韓国でアレルギーになったら|現地で買える薬と薬局での買い方を薬剤師が解説
韓国は日本から最も近い海外旅行先のひとつですが、気候・花粉・大気環境・食文化の違いから、旅行中にアレルギー症状が突然悪化するケースが少なくありません。本記事では、博士(薬学)取得・薬剤師の立場から、韓国でのアレルギー対処法を7つの観点で徹底解説します。
韓国でアレルギーになる原因の解説
季節性アレルギー:花粉と大気汚染の複合問題
韓国のアレルギー事情を語るうえで避けて通れないのが、花粉と微小粒子状物質(PM2.5)の複合曝露です。ソウル・釜山・大邱などの主要都市は、偏西風によって中国大陸から運ばれる黄砂・PM2.5が毎年春に大量飛来します。この粒子が花粉の表面に付着すると、アレルゲン性が増強され、日本国内では軽症だった人が韓国滞在中に重篤な鼻炎・眼症状を経験することがあります。
- 春(3〜5月):スギ・ヒノキ(韓国では少量)、イネ科草本、シラカバ属の花粉が主体。済州島ではヒノキ花粉が多い。
- 夏(6〜8月):花粉は少ないが、高温多湿によりカビ胞子(アルテルナリア、クラドスポリウム)が増殖。
- 秋(9〜10月):ブタクサ(돼지풀)、ヨモギ属(쑥)の花粉ピーク。秋季アレルギー性鼻炎の主因。
- 冬(11〜2月):花粉は減少するが、室内換気の低下によりダニ・ハウスダストへの曝露が増える。
食文化由来の食物アレルギー
韓国料理はエビ・カニなどの甲殻類、牡蠣・アサリなどの貝類を豊富に使います。チゲ鍋・スンドゥブ・海鮮チヂミなど観光客に人気の料理にも甲殻類エキスが隠し味として入ることが多く、甲殻類アレルギーを持つ方は特に注意が必要です。また、発酵食品(キムチ・テンジャンチゲ)に使われる大豆・小麦成分がアレルゲンとなるケースも報告されています。
ゴマ(참기름)は韓国料理に非常に広く使われており、ゴマアレルギーを持つ方は食材確認が欠かせません。食物アレルギーで過去にアナフィラキシーを起こしたことがある方は、必ずエピネフリン自己注射薬(エピペン)を携帯してください。
宿泊環境と通年性アレルギー
韓国のホテルやゲストハウスでは、床暖房(オンドル)を使用する施設が多く、室内温度が高い半面、加湿が不十分になりがちです。乾燥した空気は鼻粘膜を刺激し、アレルギー性鼻炎を悪化させます。一方、エアコンのフィルターにカビやダニが繁殖している施設では通年性アレルギーが誘発されます。
水質・生活環境の違い
韓国の水道水は基本的に飲料水として管理されていますが、地域によってカルキ(塩素)濃度が日本より高い場合があり、肌への刺激で接触性皮膚炎やアレルギー反応が出ることがあります。コスメ・日用品の香料成分も日本製品と異なる場合があるため、旅行先で使用するボディーソープ・シャンプーには注意が必要です。
重症度判定チェックリスト
アレルギー症状が出たとき、まず行うべきことは重症度の見極めです。以下の3段階で判断してください。
🚨 レベル1:緊急受診(119番通報 または 直ちに救急病院へ)
以下のいずれか1つでも当てはまれば、市販薬での対処は禁忌です。
- 息苦しさ、喘鳴(ゼーゼーという音)がある
- 喉・舌・唇が腫れている、または喉が締め付けられる感覚がある
- 顔面・全身に急速に広がる蕁麻疹がある
- めまい、気を失いそう、または意識がもうろうとしている
- 食後15〜30分以内に上記症状が出現した(食物アナフィラキシーの疑い)
- 以前にアナフィラキシーを起こしたことがあり、同様の症状が出ている
⇒ 119番に電話し「アナフィラキシー(아나필락시스)」と伝えてください。エピペンがあれば直ちに使用してください。
⚠️ レベル2:準緊急(24〜48時間以内に医師診察)
- OTC抗ヒスタミン薬を2日間服用しても症状が改善しない
- 38℃以上の発熱を伴うアレルギー症状がある
- 目の充血が強く、視力低下または強い眼痛を感じる
- 鼻汁が黄色〜緑色に変化し、頬・額の圧痛がある(副鼻腔炎の疑い)
- 喘息既往があり、呼吸時にわずかに喘鳴がある
- 皮膚症状が広範囲に広がっている、または水疱・びらんを形成している
⇒ 翌日以内にクリニックまたは病院を受診してください。観光案内所(관광안내소)で英語対応病院を紹介してもらえます。
✅ レベル3:経過観察(市販薬で対処可能)
- くしゃみ、鼻水、鼻づまりのみ(発熱なし)
- 目のかゆみ・涙目のみ(充血軽度)
- 皮膚のかゆみが軽度で、範囲が限定的
- 同じ場所・同じ季節で例年経験するアレルギー症状と一致
- 症状が出て24時間以内で、徐々に悪化していない
⇒ 以下のOTC薬で対処し、2〜3日で改善がなければレベル2の基準に格上げしてください。
現地薬局で買えるOTC薬
韓国は「약국(ヤックク)」が街中に多く、日本のドラッグストア感覚で利用できます。以下は実在が確認されている成分を中心に、入手しやすい製品を紹介します。製品名は変更・廃番になる場合があるため、成分名で薬剤師に確認することを推奨します。
第2世代抗ヒスタミン薬(推奨)
眠気が少なく、日中も服用しやすいため旅行中の第一選択です。
| ブランド名(韓国語) | 有効成分 | 用量・用法 | 価格目安 | 主な入手先 |
|---|---|---|---|---|
| 자이잘(Xyzal / ザイザル) | レボセチリジン塩酸塩 5mg | 1日1回1錠(就寝前推奨) | 1,000〜1,500ウォン/錠(目安) | 약국(調剤薬局) |
| 클라리틴(Claritin / クラリチン) | ロラタジン 10mg | 1日1回1錠 | 概ね1,000〜1,500ウォン/錠(目安) | 약국 |
| 알레그라(Allegra / アレグラ) | フェキソフェナジン塩酸塩 60mg または 120mg | 60mg錠:1日2回、120mg錠:1日1回 | 概ね1,000〜2,000ウォン/錠(目安) | 약국 |
| 지르텍(Zyrtec / ジルテック) | セチリジン塩酸塩 10mg | 1日1回1錠 | 概ね1,000〜1,500ウォン/錠(目安) | 약국 |
薬剤師コメント:レボセチリジン(Xyzal)はセチリジンの活性体であり、より少量で同等の効果が得られます。フェキソフェナジンは食事の影響を最も受けにくく、食後・食前のどちらでも服用可能です。
第1世代抗ヒスタミン薬
眠気が強いため、就寝前や急性期の短期使用に限定することを推奨します。
| ブランド名・成分 | 有効成分 | 用量・用法 | 備考 |
|---|---|---|---|
| クロルフェニラミンマレイン酸塩配合薬(成分名で確認) | クロルフェニラミンマレイン酸塩 4mg | 1回1錠、1日3〜4回 | 眠気・口渇あり、運転不可 |
注意:第1世代抗ヒスタミン薬は韓国の総合感冒薬(종합감기약)にも配合されていることが多く、アレルギーのみの症状であれば単剤の抗ヒスタミン薬を選ぶことを推奨します。
点鼻薬・鼻スプレー(점비액)
| 成分 | 用量 | 注意事項 |
|---|---|---|
| オキシメタゾリン塩酸塩 0.05%配合点鼻薬(成分名で確認) | 1〜2噴霧、1日2〜3回 | 連続使用は3日以内。それ以上の使用で反跳性鼻充血(リバウンド)を起こす |
| フルチカゾンプロピオン酸エステル配合点鼻薬(処方箋必要な場合あり) | 医師・薬剤師指示に従う | ステロイド点鼻薬は韓国では処方箋が必要なケースが多い |
点眼薬(眼薬 / 안약)
| 成分 | 特徴 | 備考 |
|---|---|---|
| クロモグリク酸ナトリウム配合点眼薬(成分名で確認) | アレルギー性結膜炎に有効、予防的使用可能 | 花粉シーズン前からの予防点眼が有効 |
| ケトチフェンフマル酸塩配合点眼薬(成分名で確認) | 抗ヒスタミン作用で即効性あり | 旅行中の急性期に適する |
薬剤師コメント:韓国の약局(ヤックク)で「알레르기 눈약(アレルギー ヌンヤク)」と伝えると、薬剤師が適切な点眼薬を案内してくれます。
現地語での症状表現・薬局での買い方フレーズ
韓国の薬局は薬剤師が常駐しており、症状を伝えれば適切な薬を案内してくれます。英語が通じる場合も多いですが、以下の韓国語フレーズを活用するとより確実です。
症状を伝えるフレーズ
| 日本語 | 韓国語 | 発音(カナ) |
|---|---|---|
| アレルギー症状があります | 저는 알레르기 증상이 있어요 | チョヌン アルレルギー チュンサンイ イッソヨ |
| 鼻がかゆくてくしゃみが出ます | 코가 가렵고 재채기가 나요 | コガ カリョッコ チェチェギガ ナヨ |
| 目がかゆいです | 눈이 가려워요 | ヌニ カリョウォヨ |
| 鼻水が止まりません | 콧물이 계속 나요 | コンムリ ケソク ナヨ |
| 鼻が詰まっています | 코가 막혔어요 | コガ マッキョッソヨ |
| 皮膚にかゆみがあります | 피부가 가려워요 | ピブガ カリョウォヨ |
| 花粉症があります | 꽃가루 알레르기가 있어요 | コッカル アルレルギガ イッソヨ |
| 食物アレルギーがあります | 음식 알레르기가 있어요 | ウムシク アルレルギガ イッソヨ |
| ○○アレルギーがあります | ○○ 알레르기가 있어요 | ○○ アルレルギガ イッソヨ |
薬局で薬を買うフレーズ
| 日本語 | 韓国語 | 発音(カナ) |
|---|---|---|
| 処方箋なしで買える薬をください | 처방전 없이 살 수 있는 약 주세요 | チョバンジョン オプシ サル ス インヌン ヤク チュセヨ |
| 抗ヒスタミン薬をください | 항히스타민 약 주세요 | ハン ヒスタミン ヤク チュセヨ |
| 眠くなりにくい薬はありますか | 졸리지 않는 약 있어요? | チョルリジ アンヌン ヤク イッソヨ? |
| 1日1回の薬をください | 하루 한 번 먹는 약 주세요 | ハル ハン ボン モンヌン ヤク チュセヨ |
| 子ども用(○歳)の薬はありますか | 어린이용(○살)약 있어요? | オリニヨン(○サル)ヤク イッソヨ? |
| この成分の薬はありますか | 이 성분 약 있어요? | イ ソンブン ヤク イッソヨ? |
| 薬剤師さん、おすすめを教えてください | 약사님, 추천해주세요 | ヤッサニム チュチョンヘジュセヨ |
英語フレーズ(薬局で通じる可能性が高いもの)
| 英語フレーズ | カナ発音 |
|---|---|
| I have allergy symptoms. | アイ ハヴ アレルジー シンプトムズ |
| Do you have antihistamine tablets? | ドゥ ユー ハヴ アンティヒスタミン タブレッツ? |
| I need something non-drowsy. | アイ ニード サムシング ノン ドロウジー |
| Can I get this without a prescription? | キャン アイ ゲット ディス ウィズアウト ア プリスクリプション? |
| I'm allergic to shrimp and shellfish. | アイム アレルジック トゥ シュリンプ アンド シェルフィッシュ |
現地の医療事情
韓国の医療システムの概要
韓国は国民健康保険(国民건강보험)制度が整備された高水準の医療国です。外国人旅行者も自費診療でほとんどの医療機関を利用できます。日本と異なる点として、「약국(ヤックク)」は薬剤師が必ず常駐する調剤薬局であり、医療用医薬品は処方箋なしには販売されません。OTC薬の種類は日本と同程度に豊富です。
医療機関の種類
| 種別 | 韓国語 | 特徴 | 旅行者の利用適性 |
|---|---|---|---|
| 大学病院 | 대학병원 | 専門診療、高度医療対応 | 重症時 |
| 総合病院 | 종합병원 | 内科・耳鼻咽喉科など複数科あり | 中等症〜 |
| 一般クリニック | 의원(ウィウォン) | 軽症〜中等症に対応、待ち時間少 | 軽症〜中等症に最適 |
| 耳鼻咽喉科クリニック | 이비인후과 의원 | アレルギー性鼻炎の専門 | 鼻・喉症状に最適 |
| 救急救命センター | 응급실(ウンゲプシル) | 24時間対応 | 緊急時 |
主要都市の日本語・英語対応医療機関(目安)
- ソウル:ソウル大学病院、延世大学セブランス病院、サムスンソウル病院などは英語対応窓口あり。観光客が多いエリアでは英語対応クリニックも多い。
- 釜山:釜山大学病院、東亜大学病院に英語通訳サービスあり。
- 済州島:済州漢拏病院に外国人診療センターあり。
補足:韓国観光公社が運営する「Medical Korea(메디컬코리아)」ウェブサイトでは、外国人対応医療機関を検索できます。また「닥터나우(DoctorNow)」アプリはソウル近郊のクリニックのオンライン診療・近隣薬局検索に対応しており、言語設定を英語にして利用できます。
緊急連絡先
| 用途 | 番号 | 備考 |
|---|---|---|
| 救急・火災 | 119 | アナフィラキシーなど緊急時 |
| 警察 | 112 | 犯罪・事故 |
| 外国人専用観光ヘルプライン | 1330 | 24時間・日本語対応あり |
| 在韓日本大使館(領事部) | +82-2-2170-5200 | 医療機関紹介相談可 |
119通報時の英語フレーズ:
I need an ambulance.(アイ ニード アン アンビュランス)I'm having a severe allergic reaction.(アイム ハヴィング ア スィヴィア アレルジック リアクション)I have anaphylaxis.(アイ ハヴ アナフィラキシス)
1330(観光ヘルプライン)利用時の日本語フレーズ: 「日本語で話したいです。アレルギー症状があり、近くの病院を教えてください」
医療費の目安と保険
韓国では外国人旅行者は全額自費となりますが、クリニック受診の場合は概ね30,000〜100,000ウォン程度(目安)であることが多いです。海外旅行保険に加入している場合は、受診前に保険会社のキャッシュレス対応病院を確認することを強く推奨します。領収書・診断書は必ず受け取りましょう。
薬剤師の視点:渡航前準備と持参推奨OTC
渡航前に日本で準備すべき薬
韓国は薬局アクセスが良好(easy)ですが、花粉シーズン(春・秋)や症状が重い場合は日本で準備していく方が安心です。以下は確実に実在する日本のOTC薬です。
第2世代抗ヒスタミン薬(経口)
| 日本のOTC薬 | 有効成分 | 特徴 |
|---|---|---|
| アレグラFX | フェキソフェナジン塩酸塩 60mg | 食事の影響を受けにくい、眠気少ない |
| コンタック鼻炎Z | セチリジン塩酸塩 10mg | 12時間持続、1日2回 |
| エバステルAL | エバスチン 5mg | 眠気少ない、1日1回 |
| クラリチンEX | ロラタジン 10mg | 眠気が最も少ないクラスの一つ |
| アレジオン20 | エピナスチン塩酸塩 20mg | 鼻症状・皮膚症状両方に有効 |
点眼薬
| 日本のOTC薬 | 有効成分 | 特徴 |
|---|---|---|
| ロートアルガードクリアブロックEX | ケトチフェンフマル酸塩配合 | アレルギー性結膜炎に有効 |
| インタールUD(要薬局相談) | クロモグリク酸ナトリウム | 予防的使用に適する |
製品名・成分は変更される場合があります。購入時に薬剤師または添付文書で確認してください。
持参時の注意事項
- 韓国への医薬品持ち込みは、自己使用目的・1ヶ月分程度であれば一般的に問題ありませんが、麻薬・向精神薬は別途規制があります。
- 薬の名前・成分を英語で記載したメモを携帯すると、現地医療機関でのスムーズなコミュニケーションに役立ちます。
- エピペン(エピネフリン自己注射薬)を常用している方は、韓国でも携帯が認められていますが、税関で説明できるよう英語の医師診断書・処方箋コピーを準備することを推奨します。
現地購入のリスクと注意点
韓国は医薬品の品質管理が整備された国ですが、以下の点に注意してください。
- 正規の약국(薬局)以外での購入は避ける:観光地の露店や無認可の販売ルートから購入した場合、品質が保証されません。
- 総合感冒薬(종합감기약)の注意:アレルギーのみの症状に対し複合成分の感冒薬を服用すると、不要な成分(解熱鎮痛薬・カフェインなど)による副作用リスクが増します。単剤の抗ヒスタミン薬を選びましょう。
- ステロイド含有外用薬:皮膚症状に対してステロイド含有軟膏を購入する場合、医師の診察なしに使用すると症状を複雑化させる可能性があります。軽度のかゆみには非ステロイド系抗炎症成分配合クリームの使用を検討し、範囲が広い場合や改善しない場合は皮膚科を受診してください。
- 成分の確認:韓国語のパッケージが読めない場合は、購入前に薬剤師に成分(성분)を確認するか、スマートフォンの翻訳アプリを活用してください。
帰国後の観察ポイント
アレルギー症状と感染症の鑑別
韓国から帰国後もアレルギーに似た症状が続く場合、輸入感染症の可能性を念頭に置く必要があります。
| 症状パターン | 鑑別すべき疾患 | 受診科 |
|---|---|---|
| 発熱+全身の発疹+かゆみ(帰国後2〜4週間以内) | ウイルス感染症(デング熱は韓国での頻度は低いが要確認)、薬疹 | 感染症内科・皮膚科 |
| くしゃみ・鼻水が2週間以上続く+発熱あり | 百日咳、副鼻腔炎、ウイルス性上気道炎 | 耳鼻咽喉科・内科 |
| 目の充血+眼脂(目やに)が続く | ウイルス性結膜炎(アデノウイルス等)、クラミジア結膜炎 | 眼科 |
| 食後のアレルギー症状が帰国後も繰り返す | 食物アレルギーの新規感作 | アレルギー科・内科 |
| 皮膚のかゆみ+小丘疹(特に手指・腹部) | 疥癬(集団宿泊施設利用の場合) | 皮膚科 |
帰国後に医療機関を受診すべきタイミング
- 帰国後2週間以内に発熱(37.5℃以上)が出現した場合
- 旅行中に服用したOTC薬の服用を止めても1週間以上症状が続く場合
- 旅行中には軽度だった皮膚症状が帰国後に悪化・拡大した場合
- 今回の旅行で初めてアレルギー症状を経験し、原因が特定できない場合
受診時の伝達事項:旅行先(韓国)、渡航期間、食べたもの、宿泊施設、服用した薬の名前・成分を医師に伝えると診断の助けになります。アレルギー科または感染症内科への受診を推奨します。
アレルギー検査の受診勧奨
旅行中に初めてアレルギー症状を経験した場合、帰国後に**アレルギー科または耳鼻咽喉科でアレルゲン特定検査(血液検査:特異的IgE抗体検査)**を受けることを強く推奨します。原因アレルゲンが特定されれば、次回の渡航前に適切な薬の準備や食材回避が可能になります。
持参薬・現地購入薬のまとめ比較
| 項目 | 日本から持参 | 韓国現地購入 |
|---|---|---|
| 入手のしやすさ | ◎ 出発前に余裕を持って準備 | ◎ 약局が多く容易 |
| 言語の問題 | ◎ 日本語パッケージで安心 | △ 韓国語表記だが薬剤師が対応 |
| 同一成分の確認 | ◎ 成分・用量を把握済み | ○ 薬剤師に確認可能 |
| 費用 | ○ 日本価格で購入済 | ○ 概ね同等か若干割高の場合も |
| アレルギー重症者・エピペン常用者 | ◎ 必ず持参すること | ✗ エピペンは現地OTC購入不可 |
| 花粉シーズン中の旅行 | ◎ 渡航前から服用開始できる | ○ 対応可能だが出発当日からの対応になる |
参考文献
-
韓国食品医薬品安全処(식품의약품안전처)公式ウェブサイト:医薬品情報検索
https://www.mfds.go.kr -
外務省 海外安全情報「韓国」(医療・衛生情報含む)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_009.html -
World Health Organization (WHO):Allergic rhinitis and its impact on asthma (ARIA) guidelines
https://www.who.int/publications/i/item/9789290225317 -
Centers for Disease Control and Prevention (CDC):Travelers' Health – South Korea
https://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/traveler/none/south-korea -
日本アレルギー学会:アレルギー総合ガイドライン2022
https://www.jsaweb.jp/modules/publicate/index.php?content_id=4 -
在大韓民国日本国大使館:医療機関リスト・緊急連絡先
https://www.kr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/konsular_03.html -
韓国観光公社 Medical Korea(外国人向け医療機関情報)
https://english.visitmedicalkorea.com/
まとめ
韓国でのアレルギー症状には、季節性花粉・大気汚染(PM2.5)・食物アレルギー・宿泊環境のダニ・カビなどが複合的に関与します。軽症から中等症の場合は、レボセチリジン(Xyzal系)・ロラタジン(Claritin系)・フェキソフェナジン(Allegra系)・セチリジン(Zyrtec系)などの第2世代抗ヒスタミン薬が韓国の약局で容易に購入でき、有効です。
薬局では「항히스타민 약 주세요(ハン ヒスタミン ヤク チュセヨ)」または「알레르기 약 추천해주세요(アルレルギー ヤク チュチョンヘジュセヨ)」と伝えれば対応してもらえます。
最重要事項:呼吸困難・喉の腫れ・顔面浮腫・意識障害などアナフィラキシーの徴候があれば、ためらわずに119番に電話してください。軽症でも2〜3日改善しない場合は医師の診察を受けることをお勧めします。韓国の医療水準は高く、**1330(観光ヘルプライン・日本語対応)**でも医療機関の案内が受けられます。
免責事項
本記事は薬学的知識に基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の疾患診断・治療法の指示を行うものではありません。記載された薬剤情報・価格・医療機関情報は執筆時点のものであり、変更になる場合があります。旅行先での症状については、必ず現地の医師・薬剤師に相談の上、適切な医療を受けてください。アナフィラキシー等の緊急症状には直ちに救急対応を求めてください。
監修:薬剤師(博士(薬学))