アモキシシリン(経口抗菌薬)はイギリスに持って行ける?
イギリスはアモキシシリン(経口抗菌薬)の規制レベルが各国で大きく分かれるなかで特に注意が必要とされる国です。当サイトはイギリスの一次情報を確認できていないため断定を避けます。この成分が国によって扱いが違う理由: 薬剤耐性(AMR)対策として各国が処方箋なしの販売を締め上げている最中の成分。公式には処方薬でも薬剤師裁量での販売慣行が残る国があり、「買えた」という旅行者の体験談と現行制度がずれやすい。慣行を前提にした計画は立てない方がよい。
必要書類・推奨書類
- 英文処方箋・診断書(推奨)
実務注意
- 出発前に渡航先の医薬品規制当局または在外公館に最新ルールを確認すること
なぜアモキシシリン(経口抗菌薬)は国によって扱いが変わるのか
薬剤耐性(AMR)対策として各国が処方箋なしの販売を締め上げている最中の成分。公式には処方薬でも薬剤師裁量での販売慣行が残る国があり、「買えた」という旅行者の体験談と現行制度がずれやすい。慣行を前提にした計画は立てない方がよい。
条約の附表に載っている成分は、治療目的の携帯であっても入国時に「規制物質を持ち込む行為」として 扱われます。自国での販売区分(OTCか処方薬か)は、渡航先での判断とは別物だと考えてください。
アモキシシリン(経口抗菌薬)について
成分(INN): amoxicillin
日本ブランド: サワシリン・アモリン
海外ブランド: Amoxil・Trimox
世界の多くで処方薬だが、ポルトガル・スペイン・東南アジア等では薬剤師判断のOTC販売の慣行が残る国も。耐性菌対策で規制強化中。
作用機序
ペニシリン系βラクタム系抗菌薬。細菌のペニシリン結合蛋白(PBP)に結合して細胞壁合成を阻害し、殺菌的に作用する。
薬物動態(渡航中の服用間隔を考えるうえで)
経口吸収が良く、半減期は約1時間。ほぼ腎排泄のため腎機能低下時は投与間隔を延ばす。
渡航中に問題になりやすい相互作用
- プロベネシド: 排泄を阻害して血中濃度上昇
- アロプリノール: 皮疹の頻度が上がる
- メトトレキサート: 排泄遅延
- 経口避妊薬: 効果減弱は理論上の懸念とされる
旅行中は普段飲まない薬(時差対策の睡眠薬、乗り物酔い止め、現地で買った鎮痛薬)が加わりやすく、 相互作用は自宅にいるときより起きやすくなります。お薬手帳の英訳またはスマートフォンの写真を 持っておくと、現地の薬剤師・医師に確認してもらえます。
副作用・使用上の注意
- ペニシリンアレルギー。既往があれば絶対に使わない
- 下痢・カンジダ症。旅行中の下痢が抗菌薬由来か感染由来か区別しにくくなる
- EBV感染(感染性単核症)に投与すると高率に皮疹が出る
イギリスで入手しやすい代替成分
- 自己判断での抗菌薬使用は避け、現地医療機関を受診する。症状だけで適応を決められない
- アジスロマイシン: 旅行者下痢の中等症以上で使われることがあるが、これも処方判断が必要
海外の薬局では商品名ではなく成分名(amoxicillin)で伝えるのが確実です。 同じ成分でも国によって商品名が変わるため、商品名だけを頼りにすると別の成分を渡されることがあります。
イギリスの規制を確認する窓口
医薬品規制当局: 医薬品・医療製品規制庁
正式名称: Medicines and Healthcare products Regulatory Agency(MHRA)
EU離脱後は独自の承認・区分制度を運用しています。
当サイトの判定は薬剤師が整理した参考情報です。次のいずれかで最新の一次情報を確認してください。
- 医薬品・医療製品規制庁(MHRA)の公表情報
- イギリスの在日大使館・総領事館(日本語で問い合わせられる場合があります)
- イギリスの税関当局が公表する旅行者向けの持ち込みルール
- 長期滞在・処方薬の大量携帯であれば、渡航前に主治医と薬剤師に相談
英文の処方箋・診断書に入れておく項目
要確認の成分でも、量が多い場合や乗り継ぎ国の規制が厳しい場合は書類を求められることがあります。次の項目を用意しておくと確実です。
- 患者本人の氏名(パスポートの綴りと一致させる)と生年月日
- 診断名または治療目的
- 一般名(amoxicillin)での成分名。商品名だけでは各国の担当者が判断できません
- 1日量・1回量・用法と、携帯する総量(滞在日数に見合う量であること)
- 処方医の署名・連絡先・医療機関名
- 処方ラベルの付いた元の容器のまま携帯すること(詰め替えない)
イギリスでアモキシシリン(経口抗菌薬)を飲むときの水
水道水の飲用: おおむね飲用可
硬度: 280 mg/L(超硬水/180 mg/L 以上)
カルシウム: 75 mg/L / マグネシウム: 22 mg/L
ロンドン・イングランド南東部は世界有数の硬水地帯。スコットランド・ウェールズは軟水傾向。
現地でよく見るボトル水: Highland Spring(90 mg/L・軟水)、Buxton(230 mg/L・硬水)、Harrogate(260 mg/L・硬水)、Volvic(輸入)(60 mg/L・軟水)
硬水のカルシウム・マグネシウムは、テトラサイクリン系やニューキノロン系の抗菌薬、 ビスホスホネート、レボチロキシンなど一部の薬とキレートを作って吸収を落とします。アモキシシリン(経口抗菌薬)自体はその影響を受ける成分ではありませんが、これらを併用しているなら軟水のボトル水で服用してください。
イギリスで症状が出たときに現地で買えるもの
アモキシシリン(経口抗菌薬)を持ち込めるかどうかとは別に、現地で症状が出たときに何を買えるかを知っておくと 計画が崩れにくくなります。イギリスの症状別ガイドに、現地で入手できる成分と商品名をまとめています。
イギリスの他の渡航準備情報
アモキシシリン(経口抗菌薬)の扱いが特に分かれる国
※ 規制は予告なく変更されます。最終確認はイギリスの大使館・税関・公的医薬品規制機関の最新情報を必ずご確認ください。 本判定は薬剤師監修の参考情報であり、法的助言ではありません。診断・治療方針の決定は医師の領域です。