこちらが多くの国で入手しやすい
- オンダンセトロン: 強い制吐だが処方薬
- ショウガ・リストバンド: 軽度の動揺病
海外の薬局では商品名ではなく成分名(metoclopramide)で伝えるのが確実です。 同じ成分でも国によって商品名が変わるため、商品名だけを頼りにすると別の成分を渡されることがあります。
バングラデシュの規制を確認する窓口
医薬品規制当局: 医薬品管理総局
正式名称: Directorate General of Drug Administration(DGDA)
当サイトの判定は薬剤師が整理した参考情報です。次のいずれかで最新の一次情報を確認してください。
- 医薬品管理総局(DGDA)の公表情報
- バングラデシュの在日大使館・総領事館(日本語で問い合わせられる場合があります)
- バングラデシュの税関当局が公表する旅行者向けの持ち込みルール
- 長期滞在・処方薬の大量携帯であれば、渡航前に主治医と薬剤師に相談
英文の処方箋・診断書に入れておく項目
メトクロプラミドのように書類を求められる可能性がある成分では、内容が不足していると空港で止まります。次の項目が入っているか出発前に確認してください。
- 患者本人の氏名(パスポートの綴りと一致させる)と生年月日
- 診断名または治療目的
- 一般名(metoclopramide)での成分名。商品名だけでは各国の担当者が判断できません
- 1日量・1回量・用法と、携帯する総量(滞在日数に見合う量であること)
- 処方医の署名・連絡先・医療機関名
- 処方ラベルの付いた元の容器のまま携帯すること(詰め替えない)
バングラデシュでメトクロプラミドを飲むときの水
水道水の飲用: 飲用は避ける
硬度: 250 mg/L(超硬水/180 mg/L 以上)
カルシウム: 68 mg/L / マグネシウム: 20 mg/L
水道水は飲用不可。硬度が高く、砒素汚染の歴史もあるため必ずボトル水で。
バングラデシュでは水道水をそのまま飲まない前提で、服薬にもボトル水を使ってください。薬は正しく飲めていても、飲み水由来の感染で下痢・脱水になれば吸収も体調も崩れます。
現地でよく見るボトル水: Mum(80 mg/L・軟水)、Fresh(60 mg/L・軟水)
硬水のカルシウム・マグネシウムは、テトラサイクリン系やニューキノロン系の抗菌薬、 ビスホスホネート、レボチロキシンなど一部の薬とキレートを作って吸収を落とします。メトクロプラミド自体はその影響を受ける成分ではありませんが、これらを併用しているなら軟水のボトル水で服用してください。
バングラデシュで症状が出たときに現地で買えるもの
メトクロプラミドを持ち込めるかどうかとは別に、現地で症状が出たときに何を買えるかを知っておくと 計画が崩れにくくなります。バングラデシュの症状別ガイドに、現地で入手できる成分と商品名をまとめています。
バングラデシュの他の渡航準備情報
メトクロプラミドの扱いが特に分かれる国
※ 規制は予告なく変更されます。最終確認はバングラデシュの大使館・税関・公的医薬品規制機関の最新情報を必ずご確認ください。 本判定は薬剤師監修の参考情報であり、法的助言ではありません。診断・治療方針の決定は医師の領域です。