コデインはミャンマーに持って行ける?
コデインはオピオイドとして条約管理下にあり、日本のOTC総合感冒薬に含まれていても渡航先では規制薬物として扱われる可能性があります。ミャンマーについても同じ前提で準備してください。
必要書類・推奨書類
- 英文処方箋
- 英文診断書
- 国によっては渡航前の輸入許可申請
実務注意
- 処方ラベルの付いた元の容器のまま、滞在日数に見合う量だけ携帯する
なぜコデインは国によって扱いが変わるのか
オピオイドであるため乱用・依存の管理対象になる一方、日本のように総合感冒薬へのOTC配合を認めている国もある。「自国でOTCだから他国でもOTC」という推測が最も危険な成分で、中東では旅行者の逮捕事例が報告されている。
国際条約上の位置づけ: 麻薬に関する単一条約(1961年)の附表II(低含量製剤は附表III)
条約の附表に載っている成分は、治療目的の携帯であっても入国時に「規制物質を持ち込む行為」として 扱われます。自国での販売区分(OTCか処方薬か)は、渡航先での判断とは別物だと考えてください。
コデインについて
成分(INN): codeine
日本ブランド: 新ジキニン・パブロンメディカルC(一部)・フスコデ
海外ブランド: Tylenol #3・Codalgin・Solpadeine
オピオイドのため国による管理が大きく異なる。UAE・サウジアラビアでは旅行者の所持で逮捕事例あり。日本は12歳未満禁忌。
作用機序
μオピオイド受容体作動薬。中枢の咳中枢を抑制し、鎮痛作用も持つ。ただしコデイン自体の受容体親和性は低く、体内でモルヒネに代謝されてはじめて効くプロドラッグ。
薬物動態(渡航中の服用間隔を考えるうえで)
CYP2D6によりモルヒネへ代謝される。半減期は約2.5〜3時間。CYP2D6の活性には遺伝的な個人差が大きく、超高活性型(ultrarapid metabolizer)ではモルヒネが過剰生成されて呼吸抑制が起こり、低活性型ではほとんど効かない。
渡航中に問題になりやすい相互作用
- CYP2D6阻害薬(パロキセチン・フルオキセチン・キニジン): 鎮痛・鎮咳効果が出なくなる
- アルコール・ベンゾジアゼピン系・他のオピオイド: 呼吸抑制の相加
- 制吐薬・抗コリン薬: 便秘の増強
旅行中は普段飲まない薬(時差対策の睡眠薬、乗り物酔い止め、現地で買った鎮痛薬)が加わりやすく、 相互作用は自宅にいるときより起きやすくなります。お薬手帳の英訳またはスマートフォンの写真を 持っておくと、現地の薬剤師・医師に確認してもらえます。
副作用・使用上の注意
- 便秘(長時間フライトと脱水で悪化しやすい)
- 傾眠・めまい。時差のある移動中は転倒リスク
- 12歳未満は呼吸抑制のため使用しない(日本でも2019年以降は禁忌)
ミャンマーで入手しやすい代替成分
- デキストロメトルファン(Robitussin DM等): 非麻薬性の鎮咳成分
- アセトアミノフェン・イブプロフェン: 鎮痛目的ならこちらで代替
- はちみつ・トローチ: 軽度の咳では機械的保護でも十分なことがある
海外の薬局では商品名ではなく成分名(codeine)で伝えるのが確実です。 同じ成分でも国によって商品名が変わるため、商品名だけを頼りにすると別の成分を渡されることがあります。
ミャンマーの規制を確認する窓口
医薬品規制当局: ミャンマー食品医薬品局
正式名称: Food and Drug Administration(FDA Myanmar)
当サイトの判定は薬剤師が整理した参考情報です。次のいずれかで最新の一次情報を確認してください。
- ミャンマー食品医薬品局(FDA Myanmar)の公表情報
- ミャンマーの在日大使館・総領事館(日本語で問い合わせられる場合があります)
- ミャンマーの税関当局が公表する旅行者向けの持ち込みルール
- 長期滞在・処方薬の大量携帯であれば、渡航前に主治医と薬剤師に相談
英文の処方箋・診断書に入れておく項目
コデインのように書類を求められる可能性がある成分では、内容が不足していると空港で止まります。次の項目が入っているか出発前に確認してください。
- 患者本人の氏名(パスポートの綴りと一致させる)と生年月日
- 診断名または治療目的
- 一般名(codeine)での成分名。商品名だけでは各国の担当者が判断できません
- 1日量・1回量・用法と、携帯する総量(滞在日数に見合う量であること)
- 処方医の署名・連絡先・医療機関名
- 処方ラベルの付いた元の容器のまま携帯すること(詰め替えない)
ミャンマーでコデインを飲むときの水
水道水の飲用: 飲用は避ける
硬度: 150 mg/L(硬水/120-180 mg/L)
カルシウム: 40 mg/L / マグネシウム: 12 mg/L
水道水は飲用不可。ボトル水でも信頼できる大手ブランドに限定を。
ミャンマーでは水道水をそのまま飲まない前提で、服薬にもボトル水を使ってください。薬は正しく飲めていても、飲み水由来の感染で下痢・脱水になれば吸収も体調も崩れます。
現地でよく見るボトル水: Alpine(50 mg/L・軟水)、Max Max(40 mg/L・軟水)
硬水のカルシウム・マグネシウムは、テトラサイクリン系やニューキノロン系の抗菌薬、 ビスホスホネート、レボチロキシンなど一部の薬とキレートを作って吸収を落とします。コデイン自体はその影響を受ける成分ではありませんが、これらを併用しているなら軟水のボトル水で服用してください。
ミャンマーで症状が出たときに現地で買えるもの
コデインを持ち込めるかどうかとは別に、現地で症状が出たときに何を買えるかを知っておくと 計画が崩れにくくなります。ミャンマーの症状別ガイドに、現地で入手できる成分と商品名をまとめています。
ミャンマーの他の渡航準備情報
コデインの扱いが特に分かれる国
※ 規制は予告なく変更されます。最終確認はミャンマーの大使館・税関・公的医薬品規制機関の最新情報を必ずご確認ください。 本判定は薬剤師監修の参考情報であり、法的助言ではありません。診断・治療方針の決定は医師の領域です。