サルブタモール(喘息吸入)はイギリスに持って行ける?
イギリスはサルブタモール(喘息吸入)の規制レベルが各国で大きく分かれるなかで特に注意が必要とされる国です。当サイトはイギリスの一次情報を確認できていないため断定を避けます。この成分が国によって扱いが違う理由: 救命に直結する薬のため禁止する国はないが、処方箋が必要な国とOTCで買える国が分かれる。またドーピング規制の対象成分で、競技参加者は吸入量の上限と申告要件を競技団体の最新ルールで確認する必要がある。
必要書類・推奨書類
- 英文処方箋・診断書(推奨)
実務注意
- 出発前に渡航先の医薬品規制当局または在外公館に最新ルールを確認すること
なぜサルブタモール(喘息吸入)は国によって扱いが変わるのか
救命に直結する薬のため禁止する国はないが、処方箋が必要な国とOTCで買える国が分かれる。またドーピング規制の対象成分で、競技参加者は吸入量の上限と申告要件を競技団体の最新ルールで確認する必要がある。
条約の附表に載っている成分は、治療目的の携帯であっても入国時に「規制物質を持ち込む行為」として 扱われます。自国での販売区分(OTCか処方薬か)は、渡航先での判断とは別物だと考えてください。
サルブタモール(喘息吸入)について
成分(INN): salbutamol / albuterol
日本ブランド: サルタノール・メプチン
海外ブランド: Ventolin・ProAir・Proventil
喘息発作の標準治療。多くの国で処方薬。携帯時は処方箋・英文診断書を必携。
作用機序
短時間作用性β2アドレナリン受容体作動薬(SABA)。気管支平滑筋のβ2受容体を刺激してcAMPを増やし、数分で気道を広げる。喘息発作時の第一選択。
薬物動態(渡航中の服用間隔を考えるうえで)
吸入では約5分で効果が出て4〜6時間持続する。全身への吸収は少ないが、高用量では全身性の副作用が出る。
渡航中に問題になりやすい相互作用
- β遮断薬(緑内障点眼を含む): 気管支拡張作用を打ち消す。喘息患者では重要
- 全身性ステロイド・利尿薬: 低カリウム血症の相加
- 三環系抗うつ薬・MAO阻害薬: 心血管系への影響増強
旅行中は普段飲まない薬(時差対策の睡眠薬、乗り物酔い止め、現地で買った鎮痛薬)が加わりやすく、 相互作用は自宅にいるときより起きやすくなります。お薬手帳の英訳またはスマートフォンの写真を 持っておくと、現地の薬剤師・医師に確認してもらえます。
副作用・使用上の注意
- 手指振戦・動悸(用量依存で、発作時の連続使用で目立つ)
- 低カリウム血症
- 使用回数の増加は喘息コントロール悪化のサイン。渡航中に使用頻度が上がったら現地受診を検討
イギリスで入手しやすい代替成分
- 代替を前提にせず、スペアの吸入器を機内持ち込み手荷物に入れる。預け荷物は低温・紛失リスクがある
- 米国では albuterol、その他の多くの国では salbutamol の名称。同じ成分
海外の薬局では商品名ではなく成分名(salbutamol / albuterol)で伝えるのが確実です。 同じ成分でも国によって商品名が変わるため、商品名だけを頼りにすると別の成分を渡されることがあります。
イギリスの規制を確認する窓口
医薬品規制当局: 医薬品・医療製品規制庁
正式名称: Medicines and Healthcare products Regulatory Agency(MHRA)
EU離脱後は独自の承認・区分制度を運用しています。
当サイトの判定は薬剤師が整理した参考情報です。次のいずれかで最新の一次情報を確認してください。
- 医薬品・医療製品規制庁(MHRA)の公表情報
- イギリスの在日大使館・総領事館(日本語で問い合わせられる場合があります)
- イギリスの税関当局が公表する旅行者向けの持ち込みルール
- 長期滞在・処方薬の大量携帯であれば、渡航前に主治医と薬剤師に相談
英文の処方箋・診断書に入れておく項目
要確認の成分でも、量が多い場合や乗り継ぎ国の規制が厳しい場合は書類を求められることがあります。次の項目を用意しておくと確実です。
- 患者本人の氏名(パスポートの綴りと一致させる)と生年月日
- 診断名または治療目的
- 一般名(salbutamol / albuterol)での成分名。商品名だけでは各国の担当者が判断できません
- 1日量・1回量・用法と、携帯する総量(滞在日数に見合う量であること)
- 処方医の署名・連絡先・医療機関名
- 処方ラベルの付いた元の容器のまま携帯すること(詰め替えない)
イギリスでサルブタモール(喘息吸入)を飲むときの水
水道水の飲用: おおむね飲用可
硬度: 280 mg/L(超硬水/180 mg/L 以上)
カルシウム: 75 mg/L / マグネシウム: 22 mg/L
ロンドン・イングランド南東部は世界有数の硬水地帯。スコットランド・ウェールズは軟水傾向。
現地でよく見るボトル水: Highland Spring(90 mg/L・軟水)、Buxton(230 mg/L・硬水)、Harrogate(260 mg/L・硬水)、Volvic(輸入)(60 mg/L・軟水)
硬水のカルシウム・マグネシウムは、テトラサイクリン系やニューキノロン系の抗菌薬、 ビスホスホネート、レボチロキシンなど一部の薬とキレートを作って吸収を落とします。サルブタモール(喘息吸入)自体はその影響を受ける成分ではありませんが、これらを併用しているなら軟水のボトル水で服用してください。
イギリスで症状が出たときに現地で買えるもの
サルブタモール(喘息吸入)を持ち込めるかどうかとは別に、現地で症状が出たときに何を買えるかを知っておくと 計画が崩れにくくなります。イギリスの症状別ガイドに、現地で入手できる成分と商品名をまとめています。
イギリスの他の渡航準備情報
サルブタモール(喘息吸入)の扱いが特に分かれる国
※ 規制は予告なく変更されます。最終確認はイギリスの大使館・税関・公的医薬品規制機関の最新情報を必ずご確認ください。 本判定は薬剤師監修の参考情報であり、法的助言ではありません。診断・治療方針の決定は医師の領域です。