ペルメトリン(疥癬・シラミ外用)はサイパンに持って行ける?
ペルメトリン(疥癬・シラミ外用)は疥癬・シラミの治療薬として扱う国と、衣類の防虫処理剤として扱う国があり、同じ成分でも入手できる棚と必要な手続きが変わります。サイパンについても同じ前提で準備してください。
必要書類・推奨書類
- 英文処方箋(現地で買い足す場合は現地医師の処方)
なぜペルメトリン(疥癬・シラミ外用)は国によって扱いが変わるのか
同じ成分が「疥癬・シラミの治療薬」と「衣類・蚊帳の防虫処理剤」の両方で使われるため、国によって医薬品・医薬部外品・農薬用途のどの枠に入るかが違う。危険性より分類の差が入手可否を決める。
条約の附表に載っている成分は、治療目的の携帯であっても入国時に「規制物質を持ち込む行為」として 扱われます。自国での販売区分(OTCか処方薬か)は、渡航先での判断とは別物だと考えてください。
ペルメトリン(疥癬・シラミ外用)について
成分(INN): permethrin
日本ブランド: (処方)スミスリン
海外ブランド: Nix・Elimite
疥癬・シラミの外用薬。カナダ・米国はOTCで容易だが、日本は処方薬。トコジラミ被害に遭った場合の現地調達情報。
作用機序
合成ピレスロイド。節足動物の電位依存性ナトリウムチャネルを持続的に開口させて神経を過興奮・麻痺させる。ヒトの細胞では代謝が速く感受性が低いため選択毒性が成り立つ。
薬物動態(渡航中の服用間隔を考えるうえで)
経皮吸収は2%未満とわずかで、吸収された分はエステラーゼで速やかに加水分解され尿中に排泄される。
渡航中に問題になりやすい相互作用
- 全身曝露が小さいため薬物相互作用は問題になりにくい
旅行中は普段飲まない薬(時差対策の睡眠薬、乗り物酔い止め、現地で買った鎮痛薬)が加わりやすく、 相互作用は自宅にいるときより起きやすくなります。お薬手帳の英訳またはスマートフォンの写真を 持っておくと、現地の薬剤師・医師に確認してもらえます。
副作用・使用上の注意
- 塗布部位の刺激感・一時的な痒みの増加(治療効果と区別しにくい)
- 猫は代謝酵素を欠くため強い毒性を示す。ペット同伴の渡航では特に注意
- 衣類処理用の高濃度製品を皮膚に使ってはいけない
サイパンで入手しやすい代替成分
- イベルメクチン経口: 疥癬の治療で用いられるが処方薬
- ディート・イカリジン: 蚊の忌避が目的なら防虫剤で足りる(ペルメトリンは殺虫で用途が違う)
海外の薬局では商品名ではなく成分名(permethrin)で伝えるのが確実です。 同じ成分でも国によって商品名が変わるため、商品名だけを頼りにすると別の成分を渡されることがあります。
サイパンの規制を確認する窓口
医薬品規制当局: 食品医薬品局/税関国境警備局(米国連邦)
正式名称: Food and Drug Administration / Customs and Border Protection(FDA / CBP)
北マリアナ諸島は米国の領域であり、連邦の医薬品規制が適用されます。
当サイトの判定は薬剤師が整理した参考情報です。次のいずれかで最新の一次情報を確認してください。
- 食品医薬品局/税関国境警備局(米国連邦)(FDA / CBP)の公表情報
- サイパンの在日大使館・総領事館(日本語で問い合わせられる場合があります)
- サイパンの税関当局が公表する旅行者向けの持ち込みルール
- 長期滞在・処方薬の大量携帯であれば、渡航前に主治医と薬剤師に相談
英文の処方箋・診断書に入れておく項目
ペルメトリン(疥癬・シラミ外用)のように書類を求められる可能性がある成分では、内容が不足していると空港で止まります。次の項目が入っているか出発前に確認してください。
- 患者本人の氏名(パスポートの綴りと一致させる)と生年月日
- 診断名または治療目的
- 一般名(permethrin)での成分名。商品名だけでは各国の担当者が判断できません
- 1日量・1回量・用法と、携帯する総量(滞在日数に見合う量であること)
- 処方医の署名・連絡先・医療機関名
- 処方ラベルの付いた元の容器のまま携帯すること(詰め替えない)
サイパンでペルメトリン(疥癬・シラミ外用)を飲むときの水
水道水の飲用: 地域・季節によって注意が必要
硬度: 100 mg/L(中程度/60-120 mg/L)
カルシウム: 28 mg/L / マグネシウム: 8 mg/L
地下水依存で時期により品質差。ボトル水が無難。
サイパンでは水道水をそのまま飲まない前提で、服薬にもボトル水を使ってください。薬は正しく飲めていても、飲み水由来の感染で下痢・脱水になれば吸収も体調も崩れます。
現地でよく見るボトル水: Fiji(輸入)(130 mg/L・硬水)
硬水のカルシウム・マグネシウムは、テトラサイクリン系やニューキノロン系の抗菌薬、 ビスホスホネート、レボチロキシンなど一部の薬とキレートを作って吸収を落とします。ペルメトリン(疥癬・シラミ外用)自体はその影響を受ける成分ではありませんが、これらを併用しているなら軟水のボトル水で服用してください。
サイパンで症状が出たときに現地で買えるもの
ペルメトリン(疥癬・シラミ外用)を持ち込めるかどうかとは別に、現地で症状が出たときに何を買えるかを知っておくと 計画が崩れにくくなります。サイパンの症状別ガイドに、現地で入手できる成分と商品名をまとめています。
サイパンの他の渡航準備情報
ペルメトリン(疥癬・シラミ外用)の扱いが特に分かれる国
※ 規制は予告なく変更されます。最終確認はサイパンの大使館・税関・公的医薬品規制機関の最新情報を必ずご確認ください。 本判定は薬剤師監修の参考情報であり、法的助言ではありません。診断・治療方針の決定は医師の領域です。